高度経済成長の頃、人々はムラを捨て街に出ました。地方の街からは東京や大阪の大都市に人々が流入しました。首都圏や関西圏の都市は地方から人々を吸い上げ続けていき巨大都市になっていきました。棚田ばかりの山間のムラは全国どこもかしこも廃村、棄村で人がいなくなり、山は荒れました。何百年という長い年月を山で暮らし続けた山人(やまんど)の営みがあっという間になくなったのです。棚田は一旦放置されるとすぐに自然にかえります。先祖が汗水垂らして作り上げ、営々と受け継ぎ続けて来た耕作地が自然にかえったのです。
地方から人を集めて、工業立国日本の輸出産業はいくら人がいても足りないくらいに忙しく、急成長していきました。反面、都市部で公害が叫ばれる様にもなりました。日本はGNPで世界第2位となり、自信にあふれた日本人が誕生しました。モノカネに価値を置くエコノミックアニマルの誕生です。
人々の生活も変わりました。日本人の主食は米ですが、その米が昭和30年代になって日本の歴史上初めて不足することなく自給出来るようになったと思ったらすぐに米が過剰となり、減反政策がとられる様になりました。農業は邪魔者扱いされはじめました。日本人の食生活も変わったのです。米を作っている農家の食事でさえ、米を食べずにパンを食べる家庭が出始めたのです。日本人は自分が日本人であることを心の中で嫌い始めたのです。たとえ錯覚であってもマスコミに喧伝される欧米の都市部の人間であるかの様に生きたくなったようです。
私が東京の大学へ入った頃、寄席に行くと、若手で売り出し中の落語家、立川談志が高座で口癖の様に「どん百姓」と口汚い言葉を発していました。そんな談志が受けて寄席は押すな押すなの大賑わい。寄席のお客は談志の噺に笑い転げていました。客席の笑いの渦の中で新潟の田舎から出てきた農家出身の私は何とも言えない寂しい気持ちになったことを覚えています。農家、また農家出身であることがまるで罪人ででもあるかのような気持ちにさせられたのです。そんな雰囲気が当時の都会にはありました。私は自分が農家出身だと、とても言い出せないと思ったことを覚えています。農家はさげすみの対象以外ではなかったのです。
やがて日経平均4万円に手が届きそうな時点で昭和のバブルが崩壊します。バブル崩壊以後、日本の経済成長はそれまでとは変わりはじめました。銀行の不良債権問題がつづき、失われた10年といわれる期間となります。デフレの時代です。
今や都市に吸い上げられていた戦後生まれの人達が大量に退職する年齢となりました。昨今はその年齢層の人達を中心にして農への関心が高まっているのだそうです。定年後は田舎へ、と考える人々が急増しています。本格的に田舎に定住して農業をやろうと考えている人、市民農園を借りて農に親しもうとする人など様々です。だが農業への関心は、それら定年前後の人々ばかりではなく、都市部の若い人達にも急速に高まっていると先日我が家にやってきた農協の若い職員が話してくれました。農地が借りられないか、また、農業をしたいが働けるところはないか、との問い合わせが最近は都市部の若い人達から寄せられる様になっているとのことでした。
時代は大きく変わりつつあるようです。
地方から人を集めて、工業立国日本の輸出産業はいくら人がいても足りないくらいに忙しく、急成長していきました。反面、都市部で公害が叫ばれる様にもなりました。日本はGNPで世界第2位となり、自信にあふれた日本人が誕生しました。モノカネに価値を置くエコノミックアニマルの誕生です。
人々の生活も変わりました。日本人の主食は米ですが、その米が昭和30年代になって日本の歴史上初めて不足することなく自給出来るようになったと思ったらすぐに米が過剰となり、減反政策がとられる様になりました。農業は邪魔者扱いされはじめました。日本人の食生活も変わったのです。米を作っている農家の食事でさえ、米を食べずにパンを食べる家庭が出始めたのです。日本人は自分が日本人であることを心の中で嫌い始めたのです。たとえ錯覚であってもマスコミに喧伝される欧米の都市部の人間であるかの様に生きたくなったようです。
私が東京の大学へ入った頃、寄席に行くと、若手で売り出し中の落語家、立川談志が高座で口癖の様に「どん百姓」と口汚い言葉を発していました。そんな談志が受けて寄席は押すな押すなの大賑わい。寄席のお客は談志の噺に笑い転げていました。客席の笑いの渦の中で新潟の田舎から出てきた農家出身の私は何とも言えない寂しい気持ちになったことを覚えています。農家、また農家出身であることがまるで罪人ででもあるかのような気持ちにさせられたのです。そんな雰囲気が当時の都会にはありました。私は自分が農家出身だと、とても言い出せないと思ったことを覚えています。農家はさげすみの対象以外ではなかったのです。
やがて日経平均4万円に手が届きそうな時点で昭和のバブルが崩壊します。バブル崩壊以後、日本の経済成長はそれまでとは変わりはじめました。銀行の不良債権問題がつづき、失われた10年といわれる期間となります。デフレの時代です。
今や都市に吸い上げられていた戦後生まれの人達が大量に退職する年齢となりました。昨今はその年齢層の人達を中心にして農への関心が高まっているのだそうです。定年後は田舎へ、と考える人々が急増しています。本格的に田舎に定住して農業をやろうと考えている人、市民農園を借りて農に親しもうとする人など様々です。だが農業への関心は、それら定年前後の人々ばかりではなく、都市部の若い人達にも急速に高まっていると先日我が家にやってきた農協の若い職員が話してくれました。農地が借りられないか、また、農業をしたいが働けるところはないか、との問い合わせが最近は都市部の若い人達から寄せられる様になっているとのことでした。
時代は大きく変わりつつあるようです。
Posted
at 13:49
| 時の流れ
| この記事のURL
コメント(14)
| トラックバック(0)
