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映画「敵こそ、我が友」 [2008年08月03日(日) ]
敵こそ、我が友―戦犯クラウス・バルビーの3つの人生

元ナチス親衛隊の男が、なぜ裁かれることなく
長年自由の身でいられたのか。
その謎から戦後史の裏側を暴く、
衝撃のドキュメンタリー!


という映画のキャッチフレーズに
惹かれて、見に行った。
(監督:ケヴィン・マクドナルド、
上映館:テアトル銀座シネマ)


大戦時はナチスのゲシュタポとして
レジスタンス活動家やユダヤ人を迫害してきた
バルビーは、敗戦後はアメリカに
対ソ連のスパイとして利用されて生き延びる。

そして、ナチス戦犯を追うフランスに
バルビーの素性がばれると、
バチカン・カトリック右派と組んで
ラットラインという秘密ルートで彼を
南米ボリビアへ逃がす。

ボリビアでも、相変わらずアメリカの
反共の砦として活躍し、軍事政権の樹立や
支援に関わり、一方で左翼活動家などを迫害する。

最後はフランスに送られ、裁判を受け、
終身刑に処せられるが、かのアイヒマンにも
劣らない重大なナチス戦犯が、東西冷戦下で
自由に、裕福に生き延びた事実に、驚く。
まさに「事実は小説より、奇なり」・・・か。
(詳しくは「最近観た映画」のコミュニティに)

8月2日の、この回(17:30〜)は終映後、
東大大学院の高橋哲哉教授のトークショー
あったが、トーク最後のまとめがショックだった。

「あくまで私見ですが、戦後の日本は
丸ごとバルビーをしてきたのではないでしょうか」という。

なるほど、当たっているかも・・・。
主要都市を焦土とされ、原爆を落とされた
かつての敵国、アメリカと同盟を結び、
経済成長してきた戦後日本は“丸ごとバルビー”か。

だが、では、終戦後日本はどうすれば良かったのか?
否が応でも、当時、東西どちらかの陣営に組みこまれる
運命にあった弱小国(敗戦当時は日本もそう)は
独力で国を再建する力などなかったろう。
では、ソ連など東側陣営に組み込まれたら
どうなっただろう・・・?

弱肉強食の国際社会で、したたかに生き延びて
いくには、「敵こそ、我が友」の割り切りも
否定できないのかもしれない。

Posted at 17:59 | この記事のURL
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