田んぼがさみしくなってきた。
9割以上は刈り入れが終わって、切った後の稲株からは‘ヒツジ’と呼ばれる2回目の稲が出てきている。かなり青々したものだ。
これについて知り合いのお百姓さんに訊いたことがある。ヒツジが育つと小さいながらも穂がつくが、食するほどにはならない。なら、農産試験場に頼んで「二次育米」とでも名付け、なんとか喰えるようにしてもらったらどうかと提案したが、冷たい一瞥を返されてしまった。素人の安直な思いつきはアタマに来るらしい。いまだに結構イイと思ッているのだが・・・。
刈り取った後、早々に耕される田もある。そこには沢山のツチガエルが、本当に土の色そっくりに、イボイボをいっぱい付けて飛び跳ねていた。お世辞にもきれいとは言えないが、これも人間の身勝手で、蛙にとっては「大きなお世話」だ。これから土中で一冬を過ごして、来年また啓蟄過ぎには日だまりのなか、ひょっこり顔を出すのだろう。
彼岸花がそちこちに数本のかたまりになって咲いている。畦道の脇にはこぼれるばかりに球根がはみ出ていた。「これって毒だよね」と、何故か目を細めながら周りを見回してしまった。事実かどうかはともかく、イメージがあまり良くないこの花への偏見かも知れない。心休まる秋の風物詩なのに、自分ながら呆れた奴だ。だからか、稲株に足を取られて、思いっ切りひっくり返ってしまった。
そんなわたしをじっと見ている。案山子だ。見ているかどうか、目鼻のないのっぺらぼうだが、やましい人間には凝視を感じるらしい。
午後2時の田んぼは、やたらと陽射しが強かった。
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at 05:53
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