想い込み老い人は言ったものだ
「豚カツとコーヒーか、
旨そうかな不味そうかな
どっちかにした方が・・・」
‘COFFEE and とんかつ’
ひとみちゃんがつくるんだろうか
ひとみさんだろうか
ひとみ!だろうか
きっとたれ目がぱっちりした
ぽっちゃり型の顔だ
勝手に想い込みが
どんどんふくらんで
風船になって
喰ってみなくっちゃあと
開店しているのかどうか
札が出ているのかどうか
確かめようにも
青い車が邪魔で見えない
スポーツタイプの青い車は
ひとみを隠して
一人占めにしようと
見えないようにして
老い人は背伸びをしたが
薄汚れたむなしい壁の色から
きっとやってはいないと
勝手に判断した
面倒だから
青い車が邪魔しているからと
やっていないと決めてしまった
ほんとうは
‘ひとみ’は寝ていた
土曜日の朝八時に
まだ寝ていたんだ
この頃ずっと寝ているんだ
色を見る目が落ちてきて
くすんだ自分を壁に映して
老い人は
また想い込む
刻んだ沢山のキャベツと
豚カツの形と
小じゃれたカップのコーヒーと
大盛りご飯
もうそれしかない
青い車はいつまでも動かなかった
Posted
at 08:18
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違う風景が現れるのではないかと思う次第であります。