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息子と未婚 [2007年05月14日(月) ]
久しぶりに息子が来た。
だいたい盆正月の2回だが、ここ3年ぐらいはもう一度フラッと来る。それも連休が終わった頃だ。なにも東京大阪に住んでいるわけではない。福岡県内の飯塚という隣町だ。
こいつは一度座り込んだら結構長っ尻だから、カミさんはあんまり歓迎しない。といっても3時間ぐらいメシを喰って近況をとりとめもなく話すだけだ。
今回も16日間の東北方面バイクツァーの報告のようで、大間でマグロを喰ったの桜がすごかっただのとケータイの写真を見せたり、土産のキリタンポの説明をしたり、38才の独身男が似たような男3人と1000ccのバイクで3000キロ走った話がどれほどの興味を親が持つかなどの斟酌はなく、買ってきた南部焼きの風鈴をチリンチリンと鳴らしながら得々と長々と・・・。
来ないより来た方が安心するし、溜まっていた文句の整理もできるとカミさんは言う。そろそろ「いい年をして」といわれる年令でもある。体型そのものはそれほど崩れてはいないが、小腹がポコッと出っ張ってきている。何故結婚しないのかと訊いてもはっきりした返事がない。晩婚が進んでいる世の風潮を思うとき、やはり先ずは面倒くさいのだろう。親や周囲の既婚者を観察して、亭主になったときの様々な制約が嫌なのかも知れない。
私の年代は「同棲時代」などとも言われていた。「神田川」のちょい先の年代である。都会の片隅で、貧しいながらも懸命に生きている男女が惹かれ合い、同じ場所に住んで、式のない結婚を経て、慈しみ合いながら徐々に生活をつくりあげていく。互いの条件といえば、先ず愛があった。計算や義務感より、必然としてそこに結婚があった。今の人間から言わせれば幼稚なのかもしれない。恐いもの知らずなのかも知れない。だが、不思議なほど自然の流れがあった。
晩婚または未婚の増加は、男女とも結婚にともなって生じる様々な義務や制約を束縛と捉えるところにあると思う。だがそれも当然かもしれない。意味や意義より、ちょっと先を見れば危うい年金制度と増税、離婚率の高さ、大変になってきた子育てなど重い現実が横たわっている。勝ち組負け組と分けられ、格差が当たり前になってきた。規制緩和と聞こえはいいが、弱者をどんどん切り捨てるシステムでもあるのだ。社会主義とは言わないが国民がそれを選択(自民党政権)しているのだから文句も言えまい。加えて優秀なのか馬鹿なのか解らない役人が考え出す手前勝手な行政である。先が見え見えのご時世に、孫の顔を見せろと無責任に言えない。ひとり気楽に暮らせるのなら、それはそれでいいと思うようになった。但し、老後に来るひとり身の淋しさや生活費にはしっかり対処しておかないと「アリとキリギリス」の話と似たような境遇になる。先ずは気持ちの持ちようかな。
ひとしきりしゃべり、「あした会社に行ったら机の上には書類の山、メールの山」とブツクサ文句を言いながら帰っていった。
カミさんは「なによ、母の日なのに花も持ってこないなんて」と愚痴っていた。明日にでも子供の代わりになにか旨いものを喰わせてやるしかあるまい。毎年のことである。
あーあ、わたしなんざカミさんから誕生日まで忘れられて、父の日なんてあった試しはないし、やっぱり結婚は止した方がよかったのかなと僻むしかない。

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