気がつけば、まだまだ本棚には、忘れられたように絵本が何冊かあります。
手にとれば、わあ、なつかしい。表紙は色あせ、ところどころ破け、らくがきさえも。
それでも手放せなかったのは、わたしの「たからもの」だからかもしれません。
そんな愛着のこもった絵本とともに日々の暮らしを気ままにつづります。
ぜひ、あそびにきてください。

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苺のケーキが好きなわけ♪ [2008年05月01日(木) ]
 わがやでは、息子の誕生日にはピザパイ、娘の誕生日には苺のケーキ、とそれぞれの好物でお祝いするのが、いつの頃からか習慣のようになっていました。今日は娘の誕生日。現在は結婚して関西に住んでいますから、なかなか会う機会もありません。ですから、こうして、パソコンで作ったケーキでお祝いしましょうか。

 これを作りながら、娘が苺のケーキが好きなわけに「あっ」と思い当たりました。そう、あれは娘が二歳の冬、手術のために緊急入院したことがありました。明日がクリスマスイブという日でした。クリスマスの翌日に手術と決まり、それならばとの医師のはからいでクリスマスは自宅ですごせることになりました。

 入院したばかりなのに、明日はもう一時帰宅かと落ち着かない気持ちで、付添用の簡易ベッドで迎えた病室でのこと。消灯時間に、ナースが見回りに来て、電灯をつぎつぎと消していきました。それから長い夜が始まるはずでした。

 シーンとした病室に一瞬の間、それから突然、ほんとうに突然、「メリークリスマス」と元気な声が病室中に響きました。「えっ、なになに」と身体を起こすと六人部屋の同室の五人が笑顔で手招きしているのです。「クリスマスパーティよ」と。

 入院したばかりのわたしたちの分も用意されたパーティのメインは、どこから調達してきたものか、白い生クリームのうえに苺がのった特大クリスマスケーキでした。娘は目をキラキラさせて、切り分けてもらった、一番おおきな苺のついたケーキをほおばったことはいうまでもありません。

 深刻な症状の患者が一人もいない耳鼻咽喉科の病棟だからできたことでした。五人のうち三人は翌日に退院を控え、二人はお正月を自宅でむかえるための一時帰宅を控えていたのでした。お祝いとお別れ会を兼ねた全員お寝巻き姿のクリスマスパーティでした。けれども、忘れがたい、なんとステキなクリスマスパーティだったことでしょう。

 電灯を半分つけて、ひそひそ声でつぎつぎとうたった「きよしこの夜」、「ジングルベル」、「赤い鼻のトナカイ」、「聖者の行進」、そして、娘の好きな「キラキラ星」。

 そう、このときの「苺のクリスマスケーキ」こそが彼女のお祝いごとの原点に違いないのです。娘自身も気づいていない無意識の意識。そう、そう、そう、ちょうど、わたしが描いたこんな感じのケーキでしたよ。

 そういえば、同じ時期の個室に喉頭ガンで自分の声を失ったご婦人が入院されていました。年が明けて松の内がすぎた頃に、娘が退院することを知ったその方がわたしたちの病室をたずねていらっしゃいました。そして、「あなたに遊んでもらってうれしかった」と人工声帯でおっしゃって、涙を流されました。

 人見知りをしない娘は、通りかかるすべての人に声をかけ、紙風船で遊んでもらったそうです。考えてみれば、小さい女の子が通りかかるたびに「遊んで、遊んで」と言ったなら、無視できる人は、きっと、いませんよね。

 そのとき、むじゃきに周囲に幸せをふりまく魔法の杖をもったこの娘は、なんて幸せなのだろうと、心にあたたかいものがあふれてきたのでした。

 あれから、二十五年。五月一日のお誕生日おめでとう。心の中に魔法の杖をもちつづけ、ときには、ふってみるのよ。このことを忘れないでね。わたしの心からの願いよ。

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コメント


 けいみょう さま♪ コメントありがとうございます

>前の月のにコメントもおかしいのですが。

いえいえ、そんなことはありません。とても、うれしいです。
このブログをはじめてよかったと思うのはこういうときで
す。忘れていたことがよみがえってきて、かみしめること
ができ、こうしてコメントがいただける。人生三度おいしい
かな。

 そうですね、二歳だった娘、かすかに記憶があるそうで
すが、心の糧となってほしいと願っています。

Posted by:きまま  at 2008年06月03日(火) 07:31

tibeさんのお誕生日おめでとうを見てやってきました。
前の月のにコメントもおかしいのですが。
子供のときにこんな心の小部屋を持った子は幸せですね。
きっとなにか辛いことや困ったことが起きた時に、この心の小部屋が助けてくれることでしょう。
Posted by:けいみょう  at 2008年06月03日(火) 06:53

 のり さま♪

 返信が遅くなり、ごめんなさい
えっと、「ほのぼの」してくださって、ありがとうございます。

ずうっと、忘れていたことでした。ブログを始めて良いこと
は、こうして、むかしの出来事を思い出して、かみしめる
ことができることかな。人生が二度おいしい、なぁんて
Posted by:きまま  at 2008年05月05日(月) 10:54

きままさん、お嬢さんのお誕生日おめでとうございます。そうなんですか、苺ケーキがお好きな理由が分かりました。とってもいいお話ですね!!
ほのぼのとしてきました。 
Posted by:のり  at 2008年05月03日(土) 21:27

 和ちゃん さま♪ コメントありがとうございます

 えっ、ほんとうですか?誕生日が同じって。
なんだか、うれしいな。
月が替わってから生まれたので、義母がわたしと同じ月
生まれねと、とても喜んでくれたのを思い出します。
五月生まれって、なんだかいいですよね。

 はい、この記事を書くに当たって、久しぶりにこのことを
思い出して、幸せな気持ちになりましたよ
Posted by:きまま  at 2008年05月01日(木) 22:57

 ルル さま♪ いつもありがとうございます

 ルルさんも、辛い体験をお持ちなのですね。
だからこそ、現在のルルさんがある!のですね。

 にしても、病室をそんなふうに楽しくするとは、やっぱり、
ルルさんらしいな。
 この頃、思うんです。泣いて生きても、笑って生きても、
結果が同じなら、笑っていようと。まさに、それを実践
されていたのね、ルルさんは。やっばり、ただものでは
ありません
Posted by:きまま  at 2008年05月01日(木) 22:50

娘さんの誕生日おめでとうございます
我が家の孫と誕生日が同じですね
孫は今日が始めての誕生日です

病室でおクリスマスパーティに私も今日参加させていただきました
でもこの一瞬は病気のことが忘れられて良かったですね
なんかホッとしました
Posted by:和ちゃん  at 2008年05月01日(木) 22:25

お嬢様のお誕生日、おめでとうございます〜
病室を無邪気に回る小さなお嬢様は、
きっと皆のアイドルだったのでしょうね〜

私は結婚前に腎臓の手術で1ヶ月入院しました。
術後は全く動けず、若い時でしたので、外と遮断された監獄にいるような感じにイライラを募らせましたが…その内に…病棟の色々な方とお友達になり、病気と闘う方の苦しみを垣間見、1人1人の命の重さ分かり、手足が動く事に感謝し…、
貴重な入院体験を正面から受け止め、それを生かそうと思う余裕が出てきました。

それからは…私の病室(個室でした)を母に飾ってもらい…赤いタータンチェックのテーブルクロスを殺風景なテーブルに掛け、家のお人形さん達を横のソファに座らせ、いつも紅茶セットを用意し…同じ入院患者さんと、看護婦さんと先生達の、サロンのようになり、いつも誰かが来てお喋りしていました。先生達も、こんな事した人は病院始って以来とビックリされましたが、それを温かく見て下さり、又楽しんで下さいました。30年以上経ちますが…今も良い思い出です。
Posted by:ルル  at 2008年05月01日(木) 16:09

 賢 さま♪ こんにちは

 賢さんが、どなたにも優しいのはこういう経験をなさった
からなのすね。病を得ることは、決して楽しいことではあり
ませんが、こうして励ましあうことが出来るのは、うれしい
し、支えにもなりますね。
 こちらこそ、よいお話しありがとうございました。 
Posted by:きまま  at 2008年05月01日(木) 12:33

良いお話ですね。
同じ病室、病院での出会いは絆が生まれますね。

亡き父が1年半入院していたのですが
(母親は付き添いで)
殆ど毎日通っていました。
他の付き添いの方誘って銭湯行ったり。
たまに母親に弁当作って持っていってやったり
回りの方が吃驚してましたね。
22歳の頃でした。
病室が家族的な雰囲気でしたね。
そこが自宅みたいに。
Posted by:  at 2008年05月01日(木) 11:28





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