STAGE ステージ
50歳未満お断り! 紳士と淑女の知的コミュニティ http://www.stage007.com

    人生の午後。
    まだ陽は高い。もう一仕事できそうだ。

プロフィール
ともだち最新記事
最新トラックバック
怒り方 [2008年06月13日(金) ]

宮城県知事を務め、現在は大学教授の浅野史郎氏の
コラムに全く同感であった。

「怒りは関心の始まり、関心は行動への第一歩」 と、
怒ることを主張されている氏が、一方で、その怒りが
継続しないことを嘆いておられる。

なぜ怒りが継続しないのか。「日本人は忘れっぽい」
というのは俗説で、その怒りが本気でないからだ、
断言する。
問題の本質にまで至らずに、表面上の感情論レベル
にとどまっているから、時間がくれば収まってしまうと。

誠に痛烈な意見である。

でもその日本人のうち、少ないながらも行動を起こして
いる人もいると、私は思いたいし、そういう人も知っている。

Posted at 09:56 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(6) | トラックバック(0)

かもめのジョナサン [2008年05月12日(月) ]

「ほんとんどのカモメは、飛ぶという行為をしごく簡単に
考えていて、それ以上のことをあえて学ぼうなどとは
思わないものである。・・・
だが、この風変わりなカモメ、ジョナサン・リビングストン
にとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ
自体だったのだ」
       (リチャード・バック著、五木寛之訳。新潮文庫476円)

この懐かしいフレーズを新聞の片隅でみつけ、本棚を
探した。が、どうにも見つからない。
やむなく近くの本屋でこの本を買い求めてみて驚いた
のは、昨年6月で69刷!
昭和52年5月発行であるから、何と30年間にわたり
増刷を続けてきている。

だが、作品は実はもっと早く1970年に米国で発表され
ている。当初はほとんど評判にならなかったが、72年に
突如ベストセラーを記録、と奥付にありました。
そうでした私が読んだのは、日本が高度成長を走り
始めたときでしたね。

「いいかね、ジョナサン」と父親が言う。
「・・・分かっとるだろうが、空中滑走は腹の足しには
ならん。わたしらが飛ぶのは、食うためだ。ひとつ。
そこんところを忘れんようにな」

豊かな米国が展望のないベトナム戦争に足を掬われ
続けた時代。
暗殺、ヒッピー、麻薬、フォークソング、徴兵回避など
急速に時代がきしみ、転回していましたね。
私も70年、社会人として世の中に吸い込まれていった
時代です。

天国に昇ったジョナサンに、教官のサリヴァンが言います。
「・・・人生には、食うことや、争うことや、権力を奪い
合ったりすることなどより、はるかに大事なことがあった
んだと、そうはじめて気づくようになるまでには、どれだけ
永い歳月を経てこなければならなかったことか。・・・」

こんなフレーズがあったのですね。まったく覚えていま
せん。
白状すれば、私はこの本を落ちこぼれ人の強がりと
救いの物語と読んでいたような気がします。ベスト
セラーの理由がよく分からなかった読後感を覚えて
います。

言葉を正しく受け取るには、読むほうにも時間の
蓄積がいることが分かります。
(いや単に頭が悪いだけでしょう)

企業から離れてほぼ1年。ようやく、自分が分かりつつ
あることを思います。

Posted at 21:27 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(8) | トラックバック(0)

新年の質問 [2008年01月12日(土) ]

「今日、あなたは空を見上げましたか。」

今日、こうゆう言葉で始まる詩を聴きました。

「ありがとう という言葉を、今日あなたは口にしましたか。」

 (いいえ、まだです。)

「このまえ、川を見つめたのはいつでしたか。
 砂の上に座ったのは、
 草の上に座ったのはいつでしたか。」

 (え、えー と。)

「何歳のときのじぶんが好きですか。
 上手に年をとることができると思いますか。」

 (・・・)

「沈黙はどんな音がしますか。
  ・
 いちばんしたいことは何ですか。
  ・
 あなたは言葉を信じていますか。」


30以上にわたる「問い」の詩が、ゆっくり読み上げられます。
段々、これらの問いが、こころに浸透してきます。

詩人 長田 弘 を初めて知りました。
迂闊な人生、と言うべきでしょう。

(本詩は、現在では「最初の質問」と改題されて、著者の小品に
 収められているとのことです)

Posted at 23:43 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(21) | トラックバック(0)

されど我らが日々 [2007年11月19日(月) ]
60年安保闘争を経験した作者が、64年この作品を
発表。芥川賞受賞。柴田翔29歳。
60−70年代の若者のバイブルとなった青春文学の
傑作、であるそうだ。

「されど我らが日々――」が、立ち寄った本屋で新装
文庫本となって山積みされていた。
懐かしく、思わず購入。

1964年とは、私が高校2年生。しかし、読んだのは、
バリケードの中を受験に向い、大学生になってから
であった。
当時、既に70年安保改定を控えた不穏な雰囲気が
高まる中、いっぱしの挫折学生のクールさを気取った
ものであった。

それから40数年後の今となっては、もはやその時
感じた一体感、感慨はない。
私も既に歳老いたと言うべきであろう。
しかし、「生きたと言える日々」を模索する主人公の
許婚「節子」の純粋さを愛おしく感じたのは、新しい
発見であった。

Posted at 00:17 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(16) | トラックバック(0)

サムマネー [2007年08月10日(金) ]
世を儚んで自殺をしようとしたバレリーナが聞く。
 『どうしたら生きていけるの?』

淡い恋心を抱くチャップリンが言う。
 『3つのことがあれば生きていける。
          希望と勇気と、サムマネーだ。
  (チャップリンの映画「ライムライト」より)

これを、私の古くからの友人は、年末の同窓会で、
 『定年後に大事なものは、
            健康と友人と、サムマネー』
と、挨拶をした。

チャップリンの名を借りると、平凡なことが輝いて
聞えるから不思議である。

Posted at 18:30 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(27) | トラックバック(0)

ピッチャー江夏、背番号28 [2007年07月17日(火) ]
『阪神タイガース、ピッチャー江夏、背番号28』

江夏豊。
好きな人も多い反面、嫌いな選手にも上げ
られる不思議なプロ野球選手であった。

彼の背番号28は、数学では<完全数>と
いわれる。 

<完全数>。  その約数を全て足すと、
その数自身になる、という特殊な数字の
ことである。
即ち、28は、1+2+4+7+14 = 28

また、<完全数>は、連続した自然数の和
でも表される。
28=1+2+3+4+5+6+7

こんな数学を題材に選び、第1回本屋大賞
を受賞した小説 『博士の愛した数式』
(小川洋子著)を読む。

 ・ ・ ・ ・
老数学者、家政婦の「私」、その10歳の
息子が、「数学」と「阪神タイガース」で結ば
れて話は進む。 しかも老数学者の記憶は、
80分しか持続しない。

この老数学者が、教育者として素晴らしい
教え方をする。(こんな先生に巡り合いたい)
一方、家政婦の「私」は、この老数学者の
母親のような包容力で献身的な介護をするが、
一方で息子とともに、老教授の驚異的な頭脳
に私淑する女学生でもあった。

後年、記憶力を失い療養している博士のと
ころに、大学生になった息子とともに「私」は
見舞いに行く。

「息子は中学校の教員試験に合格しました。
来年の春から、数学の先生です。」
「私」は誇らしく博士に報告する。

博士は身を乗り出し、息子を抱きしめる。
その胸に、江夏のカードが揺れる。
 ・ ・ ・ ・

生きることは難しい。が、素直な心はいつも
人を魅了する。 それは難しいことをシンプル
に表す数学のように。 
爽やかな読後感であった。


また、江夏豊といえば、山際淳司さんの
「江夏の21球」(1980年)という、実話を
もとに優れた心理描写で読ませるドキュ
メントもある。

Posted at 21:44 | 本・読書 | この記事のURL
コメント(21) | トラックバック(0)

<< 2008年07月 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリアーカイブ
リンク集