ありふれた日常こそ、大切なものがある。毎日の出来事こそ、大事なものがある。心の持ち方こそに年齢による変化が出てくるものだと。

黒い傷のある部屋(新井満) [2008年05月01日(木) ]
たまにはおしゃれな読み物でもいかがですか。
そんなキャッチフレーズが似合う。
絵画が出てくるものって、なんだかおしゃれ。
ビュフェという画家は、知らなかった。
だが、実在する。
派手やかな絵ではないけれど、この物語にはマッチする。
新井満は、ヴェクサシオンでも、窓のある風景がでてきた。
視覚に残る物語だった。
色彩のある物語というのは、絵でも想起することができる不思議さがある。

さて、この黒い傷のある部屋は、ありきたりではあるが、不倫を伴う恋愛ものである。男性側の気持ちは、想像でしか補えないが、女性側の気持ちは、ある程度、わかる。
柊さんはカメラマン。石ころやものだけを撮る写真家。
そこに、曜子さんというモデルが現れて、自分をとってほしいという。
紆余曲折はあるが、人間を撮るということは、形を撮ることではなく、上辺だけという意味ではなく、魂を撮るということだ。
女性という概念からすれば、究極、潜在的には、男性を誘うという形に仕上がるし、意識しなくても、そういう表情になってしまいがちだ。
そこから先の現れてない内部を暴きだすというのは、少なくとも、カメラマンとモデルという認識からはずれるかもしれないが。その先に真実の姿が現れるかもしれない。
そういう過程から、表面は、簡単にとりつくろえるけれども、真実、自分をさらけだすということは、とても難しいものだと。
そして、人と人との関係において、恋愛にしろ、友情にしろ、親子の愛情にしろ、理解しあえる関係が築けるというのは、ほんとに難しい。

と、つらつら、いろんなことを思いながら、読んだ。
あと、ビュフェという画家は最後、自殺するのだが。
その自殺は、ピニール袋をかぶっての窒息死。
柊さんも、なぞってみた。
黒いビニール袋では、外が見えない。透明なビニール袋で、南フランスの青空を見ながら、外にでて、アトリエに歩く。もう一歩というところで、意識が混濁。倒れる。自分の死は自分で決める。ではなかったかと、画家の心境をなぞる。
試してみる柊さんも柊さんだけど、死に様も生き様と同様に大事なことには違いないという気もした。

Posted at 15:02 | 本バカ | この記事のURL
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コメント


ちびまるさん
サークルは、皆さんで盛り上げてもらってますので、私、おとなしくさせていただいてます

わがままな人間は、言っても言っても、自分の都合のよいように、物事を片付けてしまいますので、けんかになるだけですものね。ほんとに、難しいです。
自分の思ってるようには、ほとんど、ならないって、思ってると、ま、腹もたたないわけでして。あとは、どれだけ、自分のやりたいことがストレスなく、できる環境を保てるかというとこがまだまだ、模索中ってとこでしょうか。。。。
Posted by:なつ  at 2008年05月02日(金) 16:08

藤のお花見、大盛況のようでしたね!
九州よかとこ会が益々楽しく発展しますように…

>人と人との関係において、恋愛にしろ、友情にしろ、親子の愛情にしろ、理解しあえる関係が築けるというのは、ほんとに難しい

これは、私も常々思うことです。どういうわけか、周囲にはわがままな人間が多く、いつも翻弄されては疲れています。でも、よく考えたら、自分の考えを言わず、何でも我慢して受け入れた結果、増長されるわけで、自分が悪いのかも?と気がつきます。いいコにならず、ビシッとモノが言えるようになりたい。あ、私の場合、大抵は友情関係で…かな。
Posted by:ちびまる  at 2008年05月02日(金) 10:43

ほばしらさん
ほんとに。観念的な世界は、目に見えないので、よけいに好悪がわかれるのかもしれないです。というか、わかりにくいのも確かですし、思い込みということもありますしね。ま、でも、わからんもんは、わからんとはっきり言えるのは、よいことです♪

花遊便さん
残念ですけど、溺れる前に飲み尽くしてしまったら、死ねんです
Posted by:なつ  at 2008年05月01日(木) 19:22

こう云うのは分ったようで、さっぱり分らんです。
カメラマンがモデルを撮るのは魂を撮る? 魂を写す? 
分ったようであまり理解できません。それって、芸術?恋愛関係? 
長年連れ添った夫婦だって、相手のことは充分、分っているようだけど、
”えっ、何で?” って、云う場面が往々にあり、自分だけかな?と思い、
兎に角、ごちゃごちゃしたことは小説の世界だけにして貰いたい。
Posted by:ほばしら  at 2008年05月01日(木) 19:17

ピニール袋をかぶっての窒息死>時間がかかって苦しみそうですね。
出来ればでおぼれ死にたい。
Posted by:花遊便  at 2008年05月01日(木) 16:28





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