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【1】強化対象は二種類の「体力」 [2007年06月01日(金) ]
 
≪ 「行動体力」と「防衛体力」 ≫
 健康法は、当然のことながら、体力向上のために行うものです。しかし、一口に体力といっても、実は二種類あります。
 『体力テストで、「暦年齢は50歳だが、体力年齢は30歳」という結果が出たりすると、これは手放しで喜びたくなる。だがテストは、運動など行動の場合の体力(行動的体力)であって、病気や故障に対する抵抗力の「防衛体力」とは違う。防衛体力まで若いわけではない。』
『健康づくりのワナ』 朝日新聞社 以下すべての文字強調は小生

≪ 「骨格筋」と「内臓筋」 ≫
 身体を作る筋肉も、二種類あります。
骨格筋(=横紋筋)― 随 意 筋 ― 体性神経が関与
内臓筋(=平滑筋)― 不随意筋 ― 自律神経が支配
【注】内臓も筋肉で出来ています

≪ 片手落ちの「スポーツ健康法」 ≫
 世の中では、「スポーツ健康法」が主流をなし、身体を鍛えれば健康になると考えられています。
 しかしながら、上の分類からすると、鍛えているのは「行動体力」であり、筋肉でいえば、「骨格筋」です。病に対抗する「防衛体力」や病の多くが発生する「内臓(筋)」などは、強化対象とはなっていません。
 脂肪も、悪さをするのは皮膚と骨格筋の間にたまる皮下脂肪ではなく、内臓脂肪です。
 「特に問題となってきているのは、内臓肥満型脂肪である」
『成人病の基礎知識』 成人病予防協会監修
 内臓(筋)の養生をしなければ、いつまでたっても、真の健康は得られないのではないでしょうか。

          二種類ある「体力」と「筋肉」
                 それぞれを強化して初めて健康になれる
           「スポーツ健康法」を続けるだけでは
                           真の健康は得られない


 それでは、二種類ある「体力」と「筋肉」、両方を丈夫にする方法はあるのでしょうか。
 私は、それができるのではないかと思われる「健康運動」を、十年以上続けています(1992〜)。薬をまったく飲まなくなったり、視力が戻ったり、冬寝る時、毛布をほとんど必要としなくなったり、疲れにくくなったりしています。
 その考え方は、スポーツに対するものとは異なります。“鍛える” ではなく、“動かす”ことを念頭に置くものです。
 『三十年代の米国の病院では白人と黒人で待遇が大きく違っていた。外科手術の後、白人には看護婦がつきっきりで世話をするのに、黒人は何でも自分でさせられた。ところが、黒人の方が傷の治りが早く、合併症も少なかった
 実験で、手術後に縛ったマウスと、勝手に動き回らせたマウスを比較。動いた方が明らかに治りが早かった。・・・
 近年、「安静」は、重い後遺症や死亡にもつながることがわかってきた。高齢者が手術などで長期入院すると、寝たきりや痴呆を招きやすい。・・・
 足の血液が心臓に戻るには筋肉のポンプ運動が不可欠。静脈を絞るように血液を押し上げる。動かないと血液は停滞して固まりやすい。』
『朝日新聞』 2000.4.16 朝刊 文字強調は小生

             「スポーツ」は“鍛える”
                     「健康運動」は“動かす”


 このブログでは、こうした考え方や、やっている内容などを、順に、述べていきます。


【0】血行促進健康法−もくじ−(←ここをクリック)で、全ての頁が表示できます
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【2】病に対抗する「防衛体力」とは [2007年06月08日(金) ]

≪ 私たちは、体調不良を治す力「自然治癒力」を持っている ≫
 骨折部をギブスで固定・・・骨芽細胞が活発に働き、骨の内部までしっかりとくっつける・・・。」 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 以下すべての文字強調は小生
 薬も使わず、手術もしないのに、骨折は治ります。これと同じことを折れた木や鉄の棒にしてやっても、くっつくことはありません。これが、自然治癒力と言われるものです。
≪ 病を治すのは“薬”ではなく、「自然治癒力」 ≫
 それでは、病を治すのは薬でしょうか、それとも「自然治癒力」でしょうか。
 「病気を治すのも自分の持っている自然治癒力であり、医師や薬は補助手段に過ぎない。」 『健康管理学』 日本成人病予防協会 監修

「防衛体力」の中心に位置するのは、この「自然治癒力」

≪ 「自然治癒力」と「内臓」とは密接な関係にある ≫
 自然治癒力には、細胞もかかわっています。
 「自然治癒力は、脳、免疫系、内分泌系の連携によって維持されている。」
 「免疫系は赤血球や白血球などの細胞からできている・・・」
共に 『免疫と自然治癒力のしくみ』 日本実業出版社 下の引用も 下線は小生
 その一方で、内臓の働き具合も影響しています。
 「体内環境を常に一定の範囲に保つことをホメオスタシス(恒常性)という。・・・
 ホメオスタシスを守ることは、ヒトが生きるための絶対条件である。そのために、脳、免疫系、内分泌系は「三位一体」となって働いているのである。」

 このホメオスタシスを守るために、多くの内臓がかかわっています。
 「ホメオスターシスはからだのあらゆる面にわたって認められる現象ですが、なかでも、腎臓はこの面できわめて重要な役割を担っています。・・・それは@水分量、A酸性度、B無機質の濃度、の各項目に分けられます。
 しかしこれらの恒常性を維持するのに、もちろん腎臓だけで目的を達成するわけではありません。どの項目についても、いろいろな器官と協同してそれを実現しているのです。」  『家庭の健康と医学大百科』 社会保険新報社

 「自然治癒力」には、“内臓”の働き具合が大きく影響します。ここから、「自然治癒力」が中心に位置する「防衛体力」と「内臓(筋)」とが、密接な関係にあることがわかります。
 そこで、二種類ある「体力」と「筋肉」との関係を整理すると、次のようになります。
二種類の体力と筋肉については 【1】強化対象は二種類の「体力」 (←ここをクリック)参照

  行動体力 : 主に「骨格筋」が関与   【注】この分類の続きは、下記をクリック
  防衛体力 :  〃 「内臓筋」 〃    【10】「呼吸法」は「防衛体力」強化に必須のもの

「防衛体力」を強くするには、「内臓」を丈夫にすればよい

≪ “薬”の前に「自然治癒力」 ≫
 「人体ではがん細胞が絶えず生まれている。だが、がん細胞がそれほど増殖しないのは、免疫系がいつもがん細胞を発見し、破壊しているからである。」
『免疫と自然治癒力のしくみ』 日本実業出版社
 このような事例を見ると、「自然治癒力」は病の“予防”もしています。
 病に対しては早期発見・早期治療が大切だと言われますが、私は、本当の意味でのそれは「自然治癒力」を強固なものにすることで現実のものになると思っています。
 薬に頼る前に、やっておかなければならないことがあります。それは、「自然治癒力」を強固なものにすることです。「内臓」の働きをよくすることです。


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【3】二種類の「体力」“共通”の強化法 − 細胞活性 [2007年06月15日(金) ]

≪ 身体は細胞で出来ている ≫
 「私たちの体の60%は水分。それ以外は、細胞でできている。」
 「もとをただせば、人間の体は60兆個の細胞からできている!」
共に 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 以下すべての文字強調は小生
 「私たちのからだの細胞は1秒間に平均5000万個もこわれて新しい細胞が生まれている・・・」 『からだのしくみと放射線』 エキ出版
 私たちの身体を作っている細胞は、非常に小さなものです。
 「細胞は小さいものだから、ほとんど目には見えない。・・・その大きさは、約十ミクロン。ミクロンという単位は、一ミリの千分の一の長さである。それなら、細胞を約百個並べると、一ミリになる。ずいぶん、小さいものだ・・・」
『解剖学教室へようこそ』 筑摩書房

 「ヒトは細胞から成り立っており、細胞のすばらしさを享受すると同時に、細胞のもつ宿命から逃れることができない。私がいまこのように文章を書き、それをあなたが読むのも細胞のはたらきによっているのである。」
『細胞から生命が見える』 岩波新書

≪ 60兆個すべての細胞の活性化を ≫
 身体は細胞で出来ています。ここから、二種類ある体力の共通の強化法を見出すことができます。
「体力」については 【1】強化対象は二種類の「体力」(← ここをクリック) 参照
 つまり「体力」には二種類あるといっても、それらはすべて身体の中にあるものであり、すべてに細胞がかかわっています。
 したがって、全身の細胞を活性化させれば、それらを同じように強化できることになります。
 程度問題はありますが、骨格筋(筋力)や心臓・胃・腸・肝臓・腎臓などの内臓脳・神経など、すべてのものがその対象となります。
 さらに、細胞や内臓の働きによる「自然治癒力」もまた、同様です。

 細胞活性は健康維持に欠かせないものであり、それなくしては健康になれないものです。
 「生物の一つの固体に含まれている細胞には、実に千差万別ないろいろの型があります。筋肉細胞のように細長くしかもぴりぴりと動くのもあれば、色素細胞のように色のついたものもあります。それらのうちのどれか一つが欠けても、私たちの個体としての生命は保てません。」 『細胞の社会』 ブルーバックス 講談社

全身の細胞を活性化させれば、「行動体力」も「防衛体力」も強くなる

そうすることは、「健康の基礎を作る」ことにもなる

健康の基礎作りを怠れば、他に何をやっても、すべては“砂上の楼閣”となる


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【4】細胞活性(=健康維持)に必須のもの [2007年06月22日(金) ]

≪ 細胞は立派な“生きもの”− 生命の最小単位 − ≫
 生命体である細胞は、外界から栄養を取り入れて消化し、それをエネルギーに変えたり、分裂して仲間を増やしながら、私たちの体を維持している。」
『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 下の2引用も 以下すべての文字強調は小生

≪ “生きもの”を“活かす”ために、最低限必要となるもの ≫
1.「多種類のものをバランスよく」食べる
 人の身体を維持するためには、500種類以上の栄養を必要とします。
 肝臓・・・体に合った、体の役に立つかたちの500種類以上の物質につくりかえて体内へ」
 これほど多くの栄養を作り出すためには、多種類の材料を摂取しなければなりません。

2.体温を高めに保つ
 食べたものは、それですぐ「栄養」になるわけではありません。
 「吸収された栄養素は、・・・肝臓に運ばれる。そしてここで化学的に処理されて、初めて・・・有効な栄養になる。」
 こうした化学反応には、“酵素”がかかわっています。
 「体内で行われるこの変化・・・その一つ一つの反応は実験室の試験管やフラスコの中で起こそうとしてもなかなか進行しない。ところが生物体内ではスラスラとことが運ばれるのである。それは酵素が生物体内に存在してそれが化学反応の速度をはやめているからである。」 『からだと食物』 岩波新書
 この酵素には、温度によってその働き具合が変わるという特性があります。
 「酵素が働きやすい温度は体温に近い40度くらいで、高すぎても低すぎても、その働きは鈍ってしまう。」 『頭にやさしい雑学読本@』 同文書院
 体温が低いと酵素の働きが悪くなり、多種類のものを食べ続けても、十分に栄養に転化されないことになります。

 ちなみに、体内では、その他にも数多くの化学反応が起きています。生命は、化学反応で維持されているといっても過言ではありません。
 肝臓では何千種類もの化学反応が、驚くべき速さと精密さで行われる。」
『からだのしくみ事典』 日本実業出版社
 「それは細胞の状況によっても大きく変わりますが、おそらく数千種類の化学反応はいつも動いているでしょう。」 『生命とはなんだろう』 岩波ジュニア新書
 これらすべてが、体温の影響を受けることになります。
 “冷え性”は身体によくないといわれますが、その理由の一つがここにあります。

3.全身くまなく“血行”をよくする
 さて十分な栄養が作り出されたとして、次に問題となるのは、それらが細胞まで届けられるかどうかです。届けられなければ、何の役にも立ちません。細胞は全身にあり、身体の隅々まで、くまなく届けられなければなりません。
 栄養だけでなく、酸素・薬なども含めて細胞まで運ぶ役割を担っているのは“血液”です。
 血行の良し悪しは、細胞の活性状態を、つまり健康状態を大きく左右することになります。
≪ 2と3が「健康運動」に関係する ≫
 「2.体温を高めに保つ」に運動が必要となることには、異論はないと思います。
 3の「血行をよくする」にも関係しており、これが、このあとのメインテーマとなります。


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【5】心臓だけではない血液の推進力 [2007年06月29日(金) ]

≪ 心臓の力は“静脈”には及んでいない ≫
 血液は、心臓の力で全身を流れているわけではありません。
 毛細血管が終わるあたりでは、もはや心臓からの推進力はゼロになっています。」
『家庭の健康と医学大百科』 社会保険新報社
以下すべての文字強調は小生
 この点は、実感することができます。
 手の甲などにある青い血管(静脈)には、“脈”がありません。脈は心臓の鼓動そのものであり、それがないということは、心臓の力が及んでいないことになります。

≪ 静脈側の“主な”推進力は、「筋ポンプ」と「呼吸ポンプ」 ≫
 「静脈内の血液に対して、心臓からの推進力のかわりをするのは、じつは手足の筋肉なのです。筋肉が運動することによって静脈を側方から圧迫し、・・・ もう一つの動因は、呼吸運動です。」 『家庭の健康と医学大百科』 社会保険新報社
 この二つの推進力について、他の文献には次のように説明されています。
 なおこれらは、このあと何度も出てきます。ここでは、ポンプの名前と骨格筋・横隔膜が関係することだけを記憶して置いてください。
 A 筋ポンプ:・・・骨格筋の収縮や併走している動脈の拍動によって一定の部位が圧迫され,血液が心臓に向かって押し出される.・・・
  B 呼吸ポンプ:吸息時には横隔膜が収縮して下降するために,・・・腹腔内の静脈から血液がより円滑に胸腔内へと送り込まれる.・・・」
『図説 からだの事典』 朝倉書店
 この二つの文献の用語を結びつけると、次のようになります。

    「筋肉が運動」=「筋ポンプ」 ←「骨格筋」が動くことによるもの
    「呼吸運動」 =「呼吸ポンプ」「横隔膜」の上下動によるもの

≪ 参 考 : 静脈側には、ほかに4つの推進力がある ≫
 「@ 静脈血圧」
 この項には、説明文がありません。これは、ある部分の静脈血が流れると、その前後の血液も流れますが、それを指していると思います。
 C 右心房内圧:・・・これが大静脈から血液を引きこむ力として働いている.」
    このCは、心臓の近くまで戻った静脈血だけに働きます。
 D 動脈血圧
 文献では、この推進力は「A筋ポンプ」に挙げられています。しかし、そこにある「骨格筋の収縮」とは性質が異なりますので、別に挙げておきます。
 上のAと同じ文を引用することになりますが・・・。
  「A 筋ポンプ:・・・骨格筋の収縮や併走している動脈の拍動によって・・・」
上の3引用 『図説 からだの事典』 朝倉書店
 これは動脈の拍動、つまり“脈”によるものです。脈を打つとその周りの筋肉も動き、その中の静脈が細くなったり、元に戻ったりします。細くなると血液が押し出され、元に戻ると流れ込んできます。その繰り返しで、血液が流れることになります。
 この推進力は、動脈と静脈が離れていると、あまり働きません。また動脈が細くなると、力の弱いものとなってしまいます。
 しかし心臓によるものであり、全身に及んでいます。また常に働いています。
 「心臓の力は静脈には及んでいない」と上で述べましたが、CとDがあり、まったくその力が及んでいないわけではありません。
 E 引力(重力)
   「心臓より上、頭や首の血液は引力で自然に戻ってくる」
『からだのしくみ事典』 日本実業出版社


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【6】血液は動かなければ流れない [2007年07月06日(金) ]

≪ 働き方が“異なる”動脈側と静脈側の推進力 ≫
 動脈側の推進力である「心臓」は動き続けており、推進力としては常に働いていることになります。
 しかし、静脈側のそれは、働いたり、働かなかったりしています。
 「筋ポンプ」は身体を動かすことによるものであり、動かさないときには働いていないことになります。
 「呼吸ポンプ」も、腹式呼吸をするときの横隔膜の上下動によるものであり、それがあまり動かない胸式呼吸をしているときは、推進力としての働きは弱いものとなっています。
推進力の詳細は 【5】心臓だけではない血液の推進力 (←ここをクリック) 参照

≪ 血行のポイントを握っているのは、「心臓」ではなく「ポンプ」 ≫
 血液は「動脈→毛細血管→静脈」の順に流れますが、静脈側の流れが悪くなると、当然のこととして、そこを通らないといけない動脈側の流れも悪くなってしまいます。
 血管がつながり、あふれ出ることができないために、そうなります。
 反対に静脈側が流れれば、そこに動脈側から流れ込むことができるようになり、血液は流れることになります。

 この現象は、死の危険性もあるエコノミークラス症候群に見ることができます。
 その原因は、狭いイスに座り続けるなど、「身体を動かさない」こととされています。
  身体を動かさない → 「ポンプ」の働きが悪くなる → 静脈側の流れが悪くなる
     → 動脈側も悪くなる(=血行そのものが悪くなる)→ 血栓ができる →・・・
 この経過は、静脈側の流れが悪くなると、血行そのものが悪くなってしまうことを示しています。

 一方この病は、「身体を動かす」ことで防ぐことができると言われています。
 それは「ポンプ」を働かせ、静脈側の血液を流せば、血行悪化を防止できることを意味しています。
 エコノミークラス症候群は、心臓や身体のどこかに異常がなくても起きてしまうものであり、まさに「血液循環のしくみ」そのものに起因する病といえます。
 また血液は「ポンプ」の働き具合に左右されて流れていることを示す、格好の事例といえます。
 血液は意外や意外、心臓ではなく、「ポンプ」つまり「身体の動かし方」や「呼吸のし方」に左右されて流れています。
 私たちは、このことに気が付き難くなっています。自然な形で動き、呼吸をしているからです。
 しかし、これは非常に重要な点であり、正しく認識しておく必要があります。

≪ 血行は、“意識して”変えることができる ≫
 「身体を動かす」ことや「呼吸」は、共に、意識してそのやり方を変えることができます。ここから、血行は意識して変えることができるものとなります。

血液は流れているものではなく、“意識して”流すもの

≪ 「ポンプ」を活用する ≫
 健康法では、常に働いている「心臓」に目を向ける必要はありません。働いたり、働かなかったりする「ポンプ」にこそ、目を向けなければなりません。
 世の中、血行をよくする食べ物などがよく話題になりますが、「血液循環のしくみ」を活用するものが「本来の血行促進策」だと思います。

健康になるために、これを活かさない手はない


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【7】「リンパ液」の推進力は“唯一”動くこと [2007年07月13日(金) ]

≪ 「リンパ液」とは ? ≫
 「あまり知られていないが、人間の体には血管のほかにリンパ管という管がはりめぐらされていて・・・リンパ液・・・がたえず流れている・・・」
 そのリンパ液は、血液の一部です。
 「リンパ液は、毛細血管から細胞組織にもれ出た血漿がリンパ管内に入ったもの。」 共に 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 以下すべての文字強調は小生

≪ 「リンパ管」と「心臓」とは、直接つながっていない ≫
 「リンパの流れる管。組織に始まり・・・」 『広辞苑』 岩波書店
 身体を分類すると、「身体−器官−組織−細胞」となります。組織は、胃や腸などの「器官」を作っているもので、それ自身は細胞で出来ています。
 したがって、リンパ管の出発点は心臓ではなく、身体の“いたるところ”となります。
 そして、・・・。
 「全身のリンパ管は、しだいに合流しながら最後は一本の管になり、鎖骨下静脈に流れ込む 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 下の2引用も

リンパの流れには、心臓の力は及びようがない

≪ リンパ液の推進力は、“唯一”「ポンプ機能」 ≫
 「リンパ液が流れる動力源になっているのが、筋肉。体を動かすたびに収縮する筋肉に押されて、リンパ管も縮められ、リンパ液が上へと押し上げられるというわけだ」

≪ 担っている役割は、「体内の清掃」と「感染から身を守る」こと ≫
 「細胞間に捨てられた老廃物細胞などを運び去る働きをしている。また、リンパ液には、毛細血管からリンパ球も流れ込んでいて、病原体などの感染から体を守っている
 身体を作る細胞は、人の一生のうちに何度も入れ替わります。ここで言う「細胞」とは、そのうちの役割を終えたものを指します。
 また老廃物とは、細胞が出すもので、人の“便”に相当するものです。

≪ 「ポンプ」を働かせなければ、生命維持も危ぶまれる ≫
 「ポンプ機能」を働かせないと、血液もそうですが、リンパの流れも極端に悪くなってしまいます。
 そうなると、栄養や酸素が細胞に届けられなくなったり、汚物がたまり、体内にいわゆる「環境問題」が発生したりします。また新しい援軍がこないために、病原体との不利な戦いを強いられることになります。
 こういう状態が続くと、細胞活性が失われていってしまいます。

≪ 一般の認識に異議あり ≫
 ところで、「血液は何の力で流れていますか?」と質問すると、ほとんどの場合「心臓」という答えが返ってきます。
 しかしながら、主な推進力を見ると、心臓の力が及ぶのは動脈部分だけです。「ポンプ」の方は、静脈とリンパ管のすべてを担当しています。
 血管とリンパ管をあわせると、担当範囲は心臓の方が狭くなります。
 世の中の認識は、不思議なことに思えます。
 ポンプ機能に、もっともっと目が向かなければなりません。

リンパ液を含む血液の推進力は、一に「ポンプ」、二に「心臓」


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【8】「筋ポンプ」活用法 −“骨格筋”の血行促進 [2007年07月20日(金) ]

≪ 「筋ポンプ」は、“骨格筋”を動かすことによるもの ≫
 「たとえば足首を上下させるとふくらはぎが収縮・弛緩する。この筋肉に押されるかたちで血液の流れができるのだ。」
 この足首を手首に変えると、図のようになります。
 手首を曲げたり反らしたりすると、その動きにつれて、静脈が細くなったり太くなったりします。細くなると血液が押し出され、太くなると流れ込んできます。
 この繰り返しで、血液が流れることになります。

≪ 「逆流防止弁」の必要性 ≫
 「筋ポンプ」は、血管の途中を圧迫したり、緩めたりして血液を流すしくみになっています。これだと、圧迫箇所から血液が両方向に流れることになります。
 そこで、逆方向へ流れないようにするための方策が、考えられています。
 静脈に弁がついているのは、血液が下方に逆流するのを防ぐためなのだ」
 「・・・そのときに逆流しないよう、リンパ管には弁がついている」
上の3引用 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 以下すべての文字強調は小生
 この弁は、心臓のような押し出す力が働いておれば、必要ないものです。
 身体のしくみを見ていると、実によく出来ていものだと感心することばかりです。

≪ 「筋ポンプ」は“部分的”にしか働かない ≫
 さて、この「筋ポンプ」には、その働き方が“部分的”という特徴があります。
 心臓は、それ一箇所が働けばその力は全身に及びます。しかし「筋ポンプ」は、そうはいきません。足首を動かせば足首の辺りに、手首を動かせばその辺りだけに働くというものです。
 したがって、全身の血行をよくするためには、“くまなく”動かさなければなりません。
 『前漢の華佗(カダ)は、百歳になっても青年のようであったとされるが、「・・・諸々の関節を動かし、老い難きを求めた」』 『「気」の不思議』 講談社現代新書

≪ 「ストレッチ」で、“くまなく”動かす ≫
 「ストレッチ」には、二つの効用があります。
1.血行がよくなる
 ストレッチは、動かし終わったところで、しばらく止めるというやり方をします。
 止めている間に、静脈が細くなった方では、血液が最後の一滴(?)まで搾り出されます。また反対側の太くなっている方には、十分に流れ込ませることができます。
2.「筋力」が強化される
 「・・・数秒間じっとしているくらいが、筋力を強め、拘縮を防ぐ本来の目的にもかなう。」 『健康づくりのワナ』 朝日新聞社 下の引用も
 止めていると筋肉が伸びます。それで“伸縮力”がつくことになります。伸縮力は、筋力のベースとなるものです。

≪ 一種類の運動では、“くまなく”とはいかない ≫
 ところで、全身を動かすものに「水泳・テニス・歩く」などがありますが、どれも“くまなく”とはいかないようです。
 「あらゆるスポーツは、・・・訓練を積むほど、脚や腕の動きが効率化して、不必要な筋肉は動かさないようになる。つまり、「まんべんなく」とは逆になる。」
 「歩くという動作は、・・・639個の筋肉のうち、通常は400個ぐらいが使われるといいます。」 『幼稚園では遅すぎる』 ごま書房 文字強調は小生

 かくして、全身の「筋ポンプ」を働かせるための“くまなく動かす体操”は、健康維持に欠かせないものとなります。



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【9】「呼吸ポンプ」活用法 ― “内臓”の血行促進 [2007年07月27日(金) ]

≪ 「呼吸ポンプ」は、“横隔膜”の上下動によるもの ≫
 横隔膜が下がると、“腹圧”がかかり、腹部の内蔵が縮みます。そうなると、その中の静脈も細くなり、血液は押し出されます。
 反対に、腹圧を緩めると静脈が元の太さに戻り、そこに血液が流れ込んできます。この繰り返しで、血液が流れることになります。

 ちなみに、内臓のうち、横隔膜より上にあるのは「心臓」と「肺」です。どちらも、自然な形で動き続けています
 横隔膜の下にあるそれ以外のものは、時々動くか、ほとんど動かないものばかりです。それらを動かすしくみ、それが「呼吸ポンプ」です。
 内臓の“マッサージ”は手ではできませんが、横隔膜を動かせば、それが可能となります。

≪ 横隔膜によるものを、「腹式呼吸」という ≫
 「肺は自分でふくらむわけではなく、・・・」
 「肋骨の動きで空気を吸い込んだり吐き出したりすることを胸式呼吸、横隔膜の動きで起こる呼吸を腹式呼吸と呼ぶが、実際の呼吸は、両者の複合によって行われている」 共に 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社 以下すべての文字強調は小生


≪ 胸式より腹式、それより「呼吸法」 ≫
 呼吸は、肋間筋と横隔膜という二つの筋肉の複合によって行われています。
 横隔膜が動く幅は、腹式の方が広くなります。そして、それより広くするものに「呼吸法」があります。腹圧をかける時間も、少しですが長くなります。
 健康法には、こうした内臓“唯一”の養生法ともいえる「呼吸法」を取り入れるといいと思います。

 私は、次のようにやっています。
1.鼻からゆっくり息を吸う(目標:10秒以上):胸を膨らませ、腹は引っ込み気味
   これで、胸部の血液が心臓へと送り込まれます。
2.十分に吸ったら、口をすぼめ、息をゆっくり吐く(目標:15秒以上)
3.吐きはじめたら、すぐに“腹圧”をかけ、吐ききるまでかけ続ける
 ここで大切なことは、強く・長く腹圧をかけることです。つまり吸うより、吐く方に重きを置くということです。それで、腹部の静脈血をより多く胸部へ送ることができます。
≪ 「呼吸法」は特殊なものでも、不思議なものでもない ≫
1.腹式呼吸の横隔膜の下げ幅を広げ、その時間を少し長くするだけのもの
2.誰もが経験しているもの
 私たちは、赤ちゃんのときに、すでに呼吸法を経験しています。
 赤ちゃんがしていることといえば、次のようなことです。
食べて寝て、排泄をして、手足をばたつかせながら大声で泣く
 この中で「大声で泣く」ときには、腹圧がかかっています。同時に声を出していますから、息は吐いています。まさに、呼吸法をやっていることになります。
 そのほか、「カラオケ・笑い・お経を上げる」なども、同じことです。
 これらは、どれも息を吐いているときに腹圧がかかっています。
3.現代においても研究が続けられている
 「心身医学の臨床でよく使われるシュルツの自律訓練法や、ガン治療に役立てているアメリカのサイモントンが行うイメージ療法(サイモントン療法)も、その方法のベースに呼吸法がある。・・・」 『人のからだは、なぜ治る?』 ダイアモンド社


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【10】「呼吸法」は「防衛体力」強化に必須のもの [2007年08月03日(金) ]

≪ 「呼吸法」は“自律神経”をも活性化させる ≫
 「呼吸ポンプ」の働きを一層よくする「呼吸法」は、内臓の血行を促進するだけではありません。自律神経をも活性化させます。
 自律神経系は・・・主として内臓の働きを支配する神経・・・
 ・・・二つの系統があります。一つは交感神経系、もう一つは副交感神経系です。」 『家庭の健康と医学大百科』 社会保険新報社 以下すべての文字強調は小生

 「消化管を支配する交感神経の場合は、・・・内蔵の近くにあり、「内臓神経節」(腹腔神経節)と呼ばれる。・・・
人間にとって内臓神経節とともに重要な神経節に、「副腎髄質」がある。・・・
 ・・・この二つの重要なリトルブレインは腹中にある。」
『脳がここまでわかってきた』 カッパ・サイエンス
 そこで、次のように述べられています。
 「呼吸をゆっくり深く、吐く息に重きを置いて行うとき、影響を与えることがむずかしいとされている自律神経系のはたらきをもととのえることがわかってきている。」 『人のからだは、なぜ治る?』 ダイアモンド社

≪ 「呼吸法」は「防衛体力」を強化する ≫
 これまでの内容を整理すると、次のようになります。
          
           関与する筋肉      静脈側の推進力    血行をよくするには    適している健康運動
行動体力 : 主に骨格筋  ← 筋ポンプ  ← 全身を動かす ← ストレッチ・歩く
防衛体力 : 主に内臓筋 ← 呼吸ポンプ ← 腹式呼吸をする ← 呼 吸 法
体力と筋肉との関係は 【2】病に対抗する「防衛体力」とは (←ここをクリック)参照

 この図式を説明しているとも取れる文章がありましたので、紹介しておきます。
 西洋式の体操や運動は、運動器官である手足の筋肉をつよくすることにねらいがあるが、自律系の器官との関係は考えられていない。」
 ヨーガや気功の訓練が・・・、むしろ自律神経系の器官の能力を発達させる効果をねらっているということである。たとえば、このポーズは胃腸のはたらきを強める、といったぐあいである。したがって体操といっても、手足はあまり烈しく動かさず、同じ姿勢でじっとしていたり、動作もゆっくり・・・」
共に 『「気」とは何か』 NHKブックス
 この文には「呼吸法」という文字は出てきませんが、それがないヨーガや気功は考えられません。

 呼吸法は、呼吸ポンプの働きをよくし、「内臓」や「自律神経」を活性化させます。そうなると、それらの働きによる「自然治癒力」が、そしてそれが中心に位置する「防衛体力」が強化されることになります。薬を呑まない日が十年、私の経験もそれを物語っています。
 呼吸法は、病に対抗する身体を作るために、なくてはならないものです。
 健康法に関心が高い世の中で、なぜこれが話題にならないのか、一般に浸透しないのか、不思議でなりません。

健康法は、「呼吸法」抜きでは語れない

≪ なぜ「ストレッチ」と「呼吸法」なのか ≫
 私が「ヨーガ」や「気功」ではなく、「ストレッチ」と「呼吸法」にしたのは、型やその順序、呼吸のタイミングなどを新たに覚えなくてもよかったからです。
 それに「ストレッチ」であれば、上の引用文にある「激しく動かさず」「じっとして」「ゆっくり」などにもマッチしています。
 「呼吸法」も動作に合わせて行うのではなく、それだけを単独でやりますが、長く腹圧をかければ、内臓の血行をよくするという目的は十分に達成されると考えたからです。


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