ガンの患者さんや、ご自分の生死をさまよった経験談など、17編お話がはいってます。
単なるがんばる人の話ではありません。
病気に負けずにたたかったという悲惨な話とも違います。
どの方の心底にあるのは、生きたいという強い気持ちです。
そして、その生きていたいという患者さんをささえるという仕事。
それがお医者さんです。
昨今、体だけをみるという、体から病気をおしはかるということが当たり前の病院の姿勢でありますが、実は、そんなことでは、病気はなおりません。
病気というのは、そのかたの気持ちも左右するのです。
たしかに気持ちだけが全部というような無謀なことは言いません。
がんばって、病気とたたかい、いろんな薬を用いというのも、それも当然のお医者さんのあり方ではあります。が、どうでしょう。
やはり、そのなかで大きいのは、どんな考え方をしているか、どんな気持ちで病気とむかいあっているかがあるのではないでしょうか。
著者が例にだしてたノーマンカズンズの笑いの効用という本は、相当前に読んで、感化されたものですが、ここでも、立派に参考にされてました。まさしく、笑顔というのは、健康の源であるのかもしれません。
本の中の内容のひとつです。
栗田さんは、主訴が二つ以上あるという心身症的疾患である可能性がありました。
本人の気の済むまで話を聞き、次に先生が言ったことは、この症状をとるためには、長く、たぶん、10年くらいかかるかもしれないと。
そして、それについては、守っていただきたいことがひとつあると。
人と顔をあわせるときは、満面の笑みを作っていただきたいということです。
どんなに憂鬱でもどんなに身体が痛んでも、人前では無理して笑顔を作るということです。診察室にも満面の笑みを浮かべてはいってきてくださいと。これが栗田さんにたいする大切な処方箋です。と。
とにかく、検査をしながら、栗田さんの様子を見ながらと、半年と暦がめくられるたびに、表情も明るくなっていきました。
栗田さんは、胸の痛みは前と比べれば軽くなりました、でも胃がちょっと苦しくて、といいます。
このとき、先生は、「栗田さんは、胸の痛みはないのですが、胃のあたりが妙に重苦しく本当にいやになります。と、私に話しましたが、これは、どうも、後ろ向きの症状の捉え方ですね。そこを『胃のあたりが苦しいですが、おかげさまで、胸の痛みはありませんので、本当に助かってます』と、表現できたら、前向きの捉え方をして、病気のなおり方がはやいですよ」と。
こんなお医者さんは、私もみたことがないですが、体と心を切り離して考えること自体がおかしいのかもしれないと思います。わりあい、精神面のこういった治療を受けたほうが、よくなる人も多いのかもしれません。
そういう感じで、たくさんの症例が出てきますが、どれをとっても、身につまされるお話です。
最後のがんと向かい合うという、直腸がんのお医者さんの話も強烈でした。
5年生存率50パーセントといわれた外科医の神田さんなのです。
このかたは、見事でした。
自分の寿命をきちんと、おしはかって、一年計画というものを考えられました。
どういうことかというと、一年後にこの世を去るという前提を元に優先順位をつけて、これとこれと、これを先にするというふうに計画をねるというものです。
だらだらと生きてると、すぐできることは、ついつい後回しになって、いつでもできるからいいやと思ってしまいがちですが、それが後悔のもとになるんです。
なるほどなあと、人生のしめにかかってくるお年頃になったらなら、こういうことも、がんと向き合ってなくとも、考える目安になると思いました。
Posted
at 17:04
| 本バカ
| この記事のURL
コメント(7)
| トラックバック(0)
