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K園の人(5)[2008年04月22日(火) ]
幸せそのものだったその家族に 突然の出来事が起きたのは、娘さんの結婚ももう間近という時でした。

滅多に表に出ることもなかったという彼女の母親が、ある日突然、姿を消したのです。
しかも、その娘さんの婚約者であった青年と共に。

置手紙等あったのかなかったのか、事件でもないので 傍から知る術もなく、詳しくどうこう言えるものではありませんが、しかし、それは どう考えても 覚悟の家出、二人の駆け落ちでした。

この話が いつものおばあさんの話とは違う、異常な話なのだと気づいたのは この時。
それまで きれいな童話でも聞くようにボッーと聞いていた私の目が覚めました。
『今、何て言った?』と 聞き返したいくらいに。

その頃の私の頭に浮かぶ”お母さん”といえば、参観日に後ろにズラッと並ぶ PTAのお母さんたちの姿。
結構 教育熱心な学校だったこともあったせいか、彼女たちの話題といえば、我が子をどうやってT大に入れるか、とか、どうしたら どこに出しても恥ずかしくないような娘にできるか、とか、申し訳ないけれど、よくあれだけ退屈きわまりない話ばかりできるな、と思うようなことばかりでした。
 しかし、それでも 今こうして書いていて ”申し訳ないけれど”という言葉が出る理由は、それらが どんなに面白くない話ばかりだったにしても、みな、我が子を思えばこその言動だったろうと思えるからです。


誰よりも娘の幸せを願い、我が子のために 一生懸命尽くそうとする母親。

そんな”母親”が、その娘の恋人と 姿を消した? しかも 結婚間近に?
いくら考えても その二人が仲良く並んでいる姿など、想像もできませんでした。

それは、多分、その時、そこに住んでいた人達にとっても同じだったのでしょう。
郊外の住宅地といえば、どこも同じようなことだと思いますが、そこは 普段から 昼間でも殆ど人通りもなく、表に出て、皆が人の噂話をし合う、というような環境の所ではなかったにも拘らず、当時、この二人の駆け落ちの話は 瞬く間に近所中に広まったといいます。

ただでさえ、注目の的だったこの家族。
近所の人どおし、道で出会えば、この話になったといいます。

「あのおとなしい人がねぇ・・・」
「そんな二人は地獄行きよ。娘さんのことを考えてごらん、しかも結婚間近に・・」
「いや、結婚間近やからこそ 二人とも最後の最後まで 普通に生きようと迷ったにちがいない、・・・
それに そんな気持ちで仮に結婚しても 娘さんも、誰も幸せになんかならない・・」

口々に色々言い合う人たちの話を おばあさんはどう思って聞いていたのか・・・

Posted by at 13:12 | 小夜話〜K園の人〜 | この記事のURL
コメント(9)

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コメント


Mirubaさま

ありがとうございます。
続きというほどの続きじゃなく、(5)の後に一気に書こうとしていたのが、あれこれ用事ができて落ち着かず、間が抜けてしまいました〜^^
でもこうして読んで下さっているので(思い出話とは言え、とてもうれしいです) また暫くして書かせて頂きますね。
Posted by:  at 2008年04月26日(土) 00:54

え?続きがあるのですか?
待ってますとも ^^
Posted by:Miruba  at 2008年04月25日(金) 18:57

夢さま

こちらこそ こんな昔話にコメントありがとうございます。
でも・・・ほんとうに事実は小説より奇なり、ですね。
まだもう少し続きがあるのですが(書かなくてもいいのに(笑)) 少し忙しくなったために もう少し後に書くと思います。
また思い出された時にでも覗いていって下さいね。
Posted by:  at 2008年04月25日(金) 17:50

静さま
暫くこない内にお話が佳境に入りタイトルの「恋と愛の間で〜」の内容になってきていますね。
ドラマでは観ますが、実際には身近にはいませんので、
 その娘さんの気持ちを思うと〜〜〜〜でも駆け落ちした
お母さんも真剣だったのでしょうね、愛に年齢差は無いと申しますが、娘さんの婚約者まで愛してしまうのはやはり考え物ですね、でも男性は若い内は年上が好いそうですので〜〜〜〜〜男と女になると節操がないのですね。

 あら、あら、私としたことが余りにも面白かったのでついおしゃべりが過ぎました。楽しいお話を本当にありがとうございました。
Posted by:  at 2008年04月25日(金) 00:14

Mirubaさま

こんばんは〜
>お礼を言うのをわすれていました
とんでもないです。
この散文は 書いてよかったのかどうかは別として、始めの時に私のブログへのMirubaさまのコメントがなかったら あのまま続けなかったかもしれないんですもの。
書いても 思い出しながらなので 少しずつで・・
いつも拝見しているMirubaさまのブログのように 一気にたくさん書けない自分を知りました〜
古い昔話、拙い文での紹介を 読んで頂いて こちらこそありがとうございます!
Posted by:  at 2008年04月23日(水) 20:17

いけない お礼を言うのをわすれていました
静さま 本当にドキドキするお話をありがとうございました
久しぶりに興奮しましたよ
毎日お邪魔するのが楽しみでした
おとといでしたか 用事でPCを開くじかんがなくて ここに伺えなかったときは どうなったのかしら?一週見はぐった連続ドラマのお話を想像する気分でした^^
ありがとうございました
また おばあちゃんのお話 思い出したらおしえてくださいね
ではでは〜〜
Posted by:Miruba  at 2008年04月23日(水) 02:40

>と同時に ごめんなさいね。こんなタブーな話に付き合わせてしまって・・・

いいえ 人生はドラマです
実は私の知り合いのお母さんがやはり娘さんの結婚式直前に失踪してしまいました いえ こちらは幸いなことに? 他の男性でした ですがご主人は寝耳に水で その男性を可愛がっていたから余計にショックが強く
一生許さないと言っていますね

その奥さんは 娘さんの結婚式にも出ることなく どこかで暮らしているのでしょうが どうしているのでしょうか

赤い糸に惹かれてしまったら 道義も倫理も何もかもが浮世のことになってしまうのでしょうね

私は劇的な恋をしたいとは思いますが^^ 赤い糸に引かれて何もかも捨ててしまうようなことには なりたくないですね そんなの不幸も共に抱え込むような気が致します
Posted by:Miruba  at 2008年04月23日(水) 02:35

Mirubaさま

コメントありがとうございます。
と同時に ごめんなさいね。こんなタブーな話に付き合わせてしまって・・・
今もってなお、何でこんな話書き出したんだろうって思っています。

>赤い糸・・・
運命の赤い糸ってほんとにこういうことを言うのかもしれませんね。
Posted by:  at 2008年04月22日(火) 19:31

おおおお!!

なんということ!
婚約間近に!

かけおち・・・・

よくあるはなしだよね と切り捨てられない ショックな出来事

娘さんは?
その母親は?
その相手の男は?
母親の旦那さんは?
家族は?
親戚は?

さらに気になるドラマですね

しかし 本当にわが子の心を よくもここまで無視できるものですが
そんな男を娘さんに与えずにすんで身をもって示すことができてよかったともいえますが
宿命 赤い糸というのは こういうことを言うのでしょうか?

私も似た話は知っていますが あるんですね〜
娘さんの思いは いかばかりだったでしょうねェ・・・
ううん ちょっと感想に詰まりますね

Posted by:Miruba  at 2008年04月22日(火) 18:20