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目算(もくさん) 【2006年06月15日(木) 】

平岡「時間が残っているので地を計算していました。警告音が鳴ったら打てばいいのかと…」
“ピッ”と音が鳴り、それが時間切れの合図だった。
いつも笑顔でメディアの質問に答える平岡選手も、この敗戦直後はさすがに顔を引きつらせた。

『週刊碁』(日本棋院刊)の記事です。その2006年6月12日号は一面トップに、「感激平岡V」、「12年ぶり2度目の優勝」と大きな赤い文字。世界アマ選手権戦・佐世保大会の模様を同紙は詳しく報じています。第27回を数えたJAL杯世界アマは、5月28日〜31日の4日間、長崎県佐世保市のハウステンボスで開催され、五大陸から過去最高68カ国・地域の代表、68選手が参加。
1日2局、8回戦をスイス・システムで対戦します。各1時間半の持ち時間を使い切るとカナダ方式。各自15手を10分以内に打つ規定で、これは日本でまだ馴染みが薄い。
日本代表の平岡聡選手(35、アマ8段)は3回戦で北朝鮮の趙大元選手(18、前回2位)と対戦し、終盤に時間切れ負けを喫しました。形勢が良かっただけに、ショックは大きかったでしょう。
6回戦で趙選手が中国の唐韋星選手に敗れ、7回戦の全勝対決は唐選手が韓国の洪満基選手(18)を降して単独トップに。そして最終ラウンド。腐らずに勝ち星を重ねて1敗を堅持した平岡選手は唐選手と当たりました。勝てば優勝の可能性があります。
唐選手はなんと13歳。囲碁の英才教育で育ち、トッププロへの期待を背負っている逸材です。碁の内容は伯仲でしたが、手厚い棋風の平岡さんが勝利。7勝1敗で4名が並び、規定(対戦相手の勝数合計)により、幸運にも平岡さんが優勝。2位が中国、3位北朝鮮、4位韓国となりました。

ところで、平岡さんは(少し強い人は同じですが)どうやって地(じ)を数えていたのでしょうか。

19路×19路=361目 その碁盤の上で、黒と白がそれぞれ囲った場所が地です。碁の勝敗は、終局した時点で黒地の合計と白地の合計を計算し、白地にコミ6目半を加えて(後手・白番の不利を調整)、多い方が勝ち。
競技の途中でも、棋力が高ければ高いほどおよその計算はかなり正確にできるので、平岡さんは残り時間を有効に使って形勢判断し、確実に勝とうとしていたのです。その計算は電卓を使ったりせず、紙に書くこともしません。目と頭だけを使って双方の地を計算し、それを目算といいます。
「目算」を碁以外でも時たま聞くことはありますが、囲碁ではしばしば使われる言葉です。プロの碁では、対局中に何回も、何十回も目算します。

では、「目算」という言葉は、いつ頃からあったのでしょうか。
興味深い話がありますので、それを次回に。

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