お鳥目(おちょうもく) お金に対する言葉はつくづく多い。落語の中でも、『銭』や『おあし』ならわかるが、『お鳥目』なんて言われると辞書を引くしかない。 穴のあいた硬貨が鳥の目に似ている事から、そう呼んだという。人情話の『唐茄子屋政談』(とうなすや)では、売れ残った唐茄子(かぼちゃ)を2個どうだと勧められた女が、『お鳥目が足りませんから1個だけ』と、貧しい身の上を恥じる。
金銭欲を描いた噺といえば『黄金餅』。瀕死の僧侶が、ため込んだ金を餅と一緒に腹に納めてしまう。覗き見た男は『天下の通用を飲んじまいやがって』とあきれ顔。ふだんは『銭、貸しなよ』とがさつな男から『天下の通用』などと改まった言葉が出ると、陰惨な情景にもおかしみがわく。
時代は変われども、お金の話はちょっとオブラートに包みたいのが日本人。ミュージシャンの間では、『ギャラはツェーマンゲーセン』と謎めいた符丁が使われる。『ド・レ・ミ・ファ・ソ』を『C・D・E・F・G』(ツエー・デー・エー・エフ・ゲー)とドイツ語読みし、『1・2・3・4・5』に置き換える。つまり『1万5千円』なり。ギョーウカイっぽい響きにも、金銭に対する伝統的な含羞や慎みが潜んでいるようで面白い。 (藤崎 昭子)
金銭欲を描いた噺といえば『黄金餅』。瀕死の僧侶が、ため込んだ金を餅と一緒に腹に納めてしまう。覗き見た男は『天下の通用を飲んじまいやがって』とあきれ顔。ふだんは『銭、貸しなよ』とがさつな男から『天下の通用』などと改まった言葉が出ると、陰惨な情景にもおかしみがわく。
時代は変われども、お金の話はちょっとオブラートに包みたいのが日本人。ミュージシャンの間では、『ギャラはツェーマンゲーセン』と謎めいた符丁が使われる。『ド・レ・ミ・ファ・ソ』を『C・D・E・F・G』(ツエー・デー・エー・エフ・ゲー)とドイツ語読みし、『1・2・3・4・5』に置き換える。つまり『1万5千円』なり。ギョーウカイっぽい響きにも、金銭に対する伝統的な含羞や慎みが潜んでいるようで面白い。 (藤崎 昭子)
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何も知らない私は、へこみ加減です。