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「内館牧子」東北大相撲部監督の講義を聴く。[2006年06月28日(水) ]
秋田経済法科大学の客員教授「内館牧子」さんの初講義を聴講しました。
内館さんは、秋田市の土崎港の生まれですが、これがご縁で客員教授を引き受けられたのでした。

同大学の市民公開講座は、先にMyブログにも書きましたが、岡田裕介東映社長の講演と映画「バルトの楽園」上映会以来、二度目です。

内館さんが、脚本家を休業し、東北大学大学院文学研究科に入学され、宗教学を学ばれ、この3月卒業されたことは、皆さんもご存知のことと思います。
そして、同大学の相撲部が廃部の瀬戸際にあったのを憂えて監督を引き受けられてから、4人の部員が19人にまでなり、かなり強くなっているそうです。

なぜ、大学院で宗教学を学ぼうと決心したか?
それは、森山真弓元官房長官に端を発した『女性を土俵に上げないのは、男女差別だ』という動きに、危機感を抱き、理論武装したいというのが、キッカケなんだそうです。

日本の大相撲は1350年ほど続いており、土俵ができたのが1699年頃といわれているが、それ以来綿綿と守られてきた伝統が、切れるということ
は、大変なことである。一旦途切れたものはその後は残せない。伝統・文化・宗教・祭りといったものと、男女共同参画は馴染まない。『いわれない迷信』と切り捨てる人々は、ほとんど相撲を知らない人達で、「土俵に神が宿る」伝統文化の世界を絶つことに余りに惧れをしらなすぎる。

大相撲は、「神事」(五穀豊穣)が原点である。
現在でも、初日の前日には「神迎えの儀式」、千秋楽には「神送り儀式」が行われており、そのほか、土俵の造り、花道、四本柱(四色の房)、水引幕、チリを切る、四股を踏む、横綱土俵入りのせり上がり、水をつける等等、相撲の舞台や所作には、すべて神事と関わっている。

そして、内館さんは考えました。どういう切り口で研究をするかを?
変革してもいい部分と守り通さなければならない部分は何か?それは、神に関わる部分と関わらない部分ではないか?お酒を飲みながら、そう考えた結果、「結界」ということを思いついたそうです。

「結界」とは?
この言葉は、もともと仏教用語で、修行の為に一定区域を区切ること。そこにある障壁となるものが、入ることを許さない。聖域と俗界を区別するために区切ること、などの意味がある。

「結界」には、@建築的結界、A装置的結界がある。
「建築的結界」は、建築物などによるガッチリした区切りで、簡単には破れないものである。万里の長城とか西欧の城壁などであり、日本文化には少ない。
「装置的結界」は、無防備で簡単に飛び越えられるが、万里の長城と同じくらい、しっかりとした力を持つものであり、日本文化のほとんどがコレである。「心のケジメ」という日本人の優れたものが、今の日本では理解できなくなっている。
これは、土俵の俵、芸者さんの手前に置いた扇子(素人さんと玄人を区別するもの)、箸置きに置いた箸(西洋のナイフとフォーク、中国の箸は、縦に置かれる)、役者さんの部屋の暖簾(アチラ側とコチラ側とを分けるもの)、盛り塩などなど、枚挙にいとまがない。

立原正秋さんの『風景と慰籍』に書かれた、ヨーロッパと日本の風土の違いと感性の違いを引き合いに出しながら、まだまだ、講義は続きました。

最初に、「講義」なので少しは話が難しくなるとの前置きがありましたが、分かりやすく、いかにも4歳からの相撲ファンだけあって、残りは次回講義でということではありましたが、『大相撲と神』題する講義を、90分一気に語り尽くされました。
その大相撲にかける思いの強さと、熱く語るバリタリティに、大いなる元気を貰いました。

余談として、大関「白鵬」の父が、モンゴルでどのくらい有名か?日本で言えば、長嶋サンのような国民的英雄だそうです。そして、白鵬が横綱になるということは、一茂クンが大リーグで三冠王のタイトルを取るようなものとのことでした。

最後に、内館さんの次回講義のテーマである『女性が大相撲本場所の土俵に上がる』ことを、皆さんは、どのように思われますか?

〔参考:R50 Interviewに、内館さんの記事があります。〕

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コメント


☆みちこ さん  投票ありがとうございます。
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月12日(水) 09:33

☆赤猫さん おはようございます。 「谷町」のいわれ、ありがとうございます。 記憶違いでなくて良かった。 今の世では、このタニマチという語も死語に なってるんでしょうネ。 
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月12日(水) 09:29

たにまちの語源 大阪谷町筋の歯医者がひいき力士からは治療代を取らなかったことから きてるそうです。
Posted by:赤猫  at 2006年07月12日(水) 08:42

★は〜ぴすと さん、 わたしも、大阪の知事を土俵の上では 観たくないです。 やらなくてもいいことばっかりとは、 大阪府民にご同情申し上げます。 ところで、「谷町」って、大阪の地名では なかったですか? そこの医師が語源と記憶してますが。 改めて、「心の結界」は意識したいと思って ます。気持がピンとするような気がします。 そういう意味で、「心の結界」そのものの 茶の湯は見事ですネ。 家元制度は、必要悪でしょうが。 
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月06日(木) 12:49

忘れてました。茶の湯でも扇子を前において「心の 結界」表現します。これ、日本人の心あるよ、シャッチョーさん!
Posted by:は〜ぴすと  at 2006年07月06日(木) 11:46

大阪の女性知事さんも土俵へ上がりたい上がりたいと言ってますが、観る側としては土俵上のあの人など観たくないです。やるべきことの何たるかも分からず、やらなくても良いことばかりやってる、まるでどこかの首相みたいです。何も無理して変えなくてもいいんじゃないですかねぇ・・・時代に似わないというなら大銀杏も化粧回しも廃止ですね・・・スポーツ刈でトランクス着用の相撲なんて観たくないです。男たるもの、いつかは谷町のダンナにもなりたかったのに・・・←これ妄想あ〜あ、夢のない相撲は面白くないです。
Posted by:は〜ぴすと  at 2006年07月06日(木) 11:41

☆トト さん☆ちぐちゃん さん☆ブログ さんおはようごぞいます。投票ありがとうございます。
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月05日(水) 09:35

☆チバックさん おはようございます。 ご心配をおかけしております。 ブログへのご訪問、ありがとうございます。 極めて、分かりやすく、明快なコメントを いただき、恐れ入りました。 おっしゃるように、元も子もなくなっては、 ここでのような議論もムダになるかもしれません。 ただ私は、これからの時代は、むしろ伝統に則った 様式美や非日常性に富んだ催しは、尊重され、生き 残っていくのではないかと考えております。 歌舞伎と同じく大相撲も、そうした伝統はできるだけ 忠実に守り続けてもらいたいと思います。 大相撲の人気は、やはり花形力士の誕生や、相撲内容の 面白さなどにかかっていると思うので、今のような バタバタした取組が多い相撲内容では、黄信号でしょう。 人気力士も、白鵬にその片鱗がありそうですが、日本人 力士が出てくれば最高です。 そういう意味では、チバックさん★の「女人禁制」論 には、ちょっと消極的なんですが、果たして将来の 結果や如何に? 有形文化財になっていなければいいんですが。(~0~) 
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月05日(水) 09:31

大相撲も存続しているからこそ、伝統などと言っていられる。しかし、無くなってしまえば、そんなことは言えなくなる。伝統よりも存続する方が大切では。これからの時代、“女人禁制”などと言っていたら、消えてなくなってしまうと思いますよ。
Posted by:チバック  at 2006年07月04日(火) 23:09

★赤猫さん こんばんは。 そうですネ。 昨今の「けじめ」の無さは、問題と思います。 言い換えれば、「らしさ」がなくなったという ことにも通じるのかもしれません。 型にはめるということではなく、その人の拠って 立つ場所(職業、年代、性別等)といったものに 「けじめ」がなくなるということは、社会生活の 基本的な部分がおかしくなり、コミュニケーション が成り立たなくなる、ということでもあるでしょう から。 国会のクール・ビズ? 国論を戦わすスタイルではなく、政治家「らしく」 ないですねぇ〜
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月03日(月) 20:23

★こまくさ さん はじめまして。 おっしゃるとうり、内館さんのバイタリティは 凄い! 嫌味がなく、ハッキリした考え方をお持ちなので 好感が持てました。   それにつけても、あの相撲にかける情熱といったら、 生半可じゃありませんネ。魂消ました。(^0^) 今後ともよろしくお願いします。
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月03日(月) 20:03

わたしも いしまつさんの意見に賛成ですいいじゃないか、いいじゃないかで どんどん「けじめ」が無くなっていく今の世の中は怖ろしい気がします国会のクール・ビズも私は反対です
Posted by:赤猫  at 2006年07月03日(月) 10:48

「内館牧子」さんのエネルギーあふれる、文章 語り 行動力 すごいな〜と思います。テレビでのコメントも 「女人禁制」の相撲もご本人がとても相撲を愛していらしゃるからの判断と思います。応援したい気持ちになります。 あとになりましたが、始めましてよろしく。
Posted by:こまくさ  at 2006年07月03日(月) 10:44

★シップさん おはようございます。「神事」と「タブー」とは、明確に違う。 なるほど。 目から鱗です。 これからは、そういう視点で、「女人禁制」 とか「女人結界」とかを判断してみよう。 わたしには、ちょっと難しいような気もしますが。
Posted by:時遊生活者  at 2006年07月02日(日) 10:53

神事とタブーとを混同するとおかしくなりますね。神事は四方の神に純粋に願い賜る事。タブーは神の名を借りて規制する事。相撲の土俵は神事を司る所ですから、昔からの仕来たりで女の人は無用。神の居る所に女の人が入るのは駄目と言うのは、タブーと言う、これは無視して女の人でも自由に入るのが筋。
Posted by:シップ  at 2006年07月01日(土) 23:50

『大相撲は、勝ち方が問題』ということは納得できるが、『大相撲は、スポーツではない』と言われると、首をかしげる人がでてきそうです。それでも、大相撲の所作の意味を知ってて観るか、知らないで観るかでは、楽しみが全然違ってくるのは間違いありませんネ。歌舞伎でもなんでも、歴史があるものは皆そうかもしれませんが。お相撲さんは、新弟子のときに教習所で6か月間みっちりと、相撲だけではなく、日本の歴史と伝統や文化についても勉強させられるのだそうです。もちろん、外国人も。しかも、日本語で。内館さんは、サツカーのジーコ監督が日本語を話せないことは信じられないと、息巻いてましたヨ。(^0^)
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月30日(金) 23:28

大相撲の神事に則った様々な儀式・所作〜知らなければ、単なるパフォーマンスでしかないのでしょうね…。屋根は、桧皮葺、結界を作って、東西南北それぞれの色房で守られ、それぞれ幣束を祀ってありますよね。祓い清めるのは塩。 外国の力士達も伝統文化の勉強はするのでしょうか。
Posted by:ナウシカ  at 2006年06月30日(金) 23:08

★アンヌさん こんばんは。 投票ありがとうございます。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月30日(金) 21:40

★ヒャックリコさん、こんばんは。 下町育ちのヒャックリコさんにとって、相撲が気に なるというのは、よく分かります。 本当に、日本人力士にもっと強くなってもらわないと 面白くないですよネ。 でも、ハングリーでなくなった日本人には、あの 稽古やしきたりの厳しさに耐えるのは、無理かも しれません。 相撲王国であった我が秋田も、今は幕内力士が一人 という淋しさです。 相撲と柔道とは違いますが、外国への門戸開放が 相撲の将来にとってどうなのか? この次、内館さんに、そんなところをお聞きしようかな。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月30日(金) 21:38

テレビ観戦ですが、相撲は野球より気になります。下町に育ち、相撲があれば必ずテレビで観ていたからでしょうか、今でもつい観ていますが、日本の力士が元気が無く残念です。「内館牧子」さんの講演、興味のあるお話です。女性でこれほどまでに相撲に力を注いでいる方も珍しいですね。守り続けていくもの、変えていくもの、難しいですね。
Posted by:ヒャックリコ  at 2006年06月30日(金) 18:19

☆ブラックティーそん おはようございます。 日ごろ何気なく見過ごしていた決まりごとに いかに多くの意味があるかということを、改めて 知りました。 「結界」については、今回初めて聴きましたが、 私もこのことを教えていただき、ナルホドと勉強に なりました。  個人の日常生活の中でも、何を守り続け、何は捨て 去ってもいいのか? 難しい課題ですが、考えていきたいと思います。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月30日(金) 09:17

「内館牧子」さんの結界のお話も、諸氏のコメントも大変勉強になりました。現代の問題点が浮かび上がり、今後のいきさつを見て行きたいと思いました。有難うございました。
Posted by:ブラックティー  at 2006年06月30日(金) 08:26

☆ルル さん☆チャッピー さん☆釣聖 さん おはようございます。 投票ありがとうございました。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月29日(木) 10:05

☆プー太郎さん おはようございます。 内館さんの日経への連載は、知りませんでしたが、 大相撲と結界の話は、修士論文のテーマだったそうで、 なかなか聴き応えがありました。  それにしても、不思議な人ですネ。女性だからという わけでもないんですが、あれほど相撲を愛し、のめり 込める人は稀有ではないでしょうか。 話をお聴きし、本場所の取組だけでなく、誰でも見学 できるという「神迎えの儀式」と「神送り儀式」を 一度見て見たいものです。 内館さんは、いろいろ大相撲にまつわる所作について、 噛み付いておられるようですが、意見はいろいろある にしろ、なかなか痛快な話ではあると思います。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月29日(木) 10:02

☆いしまつさん おはようございます。 わたしは、不勉強で「結界」の話を知りませんでした。 そう言われてみれば、日本の文化や伝統には、その 意味するところが分からないままに、今に伝わって いるんだということを思い知りました。 こうした視点を迷信やタブーとして排除し、切り捨て ていくことが、日本の国にとって良いことなのか、 どうか。 わたしには、未だその結論は不明ですが、昨今の 政・財・官におけるケジメのなさを見るに付け、 内館さんのおっしゃる「心のけじめ」を失くした 日本の未来は暗いと思えてなりません。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月29日(木) 09:51

☆ケンタッキー便りさん おはよう?ございまず。  内館さんの話を聴いていて、女系天皇・女性天皇問題を 想い出しました。 どこまで伝統文化を守るべきかは、一概には結論付け られない問題ですが、それは、外部から云々ではなく、 まず、内部で選択し、解決すべき事柄かなとは思います。 歌舞伎にしかり、宝塚歌劇団しかり。 その結果、伝統に固執し、柔軟性を失い、衰退し、 最後には文化財扱いとなる。これも止むを得ないのかなと。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月29日(木) 09:37

内館氏は、毎月1〜2回、日経新聞の朝刊にコラムを書いていますが、連続して相撲のことを取り上げている。前々回は、土俵の結界の話で、場所ごとに呼び出しの方々が土俵を作り、場所が終わると元に戻す話。そして、前回は、つい1習慣ほど前でしたが、「クールビズ」の話。小泉総理の代理で、総理大臣杯を手渡しに来た官房副長官が、クールビズを建前に、ノーネクタイで出てきたのはけしからんし、それを阻止できなかった相撲協会の幹部もだらしがない、というこきおろしでした。共感を覚えた方も多かったことでしょう。
Posted by:プー太郎  at 2006年06月29日(木) 09:22

☆西行桜さん おはようございます。 そうですネ。わたしも、ちょっと大相撲界の現状は 深刻だと思います。 これは、単に女性が土俵に上がる云々の話にとどまる ものではなく、総懺悔ならぬ、総フンドシの締め直し が必要かも。 それにしても、最も相撲の様式美を感じる力士が、 モンゴル出身の白鵬というのは、皮肉な話です。
Posted by:時遊生活者  at 2006年06月29日(木) 09:13

ボクは昔ながらの「タブー」がなくなったことこそ、現代社会の秩序の崩壊ではないか・・・とさえ思います。中には説明も出来ない「タブー」もあります。でもそのタブーの意味が説明できないから無意味だ・・・という思想(価値観)よりも、「守る」ということの中に日本人の文化があるように思えてならないのです。タブーもまた「結界」に相通ずるものがあるように思います。
Posted by:いしまつ  at 2006年06月29日(木) 09:06

余り拘ることもないように思えるのですが。伝統と言っても、時代を経て変化をして来ています。女性が相撲をとってはいけない、もその類ではないでしょうか。神社仏閣でもいまだに女人禁制のところがありますが、これも時代に従って変わるべきでしょうね。そういう柔軟性を失うことこそ、マイナスだと思います。キリスト教と同じ根を持ち、かっては科学でも芸術でも世界をリードしたイスラム圏が、あきらかに壁にぶつかっているのも同じ理由からではないでしょうか。
Posted by:ケンタッキー便り  at 2006年06月29日(木) 08:51

相撲が日本古来の神事に端を発していることは周知の事実。ただ、今の相撲界自体がいちばんその事を忘れているように思えます。大学卒の坊ちゃん力士を集めても育たず、摩訶不思議な四股名の外国力士を集めても人気の凋落に歯止めが利かず、若貴騒動にゆれ・・。モンゴルのエリート「白鵬」と、他のモンゴル力士との確執・・。相撲界内部からの自浄作用が無い限り、相撲はいちど解体すべきでしょうね。
Posted by:西行桜  at 2006年06月29日(木) 05:12

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