幸せそのものだったその家族に 突然の出来事が起きたのは、娘さんの結婚ももう間近という時でした。
滅多に表に出ることもなかったという彼女の母親が、ある日突然、姿を消したのです。
しかも、その娘さんの婚約者であった青年と共に。
置手紙等あったのかなかったのか、事件でもないので 傍から知る術もなく、詳しくどうこう言えるものではありませんが、しかし、それは どう考えても 覚悟の家出、二人の駆け落ちでした。
この話が いつものおばあさんの話とは違う、異常な話なのだと気づいたのは この時。
それまで きれいな童話でも聞くようにボッーと聞いていた私の目が覚めました。
『今、何て言った?』と 聞き返したいくらいに。
その頃の私の頭に浮かぶ”お母さん”といえば、参観日に後ろにズラッと並ぶ PTAのお母さんたちの姿。
結構 教育熱心な学校だったこともあったせいか、彼女たちの話題といえば、我が子をどうやってT大に入れるか、とか、どうしたら どこに出しても恥ずかしくないような娘にできるか、とか、申し訳ないけれど、よくあれだけ退屈きわまりない話ばかりできるな、と思うようなことばかりでした。
しかし、それでも 今こうして書いていて ”申し訳ないけれど”という言葉が出る理由は、それらが どんなに面白くない話ばかりだったにしても、みな、我が子を思えばこその言動だったろうと思えるからです。
誰よりも娘の幸せを願い、我が子のために 一生懸命尽くそうとする母親。
そんな”母親”が、その娘の恋人と 姿を消した? しかも 結婚間近に?
いくら考えても その二人が仲良く並んでいる姿など、想像もできませんでした。
それは、多分、その時、そこに住んでいた人達にとっても同じだったのでしょう。
郊外の住宅地といえば、どこも同じようなことだと思いますが、そこは 普段から 昼間でも殆ど人通りもなく、表に出て、皆が人の噂話をし合う、というような環境の所ではなかったにも拘らず、当時、この二人の駆け落ちの話は 瞬く間に近所中に広まったといいます。
ただでさえ、注目の的だったこの家族。
近所の人どおし、道で出会えば、この話になったといいます。
「あのおとなしい人がねぇ・・・」
「そんな二人は地獄行きよ。娘さんのことを考えてごらん、しかも結婚間近に・・」
「いや、結婚間近やからこそ 二人とも最後の最後まで 普通に生きようと迷ったにちがいない、・・・
それに そんな気持ちで仮に結婚しても 娘さんも、誰も幸せになんかならない・・」
口々に色々言い合う人たちの話を おばあさんはどう思って聞いていたのか・・・
滅多に表に出ることもなかったという彼女の母親が、ある日突然、姿を消したのです。
しかも、その娘さんの婚約者であった青年と共に。
置手紙等あったのかなかったのか、事件でもないので 傍から知る術もなく、詳しくどうこう言えるものではありませんが、しかし、それは どう考えても 覚悟の家出、二人の駆け落ちでした。
この話が いつものおばあさんの話とは違う、異常な話なのだと気づいたのは この時。
それまで きれいな童話でも聞くようにボッーと聞いていた私の目が覚めました。
『今、何て言った?』と 聞き返したいくらいに。
その頃の私の頭に浮かぶ”お母さん”といえば、参観日に後ろにズラッと並ぶ PTAのお母さんたちの姿。
結構 教育熱心な学校だったこともあったせいか、彼女たちの話題といえば、我が子をどうやってT大に入れるか、とか、どうしたら どこに出しても恥ずかしくないような娘にできるか、とか、申し訳ないけれど、よくあれだけ退屈きわまりない話ばかりできるな、と思うようなことばかりでした。
しかし、それでも 今こうして書いていて ”申し訳ないけれど”という言葉が出る理由は、それらが どんなに面白くない話ばかりだったにしても、みな、我が子を思えばこその言動だったろうと思えるからです。
誰よりも娘の幸せを願い、我が子のために 一生懸命尽くそうとする母親。
そんな”母親”が、その娘の恋人と 姿を消した? しかも 結婚間近に?
いくら考えても その二人が仲良く並んでいる姿など、想像もできませんでした。
それは、多分、その時、そこに住んでいた人達にとっても同じだったのでしょう。
郊外の住宅地といえば、どこも同じようなことだと思いますが、そこは 普段から 昼間でも殆ど人通りもなく、表に出て、皆が人の噂話をし合う、というような環境の所ではなかったにも拘らず、当時、この二人の駆け落ちの話は 瞬く間に近所中に広まったといいます。
ただでさえ、注目の的だったこの家族。
近所の人どおし、道で出会えば、この話になったといいます。
「あのおとなしい人がねぇ・・・」
「そんな二人は地獄行きよ。娘さんのことを考えてごらん、しかも結婚間近に・・」
「いや、結婚間近やからこそ 二人とも最後の最後まで 普通に生きようと迷ったにちがいない、・・・
それに そんな気持ちで仮に結婚しても 娘さんも、誰も幸せになんかならない・・」
口々に色々言い合う人たちの話を おばあさんはどう思って聞いていたのか・・・


静さま
ありがとうございます。
続きというほどの続きじゃなく、(5)の後に一気に書こうとしていたのが、あれこれ用事ができて落ち着かず、間が抜けてしまいました〜^^
でもこうして読んで下さっているので(思い出話とは言え、とてもうれしいです) また暫くして書かせて頂きますね。