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命を見つめる
若くはないのだから…は、心の叫び。
でも…と反発するのも、心の叫び。
両方をなだめながら、
曰く言い難い年齢を冒険中なのかも・・・

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つらい[2008年02月15日(金) ]
殺人、火事…増えている。

学生時代、今の高田の馬場、
当時は戸塚といっていたが、下宿をしていた。

その頃近くに大火があった。

メラメラト燃え上り、薬屋の商品が爆発しているのだろう、
ひっきりなしにポ〜ン、バ〜ン…と破裂する音が響いていた。

隣りの飲み屋にも燃え広がった。

僕はあまり飲まないが、
昼間はラーメン定食など出していたので、
時々顔を出していた。当たり前のラーメンだが、
ちりちり麺が気に入っていた。

中年の女将さんだが、
夜は飲み屋をやっている雰囲気があって、
色っぽさを宿していた。

女将は燃え盛る火を反対側の舗道から見ていた。

「大変ですね」
と、声をかけると堰を切ったように嗚咽をもらして泣きすがってきた。

「しっかりして!」
それ以上のことも言えずに、力を入れて肩を抱いたのだが、
彼女の身体は痙攣に近い震え方だった。

「荷物は?」

「何も持ち出せなかった」

というなり、崩れ落ちそうな重みを支えながら、
不謹慎にも彼女の乳房のふくらみを感じていた。

風にあおられて燃え盛る火に、消防の懸命な消火活動にも、
野次馬から「もっとしっかりやれ」
などの声が飛ぶ。

「ごめんなさい。もう大丈夫です」
女将は僕の手を握り「ありがとうございました」といって、
かすかな笑みを見せた。

その表情を見た途端にこみ上げてきて涙がこぼれた。

気丈に耐えている彼女になのか何なのか、
理由のない涙だった。

が、それ以来、
火事に出くわしたりすると涙がでてくるようになった。

住いは、そこに生活をする人たちの居場所を奪う。

これと同じように、
一家が殺害された事件などをニュースで見ていると、
涙をこらえるので必死になる。

住む人を失った居場所を見るとたまらなくなるのだ。

住いの中で、命を失わなけれなければならないと感じた時、
どんな思いだったろうかを考えてしまう。

最近火事と殺人がセットになったように方々で起きている。

その度に、学生時代に出会った、
燃え落ちる店を見ながら震えていた女将を思い出し、
あの時と同じ涙が湧いて来そうになり、
とても…つらい。

Posted at 11:54 | この記事のURL
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