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ピッチャー江夏、背番号28 [2007年07月17日(火) ]
『阪神タイガース、ピッチャー江夏、背番号28』

江夏豊。
好きな人も多い反面、嫌いな選手にも上げ
られる不思議なプロ野球選手であった。

彼の背番号28は、数学では<完全数>と
いわれる。 

<完全数>。  その約数を全て足すと、
その数自身になる、という特殊な数字の
ことである。
即ち、28は、1+2+4+7+14 = 28

また、<完全数>は、連続した自然数の和
でも表される。
28=1+2+3+4+5+6+7

こんな数学を題材に選び、第1回本屋大賞
を受賞した小説 『博士の愛した数式』
(小川洋子著)を読む。

 ・ ・ ・ ・
老数学者、家政婦の「私」、その10歳の
息子が、「数学」と「阪神タイガース」で結ば
れて話は進む。 しかも老数学者の記憶は、
80分しか持続しない。

この老数学者が、教育者として素晴らしい
教え方をする。(こんな先生に巡り合いたい)
一方、家政婦の「私」は、この老数学者の
母親のような包容力で献身的な介護をするが、
一方で息子とともに、老教授の驚異的な頭脳
に私淑する女学生でもあった。

後年、記憶力を失い療養している博士のと
ころに、大学生になった息子とともに「私」は
見舞いに行く。

「息子は中学校の教員試験に合格しました。
来年の春から、数学の先生です。」
「私」は誇らしく博士に報告する。

博士は身を乗り出し、息子を抱きしめる。
その胸に、江夏のカードが揺れる。
 ・ ・ ・ ・

生きることは難しい。が、素直な心はいつも
人を魅了する。 それは難しいことをシンプル
に表す数学のように。 
爽やかな読後感であった。


また、江夏豊といえば、山際淳司さんの
「江夏の21球」(1980年)という、実話を
もとに優れた心理描写で読ませるドキュ
メントもある。

Posted at 21:44 | 本・読書 | この記事のURL
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