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お変わりなく[2008年07月15日(火) ]
 「男子3日会わざれば刮目(かつもく)して見るべし」

と古人は伝えたが、現代の最先端の科学的事実がある意味
それを裏づけた。勿論表層のことであるが。
         *刮目;目をこすって、よく見ること。注意して見ること。

 私達の日常の世界とは全く別な様相が、分子の世界では
見られるようだ。

 私達の身体は、眼に見える実体としても、確かにその
存在は 「ある」 と実感できるし、暮らしも人とのお付き合い
もそれで成り立っている。

 ところが、分子のレベルではそんな様相とは全く異なり、
その実体はまことに心もとない。 と言うのも、私達の
肉体は毎日高速で入れ替わっているというのだ。

 皮膚や爪、毛髪など表層の現象だけでなく、身体という
実体は、外部から入る分子と出て行く分子の入れ替わ
りの「流れ」の中にあり、「今」はその流れの「よどみ」でし
かないようなのである。

 よどみ、などと真に不確かな、一時的なありように身体
を定義されてしまうが、それが分子レベルでいう「生きて
いる」、ということらしい。

 そうすると、よく私達は旧知と会ったときなど、「お変わり
も無く」と挨拶をするが、もし半年や1年会っていなければ、
分子のレベルではすっかり入れ替わっており、その人は
もはや別人であると思わなくてはいけないらしい。

 8月は旧盆で帰省する人も多いのであるが、ひとつ
大いに「変わった」家族や知人を、改めて見てみるのも
「生きている」私達の義務かもしれない。

     (生物と無生物のあいだ  福岡伸一著、講談社現代新書)

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コメント


トムさん

両極端は相結ぶ、と言います。眼に見えない分子のような
ミクロの世界と、宇宙のようなマクロの世界は、科学者
にとっても哲学的な思考が必要な世界なのででしょうね。

ipsなど科学の世界の進歩に期待する半面、その威力
を監視する高度な人の知恵も得ていきたいものです。
Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月23日(水) 12:46

湘南ジョガーさん今晩は、トムです。
何か哲学的とおっしゃりましたね。まさに哲学なんだと思いますし、還元すると化学、ではなく科学なのだと思います。
日常的には考える事はないけれど、池に石を投げかけられると反応はします。それを待っている深層心理はあるのでしょう。
人間が自然のありようを在るがままに理解する事が科学だとするなら、それは哲学と一致する事になるでしょう。
奇奇怪怪、興味津々、カルチャーショック、今後のお知らせ楽しみです。
Posted by:トム  at 2008年07月22日(火) 19:50

トムさん

ようこそ。
ええ、そうなんです。なんか哲学的ですね。
ご指摘のように人体は変化の中にあり、在るように見えて
いても実際は流れの一断面でしかない、という衝撃的な
解説でした。分子の世界は面白い。
こんな世界、お好きですか。
Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月21日(月) 21:42

湘南ジョガーさん、今晩は、トムです。
存在の実態という興味深い論理、不可思議です。
そのものであるというのに、作用と反作用、矛盾の量的増加から質的変化、カオスの論理などしか知りませんが、湘南さんの紹介は興味深いものですね。
つまり変化しつづけ実体のないものとして認識するしかないものを実態として感じている、それは流れる水は腐らないという感じで納得できるもののようです。
Posted by:トム  at 2008年07月21日(月) 19:32

イヌワウチ。さん

あ、そうそう、その言い方がいいですね。
そういわれると悪い気はしない。
うまい。
私もこんど言ってみたい。
Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月19日(土) 21:14

お変わりなく・・成長のない人??
という意味ではありませんが、
「あら!素敵になって!」とくらい、言いたいですね。
Posted by:イヌワウチ。  at 2008年07月19日(土) 18:15

しおりさん

分子レベルの話ですから、普段は勿論変わりませんよ。

ええ、私はジョギングをするようになって随分減量でき
ました。健康なダイエットと思っていますが、久しぶりに
会う友は、変わり果てた姿に一様に驚きます。
最初は、薀蓄を含めてひと時の話題になりましたが、最近
ではもう面倒に感じるようになりました。

私くらいの歳になると、病のある人ははっきりと出る歳で
す。大抵はいい話は少ないので、聞いてくる友人も気兼ね
しながらですから、お互いいい気分ではありませんね。
ジョガーも永くはない、などと知らないところで噂が飛
んでいるのかも知れません。

そんな昔からの経緯をここで書いたこともあるのです。
省略して話てしまって、済みません。
Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月16日(水) 21:08

分子レベルでは日々入れ替わっているのですか〜、目に見えないものなのでイメージしにくいですよね。ナオリン様へレスされている中で、【え、どうしたの】と聞かれるとあるのは、マラソンですっかりスマートになられたことを人が不思議がると言うことですか?
Posted by:しおり  at 2008年07月16日(水) 19:55

ナオりんさん

歳を取ると「変わらないね〜」が、まあ、無難なので
しょうか。成長しない、と受け取られるとマイリますが。
容貌、容姿の変化する年代なので、気を使いますね。

私は、マラソンをするようになって、「え、どうしたの」
と聞かれることが増えました。答えるのが、いつも同じ
説明なので辟易しております。

変わりませず、とあっさり挨拶し、本題のおしゃべりに
入れるのがスムーズでいいですね。
この著者には反しますが。

Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月16日(水) 08:46

ルルさん

人間の身体は新陳代謝が行われていること理解してい
ますが、人体は激しい更新の「流れ」の中にあると読ん
だとき実に不思議な感じがしました。
デカルト。確かに、哲学的な匂いのする解説書でした。
Posted by:湘南ジョガー  at 2008年07月16日(水) 08:39

ふむ・・・・
久しぶりに会った人に「変わらないねぇ〜〜(成長してない?)」と言われるのと「変わったねぇ〜〜(成長した?)」と言われるのと・・・
どちらがいいのでしょう〜???
Posted by:ナオりん  at 2008年07月16日(水) 01:34

この諺は精神的なものだと思っていましたが、
分子の世界では、実際に変わっているのですね。

>もし半年や1年会っていなければ、
>分子のレベルではすっかり入れ替わっており、その人は
>もはや別人であると思わなくてはいけないらしい。
そうですか、
これから、そういう目で見るのも面白いかも知れませんね。

何故か、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」を思い出しました。
Posted by:ルル  at 2008年07月15日(火) 23:43

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