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美食三昧ではありましたが・・・年末恒例の小旅行その2[2008年12月24日(水) ]
 鳥羽駅に迎えに来てくれた「花の小宿 重兵衛」のマイクロバスに揺られて約30分。港町特有の細い道の突き当たり近くに宿がありました。昨年新装なったばかりだからきれいなのは当たり前でしょう。

 それに加えて「落ち着いて気持良く過ごしてもらいたい」というコンセプトが、みなさんの対応にもエントランスの花にも自家製のムラサキイモのお菓子にもあふれ出ていて、「重兵衛は、正しい選択だった」とほっとしました。

 夕餉の食卓には、まさに海の幸がこれでもか、とばかりに並んでいました。もともと料理民宿として食材と味に磨きをかけてきた宿でしょうが、それでも卓上の豪華絢爛さに焦点がさだまりません。



 が、それもつかの間。愚生の席の脇に4っつの小さな七輪。アワビがひとつづつ腹というか足を上にして乗っかっています。いやな予感がしましたが、他のメンバーはあまり気にしていません。離れているからでしょう。



 「アワビの踊り焼きです」
 固形アルコールに火をつけると、四つのアワビは案の定もじもじした動きからしだいに大きく身をよじらせて殻から離れようとしています。声こそ出しませんが、地獄の業火に焼かれる苦痛もかくや、と思わせるダイナミックなくねりよじりねじりもだえの連続。

 とても見ていられません。
 「伊勢海老はここでとれたのですか」
 「甘いですね」

 現実からの逃避はいつものことです。話をそらせてややあとに目をやると、少し縮んでびくとも動きません。最期は看取るべきだったかもしれません。



 南無・・・

 「おいしいわね」
 「やわらかくて、うまみが強いね。刺身より好きだな」
 もぐもぐかみかみ
 焼きあがる過程で生じたおいしさが凝縮されたアワビの踊り焼き。心していただきました。締めは鯛ごはん。

 開高健著「最後の晩餐」の「華夏 人あれば食ありA」にこうありました。
 「美食は即物そのものの行為ではあるけれど、同時に想像力に深遠に支えられた行為でもあるのだから、そうなれば人間、武器の開発や芸術や拷問などと同じようにモラルもへったくれもあったものか・・・」。
 カニバリズムの話です。
 愚生、想像力はいま一つ、いや二つも三つも乏しい、しかし乏しくてよかったかも。

華夏=中国のことだそうです。

Posted at 20:56 | 旅 国内 | この記事のURL
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