日本に美術館が一体どのくらいあるか分からないが、新潟にはユニークな、しかも全国に誇りうる美術館があります。数年前の冬、雪深い中を九州からの友人を案内して、漸く探して訪ねた美術館。この十日町の山中にある美術館は高名な建築家が建てた美術館では勿論ありませんが、この美術館、私は秘かに誇りに思っているのです。
昨年の大地の芸術祭にお越しいただいた多くの方々の中で一体何人の方がこの美術館に足を運ばれた事だろうか、多分多くはなかった事でしょう。この美術館の名を「ミティラー美術館」といいます。緑滴るの森の中、廃校になった小学校を利用して20数年前に設立された私設の美術館です。インド美術が一堂に会したこの美術館、ただ者ではないのです。その作品群はインド政府より量と質において世界に類がないものと高く評価されているのですから。
先日よく晴れた日に十日町まで行ったので、ふと思い出して、数年前と同じくまたもや迷いながら訪ねました。雪の量はこの前とはくらべようもないほど少なかったのですが、ここはやはり豪雪地帯、漸く探しあてたものの美術館には鍵がかかっており、誰もいませんでした。雪の上を踏んだ足あともなく、おそらくこの冬は殆ど人が来なかった事が見て取れます。数年前に訪ねた時と同じく、入り口に「御用の方は電話下さい」と電話番号が書かれてありましたが、夕暮れ間近なこの時間にわざわざ来て頂くのも悪い気がしてそのまま引き返しました。
今度また十日町まで行った時には久しぶりにインドの美術を心ゆくまで堪能しようと思っております。