先週、私を「みっちゃん みっちゃん」と可愛がってくださっていたおばあさまが亡くなりました、90歳でした。
毎年この時期には『みっちゃん 夏蜜柑はまだ?』と楽しみにされていたのに、今年は召し上がっては戴けませんでした。
その夏蜜柑は、もうすぐ完熟のときを迎えようとしています。
亡くなる前日までお元気にされていましたが、急に体調をくずされ、あっと云う間に旅立たれました。
おばあさまは、ある老舗の先々代夫人で、お歳を召してもお肌がしっとりつやつやで、思わず頬ずりしたくなるようなお顔でした。
訪れるお客様に「どうしてそんなに綺麗なお肌なんですか?」と聞かれると
「この石鹸のおかげですよ」と「私の石けん」をオススメしてくださっていました。
昨年あたりから物覚えが少し悪くなられていましたが、食欲も旺盛で、週2回の介護センター行きを楽しまれていました。
お世話を先代夫人(私がおかあさんと呼ばせてもらっている)がされていましたが、そのおかあさんから「おしゃれだったおばあさん」の最後のご様子を伺いました。
倒れられた翌日、暖かいタオルで身体やお顔を拭いて差し上げたら、とても気持ちよさそうに微笑まれて、こうおっしゃったそうです。
『あねしゃま お化粧してちょうだい』。
おかあさんがお化粧して差し上げると、嬉しそうに微笑んで、瞼を閉じ、そのまま静かに逝かれたそうです。
商家の夫人の身だしなみとして、最後の最後までオシャレに気を使われたのでしょうが、「あねしゃま」のお言葉から察しますと、きっと「可愛い娘」に戻ってから逝かれたのでしょう。