自然、温泉、めぐる季節と一つになりたい。

虫や鳥、草や木の声を聞き取りたい土筆です

大国主命の統治 [2008年06月09日(月) ]
新潟県は海岸線が日本海に面しています。日本海に弓なりに弧を描いて突きだしているのが弥彦山塊です。弥彦山塊の連なりに出雲崎があり、国上山があります。
うろ覚えですが、昔読んだ谷川健一氏の本のなかに出雲崎は出雲から海を渡ってきた人達が着いた所ではないか、と書かれていたように思います。「国上」は「陸見(くがみ)」で海から陸を見るという意だと記憶しています。

今日、一年ほど前、たまたま買った梅原猛氏の『日本の霊性』を読んでいたら、糸魚川の奴奈川姫についての言及がありました。「記紀は高天原の神話を除けば主として出雲神話と日向神話であるといわれているが、もう一つ越後神話がある」と載っています。奴奈川姫に関する神話です。ヤチホコノカミが越後の奴奈川姫と結婚する話が古事記にあります。

三浦佑之氏の訳では「葦原の中つ国の主となったオホクニヌシは、強い弓矢をもつお方じゃで、ヤチホコとも呼ばれておった。ところが、この神は色ごとにかけても並ぶ神はいないほどでの、口の悪いやからは、おのれの身のホコがすごいからヤチホコ様じゃ、と言うて笑うておるがの、あるいはそれが当たっておるのかもしれんのう」

葦原の中つ国の範囲が今の日本のどこら辺りまでを指しているのか? 詳しくは分かりませんが、「そのヤチホコが、ある時、高志の国のヌナカハヒメを妻にしようとて、妻問いの旅にお出ましになっての、はるばると出雲から高志のヌナカハヒメのもとに出かけて行き、その家に着くとすぐに、長々と妻求めの歌を歌うたのじゃ」「ヤチホコの 神と呼ばれるわれは 治める国に 似合いの妻はいないとて 遠い遠い 高志の国には すぐれた女が いると聞かれて うつくしい女が いると聞かれて・・・」と歌っています。そして次の日の夜にはヌナカハヒメと共寝ということになります。「高志=こし」とは北陸一帯を指す地名ですが、ここでは新潟県の糸魚川辺りを示しています。

大国主命は出雲から陸路ではなく、船に乗って遠い遠い高志の国、糸魚川にやって来たのではないか、そんな考えが頭を過ぎりました。葦原の中つ国の日本海側の北限は新潟県辺りだったのかもしれない、と思ったことです。

Posted at 08:12 | 古事記の世界 | この記事のURL
コメント(8) | トラックバック(0)

西会津の椛咲耶姫命 [2008年04月17日(木) ]
「一生に一度は、なじょな(どんな)願いも聞きなさる(聞いてくださる)会津野沢の山の神様」として知られる大山祇神社(オオヤマヅミジンジャ)の春の例大祭。
ここには大山祇命、岩長比売命、椛咲耶姫命の三神を祀ってあり、水源・水利・長寿・良縁・安産に御利益があります。期間中、県内外から参拝者が訪れます。
昨日、野沢駅に立ち寄ったら其処に 椛咲耶姫命=コノハナノサクヤビメ(木花之佐久夜毘売)がいました。つい先日、コノハナノサクヤビメについてこのブログに載せたばかり、何か奇妙な因縁を感じました。

天孫降臨したヒコニニギノミコトと結婚したコノハナノサクヤビメが抱いている御子は写真では誰かは分かりません。コノハナノサクヤビメ(木花之佐久夜毘売)は三人の御子を生みます。最初はホデリノミコト(火照命)、次ぎにホスセリノミコト(火須勢理命)、そして最後にホヲリノミコト(火遠理命)です。

ホデリノミコト(火照命)は一般的に知られている御名は海幸彦、ホヲリノミコト(火遠理命)は山幸彦です。古事記ではすぐに兄の海幸彦と末っ子山幸彦二人の物語へと移っていきます。
この海幸彦、山幸彦の物語を知らぬ人はいないでしょう。山幸彦は兄、海幸彦の大切な釣り針をなくしてしまう。山幸彦は兄から釣り針を返せと言われて途方に暮れていると、シホツチの神が現れ、ワタツミの宮へ行けと言われる。ワタツミの宮でワタツミの娘トヨタマビメと出会い、結婚する。そして釣り針を返して貰って上の国に戻る。やがて兄の海幸彦との戦、その戦に勝利し大君となる物語です。この間、火須勢理命は生まれたことが書いてあるだけで、物語に出てこないのです。

古事記を読んでいると不思議なことに気付きます。イザナキの神が生んだ三貴子が上から順に天照大御神、月読命、建速須佐之男命ですが、月読命は「夜の食国を治めなさい」といわれただけで、以後の展開に出てきません。末っ子建速須佐之男命と姉の天照大御神の争いが中心となって物語は展開し、ウケヒに勝った建速須佐之男命が高天の原で大暴れし、やがて天照大御神が天の岩屋に籠もる、結局、建速須佐之男命は高天の原から追放されてしまう。
以後の展開は建速須佐之男命のヤマタノヲロチ退治となっていきます。

山幸彦、そして須佐之男命の類似は何を意味しているのかと、つい考えてしまいます。

Posted at 08:40 | 古事記の世界 | この記事のURL
コメント(12) | トラックバック(0)

プロフィール
<< 2008年07月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ともだち最新記事
最新トラックバック