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炭坑はよみがえるか? 再生のシンボル[2008年05月04日(日) ]


♪月が出た出た の炭坑節で“あんまり煙突が高いので さぞやお月さん煙たかろ”と唄われた二本煙突は、今でも筑豊地方のシンボルである。
去年3月で完成から100年経つので傷みがかなり激しく、煉瓦や繋ぎ目の劣化で剥がれて落ちる危険な状態になった。高さ45メートルは26階建てビルに等しく、台風や地震による倒壊の怖れが出てきたのだ。また、旧三井田川鉱業所伊田竪坑櫓と同第一・第二煙突(二本煙突)が、この年の10月2日付けで、正式に国登録有形文化財(建造物)へ登録されたこともあり、田川市は厳しい財政状態ながら、去年10月に全面的な補修に取りかかった。
【竪坑櫓と二本煙突は、現存する明治期のものとしては全国でも最大級の規模を誇り、登録基準である『国土の歴史的景観に寄与しているもの』に該当するとして、高く評価されています。田川が誇る筑豊炭田のシンボルであり、全国的にも貴重な産業遺産です。
なお、当該文化財の正式名称および概要は、以下のとおりです。
■旧三井田川鉱業所伊田竪坑櫓 1基(登録番号:40-0051) 
 【構造】鉄骨造    【竣工年】明治42(1909)年
■旧三井田川鉱業所伊田竪坑第一煙突  1基(登録番号:40-0052)  
 【構造】煉瓦造   【竣工年】明治41(1908)年
■旧三井田川鉱業所伊田竪坑第二煙突  1基(登録番号:40-0053)  
 【構造】煉瓦造   【竣工年】明治41(1908)年』(田川市石炭・歴史博物館)

早速煙突の周りを囲む足場が組まれた。まるでツインビルのようで、これはこれで面白い風景をつくっていたが、作業は無事に終わって、今年5月早々に足場が外された。

はからずもこれと並行して、松原地区にあった旧炭住の住人も4月末で新しい団地に移り住み、今は無人である。よくぞ今まで我慢を重ねて住んでいたものだと思うほど朽ちている。早々に立入禁止の札が棟毎に貼られたが、名残を惜しむ人々が結構訪れている。

最近、北海道で露天掘りをしている石炭が、発電用の需要を満たしていると言われている。2005年当時、年間消費量1億7707万トンのうち99%以上が輸入されていた。国内採掘量はたったの125万トンである。だが、原油の高騰やオーストラリアの採炭量が水害で落ち込んだことや、中国の輸入が増えてきたことから、1トン13000円と高くなり、北海道のトン当たり10000円の価格が見直されてきたのだ。
北海道電力では道内炭坑に増産を要請し、これまでの2倍に当たる年間100万トンを購入するという。このコスト安に、製鉄、製紙会社などが注視している。問題は要求される増産体制がすぐには出来ないことだ。
ならば筑豊ではどうだろうと、つい考えてしまう。無論かなりの資本投資が必要で、インフラだけでも多くの時間もかかるだろう。これはやはり国家的なプロジェクトで取り組まなければならない。また、環境の面でも石油よりCO2の排出が増え、技術開発は欠かせまい。技術に生きる日本としてはなんとしても、石炭のガス化および液化を実現して欲しいものだ。
これまで九州で生産された石炭の総量はおよそ16億トンで、埋蔵量としてはまだ80億トンが残っていると見積もられている。
では世界的にはどうなのか。
IATAや「BP統計2004」によると、石油の可採年数は41年、天然ガス67年、ウラン61年である。そして石炭はあと約192年といわれる。エネルギー資源としてはまだまだ採れるわけだ。

煙突が装いを新たにし、炭住が3−5階建ての洒落た団地に生まれ変わった。高齢少子化はやむを得ないが、せっかくの資源を眠らせておく手はない。年はとっても、おいちゃんおばちゃんはまだまだ背筋はピンと伸びている。筋もピンと入っている。貧しくてカップ酒を惜しむように飲む日々であっても、川筋気質は生きているのだ。二本煙突のようにシャキッとしているのだ。条件はそろっている。蘇らそうではないか。再生しようではないか。



Posted at 17:01 | 日記 | この記事のURL
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