御岳渓谷の晩秋の夕暮れです。
立川からSLに乗って奥多摩の山や川に初めて遊びに行ったのは40数年前。秋川の淵に潜って魚を追い、川原でつかまえた蛇を友達に投げつけ、繭を煮て生糸を紡ぐ工場も見学しました。養蚕がまだ行われていたのです。
「臭いといわないで。働いているのだから」と工場見学で教わった心得を、今も繭や桑の木を見ると思い出します。
山の宿舎の風呂は薪で炊き、自分の食べるお米は持参。戦時中から続いていた食糧管理制度のもと、米穀通帳が台所に下がり、毎朝蜆売りの声や豆腐屋のラッパが聞こえてくる時代でした。
過去が奇麗事ばかりでないことは承知していますが、こうして懐かしむことも楽しみの一つとなりつつある今日この頃です。
前置きが長くなりました。
そういうわけで一昨日、紅葉を見に思い入れのある奥多摩は御岳山に行きました。御嶽駅から頂上まで歩いたのも今は昔。バスとケーブルカーで武蔵御岳神社を目指しました。どうしようもなく行きたくなったのは、紅葉を見たい、という気持ちと遠い祖先たちから受け継がれてきた山岳信仰への関心が高まってきた年齢でもあるのだと思います。
紅葉は、今年も遅かったのですが、この一週間の冷え込みでかなり色づいたとのことです。参拝の後、宝物殿を開けてもらい、源氏の猛将、畠山重忠が奉納したと伝えられる国宝の赤糸縅大鎧などを見てお茶屋さんで一杯の蕎麦。850円のところを駅にあったクーポン券で一割引の765円でした。
店の方は「麓に出るにもケーブルとバスで往復2000円以上でしょ。暮らすのは大変よ。私は60年ここでやっているの」
80歳には見えません。山の空気がいいのでしょう。蕎麦のお値段も、会話を楽しむ料金込みと思えば納得のいく年頃となりました。
参道には茅葺屋根の宿坊もありました。築160年くらいだそうです。一度泊まろうかな。
大根が干してありました。
御岳渓谷沿いの玉堂美術館にも行きたかったのですが、時間がなく断念。次回は歩いて登りたいものです。
下の写真は帰りに降りた吉祥寺駅北口のイルミネーションです。60とあります。武蔵野市制60周年だそうです。






