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おじいちゃん 【2006年08月23日(水) 】

夏は夕方、散歩に出かけます。
財布と携帯電話とカギだけですが、ポケットのない夏服では手ぶらにはなれず藍の布袋に入れて。

大体決まった道のいくつかを歩きます。
でも時々知らない道に誘われてしまいます。
ほら、こっち来てと手招きしてるようで。

先日はそんな訳でどんどん知らない道を。
ちっちゃな商店街に行き着き、さあ、あそこは環七だというところで、おじいちゃんが道端でばたばたしています。
起き上がれないようですが、誰も立ち止まらない。

夏休みということで人通りも少ないので、この付近初心者の私ですが、おじいちゃんに話しかけてみました。

大丈夫ですか、お家のかたに連絡しましょうか。
おじいちゃんは、いやあいやあ、といいながらどうも酒臭い。
そこへバイクで通りかかった青年が加勢してくれて、おじいちゃんをぐっと引き上げてくれます。

困った困ったというところへ近所のおまわりさん。
名前もわからず、これじゃ「犬のおまわりさん」です。

そこへ自転車をひいたおばさんが。
またか、というようなしかめ面でおじいちゃんに話しかけます。
「・・さん、だめじゃない」

渡りに船とばかり、ほっと安心して、ご家族に連絡はと聞くと、「ダメダメ、娘がいるけどアタマやられてるから」
娘(といっても私くらいでしょう)の世話をしながら、泥酔しているおじいちゃん。
あそこは誰々の家だ、ここは良く行く店だ、ふらふらしながら上機嫌です。
帽子もかぶりきちんとした身なりなので余計哀しい。

もしかしたら、今この時がおじいちゃんには幸せなのかもしれないと思いました。
肘から流れている血や濡れたズボンを、誰がどうしてあげられるのか。
そんなことを思いながら、その場を去りました。
 
おじいちゃんのひんやりした皮膚の感じが残って、この感じって私の父とおんなじだなあと思いました。



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