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JAZZ談義(21) [2007年10月18日(木) ]
      レコード初録音に付いて

}以前1917年にJAZZの初レコーディングが行わ
 れた事を書きましたが、でももうこの頃にはかなり盛ん
 にJAZZ演奏されていたにも関わらず、まったくレコー
 ド化されていないのは白人社会から黒人やクリオール
 たちの演奏する音楽として認められていなかったのだ
 と思います。それは白人達の黒人に対する差別、偏見
 蔑視に根ざすものであって初期のJAZZは低俗、卑劣
 な音楽とした受け取り方、見方、無視となっていたと思
 われます。

当時のニューオリンズはアメリカではニューヨークか
 ら見ると一地方都市にすぎず、レコード会社やレコー
 ディング・スタジオが無かった事が、JAZZのレコーデ
 ィングが行われなかった理由の一つに挙げられると
 考えられます。
 またもう一つニューヨークやボストン、フィラデルフィ
 アなど東海岸の文化都市には、ジャズの生の演奏
 がまったく紹介されていなかったらしく、それもJAZ
 Z吹き込みが行われなかった理由とも考えられます
 。

ニューオリンズからシカゴに出た白人ジャズ・グル
 ープがいました。そのグループ、5人組みの”オリジ
 ナル・ディキシーランド・ジャズバンド”こそ、ジャズを
 世界で初めてレコードに吹き込んだジャズ・バンドと
 して歴史に名を残すことになるのですがそのジャズ・
 レコード第1号が黒人ではなく白人によって演奏さ
 れたものだったのです。

音楽としての中身は黒人と白人との混血音楽では
 ありますが、実際には黒人ミュージシアンが創り出し
 たジャズの最初のレコードが白人ミュージシアンのグ
 ループ”オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド” 
 (ODJB)によって作られたのはそう云った時代背
 景があったのだとおもいます。
 この連中は初吹き込み当時はコルネット奏者ニック・
 ラロッカをリーダーとする5人編成で、ラリー・シール
 ズ(クラリネット)、エディ・エドワーズ(トロン・ボーン)
 、ヘンリー・ラガス(ピアノ)、トニー・スパーバロ(ドラ
 ム)といった面々で1916年に編成して17年にニ
 ューヨークに出ました。ニューヨークではレストラン
 などでいわばアトラクションとしての出演でしたが、
 ニューヨーク人にとって初めて聴く噂のジャズの楽
 しさ、迫力がたちまち評判になったのでした。
 ODJBの演奏はただ演奏を聴かせるだけでなく、ヴ
 ォードヴィリアンの芸のような動き、トロンボーン奏
 者は足を使ってプレーするなど、ショウー・バンド的
 な演出がされていました。しかもその演奏には音楽
 としてのジャズの高度なテクニックが巧みに生かさ
 れていてニューヨーク人はこのバンドの演奏を聴い
 てジャズ・ファンになった人が増えたと云われてい
 ます。


その評判に目を付け、長年ジャズを無視してきたレ
 コード会社もその人気を利用することを考えました。
 米コロムビアが名乗りをあげ、レコーディングするこ
 とになったのですが、1月28日レコーディング当日
 になっコロムビアはODJBのオリジナル・レパートよ
 りその時流行していたポピュラーなヒット・ソングを
 演奏するように注文を出したのです。ODJBの連中
 は内心面白くなく感じたと思いますが、渋々その希
 望を入れてインディアナともう1曲日頃演奏してい
 ない2曲を吹き込まされたのです。
 所がコロムビアのジャズが良く分かっていない担当
 者はそのテスト盤を聴いてこれはとても売り物にな
 らないと判断して、これをオクラにしてしまったので
 す。
 月が変わって2月に入りライヴァルのRCAがODJ
 Bに声を掛け、2月26日にバンド側の希望通り日
 頃演奏しているレパートからリヴァリー・ステイブル
 ・ブルース
ディキシーランド・ジャズバンド・ワン=
 ステップ
を吹き込み、そのレコードは3月に発売,
 大ヒットとなりました。
 これらの2曲は2002年頃に発売されたRCA10
 0周年記念集(CD)の中に収められています。
 RCAはODJBを専属として1921年迄に22曲を
 吹き込み1918年3月に吹き込んだタイガー・ラグ
 を筆頭に好セールスを記録したのです。

 尚今回は野口久光氏のジャズレコーディング事
 始め
を参考にさせて頂きました。

 私儀JAZZ談義を2,3ヶ月休ませて頂きます。皆
 々様には 大変お世話になりました。またお会い
 いたしましょう。


 

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