祭り前は変哲もない田舎町だ。嫌いではない雰囲気。
4,5月は祭りの多い時期である。
このあたりでは続けて山笠がある。
「山笠があるけん、博多たい」というが、なにも博多だけの専売ではない。
田川郡糸田町の祇園山笠が5月10,11日にあった。
【近くの行橋市の今井祇園の流れをくむこの祭りの起源は、京都八坂神社の祇園御盆会にあると言われ、1700年頃からの伝統行事とされている】
高さ6メートル・重さ2トンあり、2本の担ぎ棒を藤カズラで屋台に縛り付けた担ぎ山笠。屋台の上に合戦場面を演ずる勇壮な武者人形を乗せ、城郭や城壁を桧の葉や若竹で摸すなど、その飾付けは豪華絢爛にして迫力満点だ。飾り山笠を担いで鉦と太鼓のリズムに合わせ、独特の掛け声「エンヤヤッサ・コラヤッサ」とともに町内を練り歩く勇壮な祭りだ。
40人から50人の屈強な若い衆ー確かに若くはあるが、中には頑丈とは言えないタイプも混ざっている。だが勢いとは恐いもので、汗だくになりながら押したり引いたりしている姿を見ると、みんな頼もしい。
引く組が“エンヤヤッサ・コラヤッサ”と声を上げ、後の押し組はそれに応える。
山車の上の若者が音頭を取って、アドリブで笑わせる。
エンヤヤッサ・コラヤッサ
(エンヤヤッサ・コラヤッサ)
糸田の町は 良いとこバイ
(糸田の町は 良いとこバイ)
エンヤヤッサ・コラヤッサ
(エンヤヤッサ・コラヤッサ)
花園ラーメン うまかバイ
(花園ラーメン うまかバイ)
ときにはスポンサーの宣伝もするが、ネタがなくなると、
エンヤヤッサ・コラヤッサ
(エンヤヤッサ・コラヤッサ)
そこのネェちゃん イッ○ツやらせんね
などとえげつなくなる。
これも怒鳴り声と汗に紛れて祭りをつくりあげる大きな要素になっている。こんものでもなければ面白くない。とにかく茶髪の兄ちゃんたちにかかっている。そんな勢いがあった。
筑豊では、
直方祇園山笠(直方市)
飯塚祇園山笠(飯塚市)
川渡り神幸祭(田川市)
八屋祇園(豊前市)
中間山笠(中間市)
春日神社例大祭(宮若市)
日吉神社祇園祭(宮若市)
いなつき祇園山笠(嘉麻市)
岡湊神社祇園山笠(遠賀郡芦屋町)
東黒山祇園山笠(遠賀郡岡垣町)
老良祇園(遠賀郡遠賀町)
島津の祇園祭(遠賀郡遠賀町)
糸田祇園山笠(田川郡糸田町)
苅田山笠(京都郡苅田町)
とあり、地域ごとの特徴が結構はっきりしている。
そもそも祇園山笠は、巡行することで集めた厄を祓うという意味で執り行われるらしいが、単なる年中行事としても地域にもたらすものは大きい。
‘祇園’と聞くと、京都の舞妓さんを連想するが、本来は「祇樹給孤独園(ぎじゆぎつこどくおん)」の略で、祇園精舎は【 (梵) Jetavanavihra
須達(しゆだつ)長者が釈迦とその弟子に寄進した寺。中インドの舎衛(しやえ)城の南に旧跡がある。もと祇陀(ぎだ)太子の林園で、須達長者を給孤独(ぎつこどく)とも呼んだことから、祇樹給孤独園、略して祇園という。祇陀林。逝多林(せいたりん)。給孤独園(ぎつこどくおん)。】とある。
とにかく、どぎつい法被をまとい大声で喚き、酒をカッ喰らって憂さを晴らせば、楽しい祭りである。
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