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嘘をつらぬく[2008年09月05日(金) ]
政府は文書を公開せよ(社説。沖縄密約)
政府が国民に嘘をつき続ける。動かぬ証拠や証言を突きつけられても、しらを切る。そんな事がこの日本でまかり通っている。 1972年に沖縄が返還される際、日本政府は密約を結び、本来は米側が負担するはずだった返還費用400万jを肩代わりした。

この密約の存在は、のちに公開された米政府の外交文書で裏ずけられた。交渉にあたった当時の外務省アメリカ局長も事実を認めている。それでも、そんな密約はなかったと否定し続けている政府に対して、ジャーナリストの原寿雄さんや作家の澤地久枝さんらが、密約を記した日本側文書を公表するよう情報公開法に基づいて請求した。

この密約は当時の毎日新聞記者、 西山太吉氏が察知し、裏付けとなる文書を渡された野党議員が国会で政府を追及した。その後、文書を外務省の女性職員から入手した事を理由に、西山氏は国家公務員法違反(守秘義務違反のそそのかし)で起訴され、有罪が確定した。外務省機密漏洩事件である。

今回の開示請求は、さまざまな議論を呼んだ事件とは別に、密約文書そのもの開示を求めるものだ。 日本が払った400万jは、米軍が占有していた軍用地を元の田畑に戻す為の費用だ。当時はベトナム戦争などで米側の財政事情が苦しく、交渉をまとめるために佐藤栄作首相が決断したとされる。

密約を明かせば、これまで国民に嘘をついていたと認めなければならない。だから、どんな証拠が出てこようと無理を承知でしらを切り続ける。そうだとすれば、国民の知る権利を政府自らが侵害していることになる。 30年以上も前の事だ。関係者は皆退職したり、亡くなったりしているから、重大な責任問題には成るまい。

なのに政府がこうまでかたくななのは、他にも密約があるからだろう。日本への核持込や朝鮮半島有事の際の在日米軍基地からの出撃などに関して、もっと重大な密約があることが、公開された米外交文書で明らかに成っている。それを認めなければならなくなる、というわけだ。

しかし、この国の主人公は国民であり、公文書は国民のものである。機微に触れる外交交渉の記録でも、後に公開されるとゆう原則が守られてこそ、政治に緊張と責任感が生まれる。透明性は民主主義の根幹に係わるのだ。今回、公開請求された外交文書3点は全て米側で公表されている。存在しないとゆう回答は通用しない。

自民党政府が密約を認めないなら、民主党は、政権交代を通じて歴代政権の嘘を暴くと国民に公約してはどうか。日本の民主主義の成熟度を問う、それほど重い問題なのだ。

2008,9,5、朝日 朝刊より全文。

Posted at 21:45 | 政治 | この記事のURL
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