プロフィール
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旨さゆえ、価格ゆえ [2009年08月24日(月) ]
 「おいしいねー」
 「ふんぎゃー」(おいしくて言葉になりません)
 先週末、都内のとある居酒屋「美多川」に響いたのは、あまりにも想定外のその味に震えた舌と悶絶寸前の脳髄となった客と主人の、大いなる感動でありました。

 ブランドものではありません。しかし作り手の誠実さは破格とも思える値段からもしっかりと把握できるその逸品こそ、こちらになります。



豚レバーの燻製、100グラム138円。

 会津出身の漫画家、O君が里帰りの際に「みんなへのみやげに」と送ったのがその日届いたとのことです。

 「ワインにもあうね」
 「東京なら10倍の値段でも売れるかも」
 「でもブランドになっちゃうと手に入らなくなるしね」
 とまあいろいろと話が弾んだのは、ひとえに旨さゆえ、価格ゆえ、であります。

 材料が新鮮、作り手の技が卓越、なによりおいしいものを納得の価格でという、由緒正しい商いの道の姿勢が旨さを何倍にも増幅させているのだ、としみじみ感じいった次第です。

 こうした志の高い名産品に出会うとホッとするのは、もとよりブランド品に縁無き衆生の特権かもしれません。
 O君ごちそうさまでした。またお願いしますね。

Posted at 17:45 | 食 関西ほか | この記事のURL
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若鮎の有馬煮など・・・関西駆け足旅行 1 [2009年07月19日(日) ]
 かつて赴任した大阪本社に先週半ば、あいさつ回り。菊やん専務、お世話になりました。当時の同僚で今の仕事でもお世話になったあんぱんマンことM上氏と、F原氏にもご挨拶して夜は祇園祭と西木屋町グルメ。

 ところでM上氏は今月23日で定年とのこと。お疲れ様でした。職場はでも今のまま。華麗なるM上ワールドを描いて大活躍の日々です。

 祇園祭は後でご報告することにして、夜は通いなれて久しい京都・西木屋町のグルメストリートへ。西木屋町通りは、四条河原町の阪急デパートと高瀬川の間を南へ下がる道です。

 若い衆があふれる喧噪の表通りを一歩入っただけですが、そこが大人の町の入口ということは、正面を見据えるとすぐに納得するでしょう。

白くすっきりした看板は味に自信のメッセージ

 突き当たりの重々しい商店は漬けもので有名な村上重、左折してすぐ右折すると「洋食 コロナ」「釜めし 月村」そして「ふ○井」と続く、渋くて味本物、大人でなければ入りにくい熟年好みの名店が、デザインも色合いも控えめ、ということはあくまでも味に自信あり、とのメッセージあふれる看板を掲げて、奥に控えております。



 この夜はどの店にも人が並んでいません。
 「珍しいな」と歩いていると、スキンヘッドのご仁が行く手に。しばし見つめあう二人でしたが、「ふ○井」のご主人でありました。「入っていい」と愚丼。
 「どうぞ」
 この夜初めての客のようです。

 「祇園祭の最中は暇なの?」
 「そうですが、今年は前の路地を歩く人も少なくて」
 「若鮎の有馬煮ください」
 山椒の実と炊いたのが有馬煮だそうです。あとから来たご夫婦の奥さまはちゃんとご存じでした。







 「湯葉とちりめんじゃこの佃煮」「地鶏あぶり焼きポン酢おろし和え」などを頼んでビール二本、焼酎一杯、〆て5000円で十分おつりがくる納得すぎる良心のお値段。だから毎回寄るのです。

 「お隣のご主人もお元気なのですね」
 お隣は洋食 コロナ。ご主人はおととし確か92歳でしたから94歳のはず。
 「ええ。自転車で毎日通ってきます」
 ご近所の消息話も交えておいしさが一層身にしみてきます。
 店名、電話番号は掲出しないと約束したのですが、行かれる場合はもうお分かりですよね。

Posted at 00:44 | 食 関西ほか | この記事のURL
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年末年始は静岡グルメ [2009年01月03日(土) ]



 一つ 黒はんぺんが入っている
 二つ 黒いスープ
 三つ 串にさしてある
 四つ 青のり、だし粉をかける
 五つ 駄菓子屋にもある

 これが静岡おでんの五カ条、と「静岡おでんの会まとめ」にありました。
 縁あって、年末年始に静岡でお世話になりました。ごちそうになったおでんは、確かに黒はんぺん、黒っぽいスープ。スープというのには抵抗があります。和食ですから汁のほうがなじみます。家庭ですから、一部を除き串には刺していません。青のり、だし粉は欠かせません。

 静岡おでんとの出会いは30年ほど前。最近はこちらの方がおいしく感じちゃうのは、ごちそうになったから、とか慣れたからというだけではないでしょう。その味の濃さに東京のおでんが物足りないと感じる脳になってしまったのです。



 もう一つ、ごちそうになった静岡メニューは、お雑煮。ごらんのように、具だくさん、汁の色が濃いところは、静岡おでんと似ていますね。雑煮は、しかし澄んだ汁に鶏や蒲鉾、三つ葉あるいは小松菜ちょぼちょぼの東京風が懐かしいのは、愚生にとって味の濃いおせちとの相性が好みなのか、最近食べてないせいか、よくわかりません。


 
 最後に、久能山の下で恒例のイチゴ狩り。背を少しかがめながらお昼代りに石垣いちごを目一杯食べました。そこで

 イチゴ狩り50個食べて富士仰ぐ (;^ω^A

 駄句をば年初からご無礼つかまつりました。今年もよろしくお願い申し上げます。

Posted at 19:40 | 食 関西ほか | この記事のURL
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秋って・・・信州・忘我亭と界隈 [2008年09月18日(木) ]



 信州・蓼科高原にあって、いつも期待を裏切らない味とサービスの忘我亭へ4か月ぶりに行きました。先の連休中のことです。
 標高1200メートル前後の高原は、はや秋たけなわ。稲穂はごらんのように色付き、市場には天然のキノコやマツタケが並び、秋ソバは白い花が満開、クルミはたわわに実り、クリも落ち初めていました。



 戦後の開拓で拓いた畑にはネギが大きく立派に育っている、かに見えましたが「赤さび病がでちゃって」と農家の主婦はさびしげでした。もうしばらくしてソバの実が実るころになると今度は鹿が山から下りてきて夜の畑で大饗宴・・・駄句をば失礼つかまつります

 秋悲しソバの畑で鹿乱舞
 そば食えば鹿が鳴くなり信州路

 もちろん「秋深し・・・」と「柿食えば・・・」のパクリであります。

 忘我亭には、我々のほかに6人の客。50歳未満は子丼だけのようでした。この夜のメニュー、行きます。

@ エビとウニの焼きびたし。エビの頭と貝柱からとった出汁



A クリのスープ。米から作ったクルトン
B ベイクドカマンベールチーズ。ソースは赤ワインを煮詰めたもの。トマトの酸味とあうかな、と。
C スズキの揚げ蒸し。ちょっと苦いルッコラのソースとトマトの甘いソースの組み合わせ
D 一口ごはんはドライカレー。甘味と辛さの味付けの妙を味わう
E 生ハムを巻き、アニスを入れたパン粉をまぶして火を通した仔牛のフィレ。ズッキーニと玉ねぎをすりおろしたソース
F アイスクリーム
G 皮付き無農薬巨峰のタルト

 そしていつもおいしいパン。シェフお勧めの1本は「イタリアで最古の種のブドウから作ったワイン。97年物が残っていました」。



 「ごちそうさまでした。またブログで紹介させていただきたいけど、あまり混むと我々が来にくくなるし」

 「いえ。泊まりがけでないとこれないのでお客様はそんなに多くありません」
 ということで、もし機会があればぜひ行かれてみてください。


 それと、駄句ばかりでは申し訳ありませんから

 行く秋や手を広げたる栗のいが

 さすが俳聖であります。



Posted at 16:53 | 食 関西ほか | この記事のURL
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天保元年創業の鰻屋へいくこと 桐生という町 [2008年06月22日(日) ]
 東武浅草駅から特急りょうもう号で1時間40分弱。群馬県桐生市は、人口12万8000人余。かつて絹織物の町として西の西陣、東の桐生とうたわれた由緒も歴史もある同市は、関東大震災にも戦災にもあいませんでした。
 そう聞かされて週末、仕事で訪れた桐生市は4年前に来た時と空気が、雰囲気が違って見えました。織物産業でにぎわったころの蔵作りの家や工場、地域、通りを、古き良き時代の思い出を今に伝える町、桐生の顔として、売り出し中なのです。



 それもめざすは、大勢観光客が来ればよい、というけばけばしくうるさい観光地ではなく、郷愁とともに伝統と文化を楽しめる観光地作りを目指そうという心意気が、出会った方々から伝わってきました。愚生は思いました。
「こんなにいい町とは知らなかった。知ってよかった」と。
 そこで特急でも東京から2160円。タクシー代がさらにかかりますが、時間があればバスで街なかへいける桐生の探訪記を、本日から何回か書いてみます。最初はやはりおいしいものから。



 伝統の街にふさわしいたたずまいのこのお店は、本町3丁目にある、天保元年(1830年)創業という老舗の鰻屋「泉新」です。昼は午前11時から午後1時半まで。靴を脱ぐと、掘りごたつ形式の小さな個室に案内されました。木の家、古い火鉢、きれいな部屋。おいしさへの招待状のごとく、サービスの心が目に見えます。

 「メニューは一種類だけなのです。大きいのもありますが」
 「普通でいいです」
 待つこと10分たらず。
 「白いのはデザート。おいしいですよ」
 はい。いただきます。

 重箱の蓋をあける時がきました。カメラもわきにおいて、ジャーン
おっつ、こ こ この焼き色は、この香りは、そして普通にしてこのボリュームとは・・・
 


 一目見ただけでもわかりますね。これでおいしくないわけがない、と。
箸をつけたあとは、思考停止です。ひとことだけ申し上げましょう。創業以来の伝統を受け継ぐタレが、甘くなく深ーい味。ご飯もたっぷりありましたが、もう一つ食べたい、と本気で思いました。今こうして書いていても思います。しかもセットで2300円。
 デザートも、もうひうとつ食べたかった。


 ここのうな重は、戦後無頼派の小説家、坂口安吾も食べたことが、机の上にあった地元の新聞、桐生タイムスの記事で知りました。
 安吾はうるう年の1952年2月29日に桐生市に転居し、昭和28年8月20日未明、、酔って騒いだ安吾は警察の留置場に入れられたが、そこにも泉新の「うな重」を出前でとった、とありました。その1年半後の昭和30年2月17日に桐生の自宅で亡くなりました。


 ところで、愚生にとって忘れ難い鰻は、大阪・天満宮裏の「亀の池 浪速」のうな重です。一度焼いて熱湯をかけて余分な脂を落とす、という独特の調理法で秀逸な味わいでした。大阪に赴任した御同輩にも教えたところ、「すごくおいしい」と言ってました。

Posted at 19:57 | 食 関西ほか | この記事のURL
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りんごおいしや [2007年10月07日(日) ]
 

 りんごの色づきだけ見れば秋たけなわ。
 「今月一杯がリンゴ狩のシーズンです」
 諏訪・高島城の隣にあるりんご園に昨日行きました。千秋、秋映など、何種類ものリンゴがたわわに実り、見ているだけで気持ちが満たされます。

 「これだけ実らせるのは大変でしょうね」
 「機械化できないので」と奥さん。
 実りの秋は労働の秋。リンゴの収穫も忙しいでしょう。私たちは農家の勤労と大地の恵みに感謝しつつ、お勧めの「シナノピッコロ」という、歯ざわりは紅玉的で甘いのですが酸味は紅玉より少ない新品種など11個をもぎとりました。

 新鮮で香りも高く、農園ならではのぜいたくを堪能してしかももぎとっただけ支払うシステム。一つ100円からで合計1350円という納得の価格。
 それぞれ試食もさせてもらいました。硬さ、水分、甘みと酸味のバランスが微妙に違うところまで素人でもわかります。

 赤いリンゴにくちびーる寄せて・・・
 りんごーのはなーびらがー・・・
 わたしはまっかなりんごです・・・

 いろいろと歌なども思い出してりんごの魅力をとくと感じ入った諏訪の秋でありました。

 農園の隣のカフェ「ル・ポミエ」も納得の店。リンゴジュースもパニーニもチキンサンドもボリュームたっぷり。仕上げのケーキセット200円を注文して合計1人1050円。幸せのダブルでありました。



 
 紅葉はしかし、標高1000メートルを越すあたりでもほとんどしていません。もう一度こなくては。

Posted at 13:42 | 食 関西ほか | この記事のURL
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洋食 コロナ 関西猛暑紀行その2 [2007年09月04日(火) ]
 シェフ、というよりも常連としては「おやじさん」とよんでいたことが松山猛さんの「僕的京都案内」にあります。昭和59年発行のこの本に、コロナはこう紹介されていました。

 「僕がフランス料理にあまり興味を持たないのは、すでに若いころに西洋料理の原点のようなコロナの味に出会ってしまっていたからだと思う」


 
 そのおやじさんは80歳は越えている、との話しを店のご近所で数年前にしたことがありました。本当はおいくつなのか、と思っていたら今回わかりました。
 
 店内に張られていたフリーペーパーにやさしそうな笑顔とともに店の紹介があったのです。

 92歳

 想いもよりませんでした。すばらしいですね。私が行ったのはこれで3回目ですがお店はいつも満員かそれに近い状態です。
 
 たった一人で次から次へとさばいていく手際は確実かつゆっくり見えて決まったスピード。注文を受け、飲み物を運び、勘定をするサポートの女性が1人。それでもポークカツレツも名物卵サンドもいつの間にかみんなの目の前に来るのです。








 コロナは京都・西木屋町の奥にあります。向かいは釜飯の月村、ご近所には時々行くおばんざい料理のF、路地の入り口には漬物の村上重など、おいしさがたくさん集まった町です。



 私はピースカツレツ。一口カツですね。さらにハムサラダとビールを二本。子丼はポークカツレツ。


 
 大阪ではたこ焼き、京都ではコロナの洋食と関西グルメ三昧の一日の終りは店を出る際におやじさんが見せた笑顔でした。
 おいしかったー

  ※  ※  ※

 帰りに路地で男女二人が座っていました。
 「どこから来たのですか」と聞くと「上海」。月村の釜飯を食べにきたそうですが、満員で待っているとのこと。
 
 「中国人も釜飯が好きなんですか」
 「中国はいろいろありますが、月村は京都案内の本に出ていたので」

 コロナに入るときにも外国人が5−6人、月村に入っていくので???と思っていたたのですが、理由がわかりました。
結構なことですが、ますます入れない店になったのかなあ。

Posted at 13:14 | 食 関西ほか | この記事のURL
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たこ焼き「うまい屋」 関西猛暑紀行その1 [2007年09月02日(日) ]
関西への旅は07・25−27の三日間。

目的は
1 大阪在任中に一度だけ食べたあのたこ焼きをもう一度+黒門市場
2 京都・西木屋町の洋食「コロナ」
3 京都・二条陣屋ほか
4 京都・世界妖怪会議
5 京都・大徳寺

 主目的は妖怪会議で水木しげる氏の話しを聞くことでした。せっかくなので行きたいところを盛り込みました。2キロ近くやせたのも大きな成果でした。
 式子内親王墓はいけませんでした。残念!!!



コースその1 うまい屋+黒門市場です。



 大阪赴任時代に同僚が「おいしいたこ焼き」と教えてくれた店です。今回で二度目。午後一時ちょっとすぎなので10−20分並ぶ覚悟で行きましたが、運良くすぐに店内へ。子供連れでにぎわう中、いくつ頼むか迷っていると「8個から無限大までいくつでもどうぞ」。
 子丼は8個300円、私は12個450円。味に自信の証でしょう。マヨネーズなし、ソースは好みで。



 一度焼いて、さらに足してもう一度焼くという丁寧な焼き方で中はやけどするほど熱々にもかかわらずとろりとやわらかく、タコモやわらか。それでいて外はカリっと仕上がっているところが見事です。



 そのうえ人気店にもかかわらず対応の気持ちよさがいっそうおいしさをひきたてます。猛暑の中、一家で懸命に焼いて持ち帰り用は経木の入れ物に入れていきます。

 「追加、いいですか」と子供連れの若い主婦。
 「焼く間待ってもらえばどうぞ」と店の方。常連さんとは気さくな会話が飛び交って、一見の私たちにも笑顔が自然です。

 ひさしぶりの大阪。市場フリークとしては黒門市場は外せません。地下鉄を乗り継いで行きました。
 ふぐのお店で取材しました。




 「東京では一匹まるまるはなかなか売ってませんね」
 「でしょう。出張の帰りに途中下車して一匹買って帰るお客さんもいますよ」
 その手があったか。でももう出張はないし。

 ハモ、クエ、紅生姜の天ぷらなど大阪の味を目で味わった午後でした。最後の写真は「雪花の里」黒門市場店の雪氷花「満点星」550円。アイスでもない、かき氷でもないさくさく感とクリームの味が猛暑にひとしお冷たくおいしくいただきました。東京・秋葉原にも加盟店があるのですね。



 夜は京都・西木屋町の洋食「コロナ」。次回ご報告いたします。

Posted at 01:03 | 食 関西ほか | この記事のURL
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無事退職を祝って [2007年08月17日(金) ]
 そういうわけで(前回をご参照いただければ幸いです)、無事退職を祝う会を昨晩開いてもらいました。退職記念パーチーです。メンバーは身内5人と愚生。男はまたも1人、飲むのも1人ですが、この夜ばかりは孤独とは無縁でありました。

 長野県蓼科高原は忘我亭。5月にも行きました。
 マダムが、会場に選んだことに対するお礼を述べてくれました。
 次いで家人が「なんとかここまでこぎつけました」と口上、この夜ばかりは、といいますか後にも先にも葬式を除けばこの夜だけが主役であろう愚生が、居並ぶO助、HI-子さん、zuki、子丼そして家人に「皆様のおかげで無事退職できました」と短くご挨拶しました。

 月並みではありすぎますが、心からの感謝の意とサラリーマン生活への別れの儀式としての意味を込めたつもりです。



 お客さんは私たちのほかに女性3人のグループと男女4人のグループ、あわせて13人。最初の料理は「オマールエビの酒蒸に桃のピューレ」、次いで「生湯葉とゴールドラッシュ(とうもろこし)のポタージュ。中にバルサミコ酢」。かき回さずにスプーンですくうと甘みの中にバルサミコ酢の酸味が一刺し。

 料理って、努力に加えて想像力とセンスだなあ、とつくづく思います。
 こうして忘我亭渾身の料理がタイミングよく次々とだされてワインは「栓を開けると最初はやわな感じですが、時間がたつと味わいが変わる」というシェフお勧めの赤。

 20分ほどたって、忙しい厨房から出てきたシェフが新たなグラスにワインを注ぎ「飲み比べてみてください」。確かに同じボトルなのに、甘みが増して別のワインのようです。

「ビンの中でで熟成されるのです。フランスで飲むのとほとんど同じ品質です」
 甘くやわらかく、ワイン通なら別の形容があるのでしょうが通ではありません。日本酒でいえばすっきりした甘口の樽酒、という感じであります。
 一本開けました。



 最後に産まれて初めてのバースデーケーキ。6本のろうそくの灯を吹き消して食べた一切れは、新たな生へのエネルギーにかわりました。居並ぶメンバーも同じ思いと信じています。

Posted at 08:09 | 食 関西ほか | この記事のURL
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旅ゆけば・・・セーシュンのはらこ飯          秋田−郡山−山形その1 [2007年07月01日(日) ]



 デジカメを詰め込み、最後の出張かも、とはらをくくってわらじを履いたのは先週火曜日。目指すはまたも秋田。仕事は最後になることは間違いありませんが、腹が減っては仕事ができぬ。満腹でもできませんが、ともかく仙台をすぎて車内で買ったのがこのはらこめし弁当。はらこ飯とはいささかご縁があるんでやんす。

 今をさること30数年前、仙台市の少し南にある岩沼という小さな市でちまちまと仕事をしておりました。岩沼には竹駒神社という大きなお稲荷さんがあり、縁あって時節柄ふるまわれたのが阿武隈河口の郷土料理、はらこ飯でした。阿武隈河口は岩沼市と亘理郡亘理町との境界になります。

 神社の板長さんがつくったはらこ飯と今回買った弁当のはらこめしが違うのは、神社のははらこ、すなわちイクラも鮭もご飯と混ざっていたことです。


 「ご飯が熱すぎるとはらこが固まって白くなる。そうならないぎりぎりでできるだけ熱いご飯に混ぜるのがコツ」と板長さん。

 熟練を要する高度なテクニック。さすがはらこ飯の地元だけあります。

 そういうわけで、セーシュン(青春)という甘くてせつない???味を付け足していただいたこのはらこめし弁当、けっこういけました。




 岩沼といえば奥の細道の二木の松のほうが有名ですが、当時なんの興味もなく、休みの日は釣り三昧。貞山堀という大きな運河が海岸に平行してあり、コイ、フナ、ナマズ、ライギョは言うに及ばずカレイ、ハゼ、セイゴ、モクズガニと海川双方の魚が釣れました。

 ナマズやフナはお隣で料理してもらい、枝豆はお隣の畑の取れたて。ビールがうますぎてどうもすいません、と言いたくなるような夏の夕暮れ、いかったなあ、セーシュンはいかったなあ。人様の善意に甘えきっていかったなあ。金がなくても先の見通しなんかなくても、生きているだけでいかったなあ。

 あ、今も甘えきっていてとてもいいですが、はたは大迷惑かも。






Posted at 15:39 | 食 関西ほか | この記事のURL
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