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空海のインスタレーション[2008年02月22日(金) ]
想像力と才能にあふれたエンターティナー空海が築いた密教の世界は、立体的に仏像を配置することにより、壮大な宇宙空間を演出しました。

819年〜824年頃にかけて、空海は、高野山金剛峰寺の講堂に金剛界曼荼羅の中の七尊を造立しました。しかし、これは昭和の初めに焼失して現在は写真でしか見ることができません。
空海は高野山の次に、東寺講堂の21尊像を企画しました。これは、空海没後の839年、開眼供養が行われました。
仁王経(仁王護国般若蜜多経)と金剛頂経に基づく、空海独自のこれらの仏像は、全体に壮大な気宇と、力強い動感に満ち、密教美術の本領を発揮しています。
特に五大明王像や四天王立像は、後の運慶らに影響を与えました。(辻惟雄著 日本の美術より抜粋)

東寺講堂内諸仏;とにかく仏像たちの大きさにびっくり。21尊像それぞれに個性あるお顔と全体の動作が印象的です。









東寺立体曼荼羅所蔵配置図














四天王;左から、多聞天(北)増長天(南)、持国天(東)、広目天(西)
                        *( )内はそれぞれの守備位置。
        (修学旅行生気分でポストカードをたくさん買ってきました♪)

先週、京都を訪れる機会がありまして、東寺に行きました。
五重塔の内部を公開してました。建物の中心にある心柱を見上げますと、暗闇の中にどっしりとした存在感で、永遠に上昇しているような感覚に見舞われました。
心柱の4面にそれぞれ、如来と菩薩がそれぞれ安置されていました。柱や天井の色彩は剥落していましたが、その賢覧豪華な曼荼羅図は、色褪せても想像するだけで身震いするほど瀟洒でした。

さて、木彫り貞観仏のもう1つの特徴は、観音像にあります。
「西院曼荼羅」に共通するような、インド密教に由来する豊満な官能性があります。
代表的なのが、これ!
観心寺の「如意輪観音坐像」です。

いや〜〜、これはすごいですよね。9世紀半ばの作品です。この物憂げな表情としぐさは、人間的でもありますが、高貴な女性をイメージしたのでしょうね、品位を感じます。
6つの法力を6本の手で示しています。

この観音像と同じく、柔和な表情を浮かべてるのが、法華寺の「十一面観音立像」です。

光明皇后のお顔をモデルにしたと言われています。
しかし、まなざしは鋭いです。この像のポーズは、歩行中に停まったその瞬間をあらわしたものです。この動作は、観音の神変(奇跡)をあらわす「風動表現」であり、「気」に通じるものだそうです。

空海や最澄が唐より持ち帰った密教は、仏教を体系化し、仏像により、法力を具体的な形で表現しました。
その後、藤原氏による華やかな王朝文化にふさわしく、仏像は貴族的な優しい雰囲気へと変化していきました。
その代表的な仏像が「平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像(定朝作)」です。密教的な仏界の中で最も広い浄土を持ち、衆生の殆どを受け入れておられるのが、西にお住まいの阿弥陀如来です。

このお話は、いずれまた機会がありましたら、書かせていただきます。
わたしの拙いブログを読んでいただき、しかもご丁寧なコメントをありがとうございましたm(__)m。



Posted by blanc at 21:28 | この記事のURL
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コメント


とっちゃんぼうやさま
こんばんは〜いつも丁寧なコメントに心から感謝しておりますm(__)m
観音像の中でも、法華寺の十一面観音立像はとりわけエロティックですから、色々な言い伝えがあるのでしょうね。貞観時代の観音像は女体がモデルですから、妖しい美しさに惑わされそうです
日本人が描く外国人は「日本人になりがち」という説、なるほど、そう言われればそうですね(笑)
明治時代にパリに留学した画家たちの人物像を見ますと、パリの女性をモデルにした絵ても「日本人?」って思ったことが何度もあります。
写実的に描いているつもりでも、ルーツみたいな要素は自然ににじみ出てくるのかも知れませんね。でも、それはまた味があり、画家の個性として、なかなかいいものです。だから、とっちゃんぼうやさまの日本人のように見える音楽家も、素直な感性が表れてとても素敵な絵だと思いますが。
次回も期待していただいてありがとうございます(*^_^*)
頑張って勉強してきますまた5月頃にお会いしましょう。お元気でね(^_-)-☆
Posted by:blanc  at 2008年02月24日(日) 00:41

曼荼羅の世界などはよく理解できませんが、東寺のこれらの仏像セットは壮観ですね〜まったく。

私もこれらの仏像に魅せられて何度か東寺を訪れました。
昨年は他に目的地があったので東寺の前を通っただけでしたが、貴女の投稿でまたお会いしたくなりましたよ。

観心寺の仏像も余りにも有名ですが、まだお目にかかったことはありません。ぜひ機会があったらと思っています。

 最後になりましたが、法華寺のこの十一面観音立像に御目文字かなったのはもう三十年ほど前のことでしょうか。
光明皇后がモデルとのこと、いろいろなところからの予備知識を得て臨んだのですが、お目にかかった途端、「えっ、ちがうんじゃないの?」と正直思いました。 余りにも異国的過ぎて! 
 と、同時に「仏教って異国の宗教」ということも思い知らされました。

 後日、「天竺(インド)の仏師・問答師が光明皇后の姿を模してつくった」という伝承をもつ というのを耳にして、私の鑑賞力も満更ではない 
 と1人悦にいったものでした。

 と、言いますのも、私はその昔、クラシック音楽に興味をもち、当時有名な外国の指揮者の顔などのデッサンしたのですが、ドイツ人になるはずが、「エキゾチックな日本人」の顔にしかならないのです。
 早い話、素質がなかったのですが、いまでも不思議に思うのは、プロや才能のある人はともかく、普通の日本人が外国人を描くのに「日本人になりがち」だと耳にしたことがありますが、そんなことってあるのでしょうか?
 新聞の挿絵などの外国人もエキゾチックな日本人みたいなのがときどき目につくのは私の気のせいなのでしょうか。
 絵画にはまったくの素人の私には理論的には理解できませんが・・・

 もし、そうだとしたら、あの異国的風貌の十一面観音立像がインド人が作ったということもある意味伝承の域を超えて真実味を帯びてくるのは絵画に関してまったくの素人の私の穿った見解になるんでしょうか。
 伝承であるのはほぼ間違いないそうですから、あまり貴女に「迷惑をかける」のは本意ではありませんのでお気遣い無用です。

 とりとめのない冗文になりましたが、私も宇治の平等院も格別に好きな寺院ですので、次回も期待しています。
Posted by:とっちゃんぼうや  at 2008年02月23日(土) 23:17

静さま
早速のコメントありがとうございますm(__)m
わたしも知らないことばっかりですよ。やっと仏像の種類と造られた時代が少し分かりかけたというぐらいです。
先日、観ようという意識を持って見た仏像の数々は、さすがすごい迫力でした。リアルタイムだった平安の人々はその荘厳さにひれ伏したでしょうね。
観心寺の「如意輪観音坐像」は、今年は4月17,18日に、法華寺の「十一面観音立像」は、3月下旬から4月上旬に開扉されますよ。
雲中供養菩薩、わたしも大好きですすばらしい彫刻です。
この時代にこれだけの彫刻は、西洋には見当たらないような気がします。
日本の仏像は、日本人独自の想像力と器用さと信心深さから創られた芸術なのです。
24日からまた仕事で日本を留守にしますので、しばらくステージをお休みさせていただきます(^_-)-☆


Posted by:blanc  at 2008年02月23日(土) 23:01

blancさま

昨夜から読ませて頂いていますが、もう感動です。
一番上のお話のことですが、昔から時々眺めていながら 私は仏像がそれぞれただ並んで立っているだけのように思っていたんです。
あれは 宇宙空間を表現していたんですね。
その配置の意味を詳しく知り、今更ながら感動です。
(多分その場で説明を聞いていたのかもしれませんが、右の耳から左の耳へ、という具合で とうに消えていました〜)
詳しくお話してくださり、ありがとうございます!

また如意輪観音像は ちょっと見た感じでは木彫には見えませんね。

「十一面観音」の「風動表現」も とても興味深いです。

終わりの「平等院」ですが、こちらの「雲中供養菩薩」は 大好きな仏教美術のひとつなんです。
書いておられるように ほんとうに優しい雰囲気を醸し出していますね。

仏教美術にも 時代の変遷があることを知り、また新たな興味がわきました。
いつもありがとうございます。
Posted by:  at 2008年02月23日(土) 16:46