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またも昭和の食堂へいくこと[2007年12月13日(木) ]
 とある本を読んで、これはぜひとも行かずばなるまい、と固く誓った食堂に、ついに行きました。文京区千駄木3丁目、谷中銀座が突き当たるよみせ通りを道灌山通り方向へ少し歩いて左に路地があります。



  路地の入口は、みんなwelcomeの半円形のアーチ門。目指す店はその奥左側で、「そばやなのにそばを食べている客をみたことがない」と、とある本にあった「○○○や」。
  ついに来たか、とうとうたどりついたか、という期待と不安とで、武者ぶるいとめまいが同時にきている内気な愚生。しかしもう後へは引けません。突撃あるのみ。アーチを一気に通り抜けると、店の戸をガラリと開けました。

  「こんばんはー」
  といえば
  「いらっしゃーい」
  と答える、年配のご夫婦が笑顔で迎えてくれました。先客の男性は大根の煮物などをおかずに一人テーブル席でくつろいで夕食中。

  カウンターが奥にあり、手前はデコラ張りのテーブルが二つ。
  どこに座ろうかな。
  そんな“○○○やデビュー”の愚性の気持ちをほぐすがごとく「どこでもどうぞー」とのやさしいお言葉に甘えて4人掛けのテーブルへ。

  着席してまずは一安心。さてメニューは・・・ど ど どこにもありません。
  「メニューありますか」
  「うちじゃメニュー見るお客さんがいないので読めるかな」
  確かに茶色っぽく年季が入っております。

  「いっぱいありますねえ。迷っちゃうな、困っちゃうな、何にしようかな」
  「メニュー見ているよりカウンターのぞいた方が早いよ」
  先客が見かねてかくコーチしてくれました。やさしいいい。
 
  「今、うなぎの肝炒めているから」
  「じゃ、それと野菜。いろいろありますね」
  「みんな少しずつ盛りますか」
  「はい」
  それとビール大瓶一本を頼むと懐かしのデコラのテーブル上は、一気ににぎやかになりました。生きていてよかった、明日も生きよう、としみじみ思う、我が人生でもっとも幸せな瞬間です。




  一杯飲んで落ち着いたところで話ました。
  「種村さんの、とある本、にお店が出ていたんです」
  「種村さんはよく見えてました。大きな声で楽しそうに話していましたね」
  種村さんとは、種村季弘さん。3年前に亡くなった、ドイツ文学者、評論家、作家、幻想文学の大家等々、多くの著作でその博識ぶりが知られているすごい人であります。

  話がはずんでご主人も生い立ちとか店を始めたきっかけなど、人生をいろいろと話してくれました。

  改めてメニューに目を移すとな な なんと
  もり、かけ300円。

  「今もこの値段ですか。もりそば300円ですか」
  念を押さずにはいられませんでした。
  「ここは昭和そのままの食堂だから」
  答えたのは、カウンターに座った常連さんでした。

  たぬき、きつね350円。肉南ばん400円。鍋焼き上700円。カレー丼、カツ丼、親子丼500円。天丼800円。天玉丼900円。
  目玉焼き、野菜サラダ、野菜炒め、卵焼き、板わさ300円。ハムエッグ、ウインナー炒め400円・・・

  愚生は料理3品とビール大、小合わせて二本、計2000円也。
  「谷根千(谷中根津千駄木)の飲み屋は居心地が良い」
  種村さんが、このお店のことをそう書いてました。

  店名を伏字にしたのは
  「テレビも雑誌も取材は断っています。常連さんが入れなくなると困るから」とのことなので。
  初めての客にも心を開いて温かく接してくれた店の方々。信頼の根拠というのは、こうした温かみが醸し出すのかも、とふと思ったりして。
  店は夕方から午後11時まで。行けばもうわかりますね。定休日は聞きませんでした。

                         

 こちらは日本橋吉野鮨本店でこの日の昼食べた上ちらしです。20年以上通っていますが、昼間行くのはめったにありませんでした。ガリがすごく酸っぱいですが、ここも好きなお店です。いずれ詳細にご報告したいと思います。


Posted at 00:57 | 食 日本橋ほか下町 | この記事のURL
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