「ウインブル・・・丼って、ありますか?」
「はい」
「ください」
女優の三林京子さんのホームページ(
http://3bayashi.com/home.htm)で、この奇妙な名前の丼を知ってからこの方、2年くらいでしょうか、「一体どんな丼なのか、なんでこの名前なのか」と気がかり、かつこの丼を食べずして、丼ファンとは言えまい、とじくじたる思いで来ましたが、水曜日、ついに行きました。注文しました。いただきました。
キッチントキワ。東京・中央区湊3丁目12というよりも、隅田川にかかる佃大橋西詰の側道沿い、というほうがわかりやすいかも。最寄り駅は地下鉄新富町です。
界隈、江戸から明治の旧跡がいろいろあります。
少し混んでいたのでカウンターに座り、店内を見渡しましたが、ウインブル丼なる張り紙はありません。で、冒頭のやりとりとなりました。
ハムカツが乗っている丼、と書いてあったブログもありましたが写真はなく、いかなる丼なのか、期待と少しの不安とが交錯しつつ、この間テーブル席が空き、移りました。
カウンターの中は、ご主人と奥さまでしょう。一心不乱に注文をこなしています。フロアはお嬢さん二人。明るくきびきびと、元気よく働くその姿・・・初めての店とは思えない居心地のよさに身が包まれてきたところで、出ました。
「写真撮っていいですか」
「煮るなり焼くなりおすきにどうぞ」とお嬢さん。
うーーん、一度は言ってみたかったこの啖呵。ここで聞くとは。いいですね。
浅めの丼の“センターコート”は、揚げたてカリカリの衣のハムカツ。それも4枚重ねという泣けてくるような豪華実力派。たっぷりかかったハヤシの色も黒々と、脇に控える野菜とのバランスもよく、洋食の定番、マカロニサラダは後見のごとくさりげなく控えて、これが噂のウインブル丼、味、質、量ともに十分の布陣であります。
「でも、どうして店の中にメニューがみあたらないのですか」
「注文を通すのが恥ずかしくて、目立たないようにしているのです」
とお嬢さん。
質問を変えましょう。
「なんでウインブル丼?」
「テニスの伊達公子さんの大ファンで、彼女がウインブルドンのセンターコートに日本人として初めて立ったのを記念して、それまであったハムカツハイカラ丼というメニューをウインブル丼に改めました」
とお父さん。
その心は?
「公子の公はハムでしょう。ハムが勝つ、応援する意味でつけました」
なるほど、シャレという薬味を添えて950円。
下町は、楽しくおいしい。
夜は、かつて仕事で大変お世話になった方々と計5人で新年会。会場はキッチン トキワから歩いてもいける、私の三つ星料理屋、
月島のやまにでした。
築地とは目と鼻の距離ではありますが、地の利や板前の腕というだけでは、「やまに」のおいしさは、とても説明できません。いや、説明不要。話してもわかりません。食べればわかる、のです。はい。
皆さん、やまには初めてでしたが「なんというおいしさ」と、驚きを隠しませんでした。ご案内していかったです。
刺身三昧から始まって、白子の天ぷら、生青のり、アンキモ、貝柱入りオムレツ、大間のマグロの鉄火丼、最後はふぐちりで雑炊。新鮮・贅沢三昧、チョー幸せな新年会でありました。