エーゲ海は青いもの、とばかり思っていたら、そうとは限らないのですね。沈む夕日に感激して「ワイン色に染まる海」とかのホメロスがうたったのは、スニオン岬の海。19世紀のイギリスの詩人でギリシャ独立戦争にも従軍したというバイロンも、大好きな場所だったというスニオン岬のポセイドン神殿。柱にはバイロンの落書きというかサインがある、とのことでしたがどこかわかりませんでした。ガイドのJさんは「本当にバイロンがかいたのかは、わかりません」。
神殿が建てられたのは紀元前444年ころ。紀元2世紀後半の「ギリシャ案内記」(岩波文庫、馬場恵二訳)では著者アウサニアスがその冒頭でこう紹介しています。
「ギリシャ本土からキュクラデス諸島とエーゲ海に向かって突き出しているのがアッティカ地方のスニオン岬である・・・その岬の頂のアテナ・スニアスの神殿が見えてくる」と。
しかしこれは間違いで、アテナ・スニアスの神殿はすぐ近くにあり、岬の神殿はポセイドン神殿だったことが、19世紀になってわかったそうです(同書) 聖域は紀元1世紀には放棄されて柱だけの廃墟と化していったらしく、したがって後世の船乗りたちからは「柱岬」と呼ばれていた、と。無粋な呼び名ではありますが、確かに分かりやすいですね。
しかし、もちろんただの柱ではありません。何といっても築後2450余年。「ラウレイオンのアグリレザの大理石で作られており、溝は強風による風化を避けるため普通の20本より少ない16本となっている」(世界の大遺跡5 エーゲとギリシアの文明 講談社)。
溝の数を減らしている、とは、設計者は一体何年間もたそうと思っていたのでしょうか。神様の社ですから永遠にかもしれませんね。
アテネにもどって、夕食はギリシャ風前菜(タラモサラダ、ザジキ=キューリのヨーグルト和え、ナスのペースト)、

サラダ、スズキのオーブン焼きとライス。おいしかったです。





