読書の季節だ・・・
僕の「読書」と言える記憶は中学1年から・・・・
吉川英治の「宮本武蔵」だった。
母の実家の2階に、叔父や叔母が読んでいた本が埃をかぶっていた。
中に、叔母のものらしい数札の医学書などもあったが、
そこで興味をそそられたが人体解剖図鑑だった。
中でも、女性の身体の解剖図には、
生唾を飲み込みながら見入ったのを覚えている。
週に1回遊びに行く母の実家なのだが、
ほとんど使っていない2階に上って行っては、
数時間も時間を費やして見ていたものが、
女体の解剖図だった・・・・
何か猟奇的なおぞましい感じがしないでもない。
・・・・・・が、ふと手にとって数ページを何気なく読んで、
のめりこんでしまったのが、「宮本武蔵」だった。
吉川英治さんの著作を読んだのは、
後にも先にも、この一冊だ。
これが「読書」と言える行為の最初だった。
分厚い大判の単行本だったし、読めない漢字もあったと思うが、
週に一回づつ来ては、2〜3時間、閉じ篭っては読み漁り、
1ヶ月ほどで読み終わったのを覚えている。
「2階に行っては何時間も降りてこないが、何をしているんだ?」
(「2がいさ行って、なんずかんも おっでこねのは なしてだ?」)
・・・・・と聞かれたが、
「宮本武蔵」を読んでいる……とは言えなかった。
女体の解剖図鑑なども見ていたので、
2階には上らせてもらえなくなるのではないか……
という恐れを感じていたからだった。
「宮本武蔵」を読み終わったときの充実感は今でも忘れられない。
当時は、まずもって本を買うこと自体難しい時代だった。
中学2年になって埼玉へ出てきて、友人ができたことから雑誌や本を読むようになったが、
山形の片田舎で、貧しい時代だったから、
「読書」などということすら知らなかった。
吉川英治の「宮本武蔵」も戦前に刊行されたものだったし、
叔父や叔母自体、向学心があり、医学や文学への憧憬を持っていたから
所蔵していた書物だったに違いない。
埼玉へ出てきてからは、まともな本は読んでいない。
もっぱら雑誌で「太陽少年」などが愛読雑誌だった。
高校へ入ったころから読書熱が再燃した。
再度「宮本武蔵」を読みたくなったのである。
この時は、2日で読み終わったのを覚えている。
その後好きになったのは、
山本有三、、芥川龍之介、菊池寛などであるが、
興味は海外に移り、
ロマンローランの「戦争と平和」「ジャン・クリストフ」
小冊子の「ベートーベンの生涯」にぞっこん・・・・・・
シラー「群盗」、ゴーゴリ「検察官」、ラシーヌ、モリエール
、ゲーテ、チェーホフ、コロレンコ、リルケ、魯迅等々…
高校3年に入ると、シェークスピアを読み始め、
「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「リア王」…と読み進め、
難しかったが、、坪内逍遥訳本を全巻読みきった。
アリストテレス、ルソー、カント、マルクス、ニイチェ、サルトル等々
山本有三とシェークスピアを読んだことが、
演劇の道に進む契機になった。
このような経路をたどり、
その年齢だからこそ、或いは、その時期だからこそ・・・
好きになった作品や作家が生まれ、
自分の生き様と無関係ではない存在として、
密着したまま・・いまでも各年代の自分とともに生き続けている。
その後、芥川龍之介作品と再会し、「雛」に感動して脚色…劇化して舞台にした。
「蜜柑」を、語りとパフォーマンスの組み合わせで舞台化し、
今、「蜘蛛の糸」をテキストにして稽古を進めている。
そして出あって読み漁った作家が、O・ヘンリーの短編だった。
有名な「賢者の贈り物」や「最後の一葉」などがあるが、
「心と手」などに惚れ込んだりした。
今は、三浦綾子だ。
一生を病気とともに生き、命と向き合い続けた彼女の作品に魅せられている。
「氷点」はテレビドラマにもなり有名だし、見たドラマだが、
母が亡くなってから出会った小説「母」で三浦綾子なる作家を知った。
三浦綾子はクリスチャンであるため、伝道作家と思われがちだが、
生きることと、どう生きるかをテーマに命を向き合う真摯な姿勢に惹かれ、
多くの作品を舞台化したいと考えている。
「道ありき」「石ころの歌」「塩狩峠」・・等々・・・・
脊椎カリエスで7年間、ギブスベッドに縛り付けられ、身動きひとつとれずにいた時期から、
小説を書き始めた年齢も30歳を越えてから・・・・・・
生まれた時から病弱で、常に命と向き合い続けた人生の壮絶さに驚嘆するが、
命の大切さを訴える声には、強い説得力がある。
命が粗末に扱われる昨今、この三浦綾子さんの作品を通して、
多くの人々と、命の大切さを感じ合えることを生きる証にしたい思いで、
作品の劇化を続けて行きたいと考えている。
時代とともに……、或いは年代とともに出会い……、別れ、
また出会っては人生を共にする作家達は、
本屋の棚で、等しくみんなを待っているように思うのです。
僕の「読書」と言える記憶は中学1年から・・・・
吉川英治の「宮本武蔵」だった。
母の実家の2階に、叔父や叔母が読んでいた本が埃をかぶっていた。
中に、叔母のものらしい数札の医学書などもあったが、
そこで興味をそそられたが人体解剖図鑑だった。
中でも、女性の身体の解剖図には、
生唾を飲み込みながら見入ったのを覚えている。
週に1回遊びに行く母の実家なのだが、
ほとんど使っていない2階に上って行っては、
数時間も時間を費やして見ていたものが、
女体の解剖図だった・・・・
何か猟奇的なおぞましい感じがしないでもない。
・・・・・・が、ふと手にとって数ページを何気なく読んで、
のめりこんでしまったのが、「宮本武蔵」だった。
吉川英治さんの著作を読んだのは、
後にも先にも、この一冊だ。
これが「読書」と言える行為の最初だった。
分厚い大判の単行本だったし、読めない漢字もあったと思うが、
週に一回づつ来ては、2〜3時間、閉じ篭っては読み漁り、
1ヶ月ほどで読み終わったのを覚えている。
「2階に行っては何時間も降りてこないが、何をしているんだ?」
(「2がいさ行って、なんずかんも おっでこねのは なしてだ?」)
・・・・・と聞かれたが、
「宮本武蔵」を読んでいる……とは言えなかった。
女体の解剖図鑑なども見ていたので、
2階には上らせてもらえなくなるのではないか……
という恐れを感じていたからだった。
「宮本武蔵」を読み終わったときの充実感は今でも忘れられない。
当時は、まずもって本を買うこと自体難しい時代だった。
中学2年になって埼玉へ出てきて、友人ができたことから雑誌や本を読むようになったが、
山形の片田舎で、貧しい時代だったから、
「読書」などということすら知らなかった。
吉川英治の「宮本武蔵」も戦前に刊行されたものだったし、
叔父や叔母自体、向学心があり、医学や文学への憧憬を持っていたから
所蔵していた書物だったに違いない。
埼玉へ出てきてからは、まともな本は読んでいない。
もっぱら雑誌で「太陽少年」などが愛読雑誌だった。
高校へ入ったころから読書熱が再燃した。
再度「宮本武蔵」を読みたくなったのである。
この時は、2日で読み終わったのを覚えている。
その後好きになったのは、
山本有三、、芥川龍之介、菊池寛などであるが、
興味は海外に移り、
ロマンローランの「戦争と平和」「ジャン・クリストフ」
小冊子の「ベートーベンの生涯」にぞっこん・・・・・・
シラー「群盗」、ゴーゴリ「検察官」、ラシーヌ、モリエール
、ゲーテ、チェーホフ、コロレンコ、リルケ、魯迅等々…
高校3年に入ると、シェークスピアを読み始め、
「ハムレット」「オセロ」「マクベス」「リア王」…と読み進め、
難しかったが、、坪内逍遥訳本を全巻読みきった。
アリストテレス、ルソー、カント、マルクス、ニイチェ、サルトル等々
山本有三とシェークスピアを読んだことが、
演劇の道に進む契機になった。
このような経路をたどり、
その年齢だからこそ、或いは、その時期だからこそ・・・
好きになった作品や作家が生まれ、
自分の生き様と無関係ではない存在として、
密着したまま・・いまでも各年代の自分とともに生き続けている。
その後、芥川龍之介作品と再会し、「雛」に感動して脚色…劇化して舞台にした。
「蜜柑」を、語りとパフォーマンスの組み合わせで舞台化し、
今、「蜘蛛の糸」をテキストにして稽古を進めている。
そして出あって読み漁った作家が、O・ヘンリーの短編だった。
有名な「賢者の贈り物」や「最後の一葉」などがあるが、
「心と手」などに惚れ込んだりした。
今は、三浦綾子だ。
一生を病気とともに生き、命と向き合い続けた彼女の作品に魅せられている。
「氷点」はテレビドラマにもなり有名だし、見たドラマだが、
母が亡くなってから出会った小説「母」で三浦綾子なる作家を知った。
三浦綾子はクリスチャンであるため、伝道作家と思われがちだが、
生きることと、どう生きるかをテーマに命を向き合う真摯な姿勢に惹かれ、
多くの作品を舞台化したいと考えている。
「道ありき」「石ころの歌」「塩狩峠」・・等々・・・・
脊椎カリエスで7年間、ギブスベッドに縛り付けられ、身動きひとつとれずにいた時期から、
小説を書き始めた年齢も30歳を越えてから・・・・・・
生まれた時から病弱で、常に命と向き合い続けた人生の壮絶さに驚嘆するが、
命の大切さを訴える声には、強い説得力がある。
命が粗末に扱われる昨今、この三浦綾子さんの作品を通して、
多くの人々と、命の大切さを感じ合えることを生きる証にしたい思いで、
作品の劇化を続けて行きたいと考えている。
時代とともに……、或いは年代とともに出会い……、別れ、
また出会っては人生を共にする作家達は、
本屋の棚で、等しくみんなを待っているように思うのです。
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at 13:37
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