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コリントス遺跡・・・ギリシャ団体旅行記9[2008年06月01日(日) ]
アポロン神殿

 旅の二日目は、あいにくの氷雨でしたが「雨の少ないギリシャにとっては恵みの雨です」とガイドのK下さん。バスは、コリントス運河から曲がりくねった細い道をゆっくりと走って、30分ほどでコリントス遺跡へ。
 私たちをまず出迎えたのは、犬の群れ。そしてBC6世紀(BC540年ころ)のアポロンの神殿。太い柱が7本、暗い空にむかって建っています。その昔は東西に6本づつ、南北に15本ずつ計38本あったそうです。他の神殿の柱の多くが輪切りにした医師を積み重ねているのに対してこのアポロン神殿の柱は、一つの石でできていて、高さは約7.2m、下の法の直径は1.8mです。





 晴れの日も雨の日も風の日も、そして前からも横からも下からもいつでもどこからでもギリシャ神殿は見ごたえがあり、風雪に、戦乱に耐えたその存在感は長い時間とともに増すばかりではないか、と思います。
 「存在と時間」の著者、ハイデガーがギリシャ神殿についてこう書いています。

 「そこに立つその建築作品は岩盤の上にやすらっている。この作品がこのようにやすらうことによって、岩からその武骨な、だがやはりなにものに向けられているのでもない支える力の暗さが取り出される。そこに立つ建築作品は、その上に荒れ狂う嵐に耐えそのようにしてはじめて嵐の荒々しい力に気づかせる。・・・神殿という作品は、そこに立つことによってひとつの世界を開き、同時にその世界を大地へと送りかえす」(木田元著「ハイデガーの思想」岩波新書p.214-215)


 難しいです。なにしろハイデガーですからー。
 で、「確かに、そこに神殿が立つことによって、それまで無定形な混沌(カオス)であったところに一つの世界が開かれ、そこで初めて山が山になり、谷が谷になる。・・・大地が初めて大地として見えてくるという事態がみごとに言い表されている」と木田さんが同書で解説してくれています。ご興味のある方はご一読を。1993年の発行です。

 愚生は哲学にも、もちろん無縁であります。ですが、ギリシャ神殿はなぜ人を魅せるのか、時はいつ美となるのか、という疑問は疑問として答えが気になります。
 ですからハイデガーがわからなくても愚生的には、太くて重くて風雪に耐える立派な神殿があるから周りの山が、大地が、風が、そして空と海も意味を持ち、見えてくる、というようなことなのかな、と思索ってみたりしますが、無理を重ねるとパニッ パニッ パニパニッと、土曜夜のエンタメのフランチェンのようにパニクリますのでこの辺で次、いきます。

 コリントスはギリシャ有数のポリスでしたが、BC146年、ローマに征服されました。「このときコリントスの男は皆殺しにされ、女は奴隷にされました」とK下さん。ですからコリントス遺跡は、アポロン神殿もローマ時代の再建で、ほかはほとんどローマ時代ものです。泉や大通り、商店街、公衆トイレなどが残っていて、古代人が立ち現われてくるような、生々しい感じのする遺跡でありました。
 
 下はレカイオン通り。左に商店が軒を並べていました。新約聖書の「コリント人の信徒への手紙」のパウロもコリントスに第二次宣教旅行できました。「説教をアゴラ」でしたとのことです。



 上の写真はコリントスにある二つの悲劇の泉の一つ、ぺイレネの泉です。右手奥の山はアクロコリントス(標高575m)です。


スフィンクス

 翼は鷲、牝ライオンの体、そして顔は女性。なまめかしくも不気味な彼女、というかかの獣の姿は、エジプトからフェニキアを経てギリシャに入ったといわれるご存じスフィンクス。下の写真は遺跡にある考古学博物館に展示されているBC6世紀のものです。ちなみにギリシャ語のSphinxには「絞め殺すも者」の意味があるとのことです。(参考図書 「日本の美術481 人面を持つ鳥―迦陵頻伽の世界」 勝木言一郎 p.95)
 

Posted at 18:59 | 旅 ギリシャ | この記事のURL
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