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寒かったなぁ [2007年12月07日(金) ]


久しぶりに福岡市へ行って来た。
最近はなにかないと滅多に行かなくなったが、「もののついで」があると出かける気持ちになるものだ。
テレビ朝日系列の九州朝日放送(KBC)で、テレビ・ラジオの視聴者が10人ほど集まって、あーでもないこーでもないと話し合おうではないかとお誘いがあった。しかし、ウィークデイのam9:30からとは少々驚いた。
バスの到着時間を逆算して7時に出ようと車を見ると、窓がすべて霜に覆われ、真っ白けである。なんとまあ、今朝に限って初霜ときた。あわててヒーター全開にして、適当な液体をぶっかけて拭きまくり、運転できるまで結局7,8分かかった。
この頃車での遠出はしなくなった。方向音痴に加齢、そのうえメンドクサイとくれば公共の交通手段がいいに決まっている。
7時20分のノンストップに乗り、福岡のバスセンターに着いたはいいが、寒さもあって右足の調子が悪く、細い血管が縮まって、完全にブラブラ状態になっている。まともに歩けるなら100円循環バスで二つ目の那の津口停留所だが、乗るところへ行くのもままならない。仕方なくタクシーに乗った。
運転手と世間話をしながらも、迫り来る現実をなかなか認めたくない自分がある。第三の目で見ておのれの歩く姿を想像するに、一歩あるく毎に歯を食いしばっているに違いない。事実の冷酷さをどう受け入れようかーその時人々はそれの脚色や演出を必ず試みると思う。だが事実の棘はそう簡単に抜けるものではない。むしろ更に深く突き刺さっていくこともある。“生き様”という言葉はあまり好きではないが、そこに関わる事柄かもしれない。

KBCの出入り口は円形の自動ドアで、さっぱりしていた。
先ずはスタジオ見学から始まった。わたしはこういう時、天井を仰ぎ見る癖がある。床上はカメラや洒落たデスク、大道具などで埋め尽くされ、いっとき目を奪われるが、それらは照明によって効果が加減される。だからどんな具合になっているのか先ず気になるのだ。見慣れている「アサデス。」が始まる5分前のスタジオは活気というより『おーい、今日も気楽に行こうぜ』雰囲気で、特に人気の徳永玲子さんが小走りに来て「オハヨーゴザイマス」の挨拶にはびっくりした。ついでに30センチのところで横顔を拝したとき、目尻に小じわがあって親近感が増した。誉め言葉と受けとめて欲しいが、口に出すべき事ではないくらいの節制はあるので、「いつもお元気そうですね」と返礼した。
男性アナが現れ、女性たちは沸き立った。嫌味もそつもない30代イケメンである。
ADが「本番まで後1分です」と言っても二人とも平然としており、「30秒前」で広報の人に背中を押されて、やっとポジションに落ち着いた。毎日のこととはいえ大したものだと感心してしまった。
カメラが3台動いていて、しゃがんでいる人は始終「あと5秒」とか「10秒」と喚いている。これはCMやら切り替えやらの指示が2階の副調整室から来ると説明があった。ふーん、まさに時間の切り売りだ。昔のテレビはよく「少々お待ち下さい」という空きがあったが、1秒なんぼの計算ではあるまいか。
スタジオではいつも不思議な感覚になる。賑やかに繰り広げられる様々なニュース伝達やコメントが、それなりのキャリアを経た人達によってテンポよく伝えられる。バックのセットは発泡スチロールが味のある岩になり、カメラを反転させれば別の番組セットを見ることができる。軽くて移動の簡単なつくりは芝居にも共通している。
直に見る感じとカメラを通した映像とでは別物と思った方がいい。セットを作る場合の第一の心がけに、カメラと照明からのイメージをつかむ必要があるのではないか。
現場には必ずスタイリストとメイク係がスタンバイしていて、おかしな事になったときにはサッと直すそうだ。
舞台裏の面白さは、茶の間で観られないいろいろな前提があり、そのギャップに驚きもする。
指示を出す副調整室は緊張感がある。
いくつものモニターで出来具合や進行度を判断していく、チョンボが許されない凝縮した時間帯の中にいるようだ。
その点、ラジオ放送はあっさりしたものだ。スタジオと調整室はガラス一枚で仕切られ、
スイッチ一つでオンエア又はオフ。設備も簡単で音声の調整はあるものの、音だけの世界である。しゃべりまくる人は大変そうだが、タレント性を求められるならテレビよりラジオの方が鍛えられそうだ。身振り手振りで誤魔化せず、すべてを言葉で表現する大変さは奥深い。
テレビもラジオも脚本めいたものはないそうで、大筋のメモに沿って自分が蓄積した情報や知識でしゃべるそうだ。話の流れや時間の計算も自分の才覚である。NHKはかなり細かいスクリプトがあるが、民放にはないと以前聞いたことがある。どちらにせよ、好きで一定の才能は欠かせまい。

そんなこんなで見学が終わり、テレビとラジオの制作編成担当者二人が中心になって、お話会が始まった。希望やら文句やら過程に自慢と、双方討論した後、昼飯になった。
近くの岩田屋デパートの弁当だ。食べながらまわりの人とおしゃべりし、午後1時に散会した。出演者らの撮影は禁じられたので叶わず、あまり面白味のない裏舞台の写真で終わった。
外は相変わらず木枯らしがピューピュー吹き、櫛田神社へ行こうとしていた気持ちが萎えてしまったので、早々に帰りのバスに乗ったーという、実り有無が付けがたい久しぶりの博多だった。





Posted at 13:20 | 日記 | この記事のURL
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