どこでもそうだろうが、商店街と呼ばれている通りがめっきり淋しくなった。
ウィークデイの昼間は何故か黒づくめのお婆さんが多く、通路にはみ出した回転式ハンガーにたかって、ここでも黒っぽいバーゲン衣服を選んでいる。
少なくとも半分以上はシャッターを下ろしており、未練たらしく開けていても半開きで、(どうせ売れないよ)だったり(来たければおいで)と拗ねているように見える。
アーケードで空き地は珍しく、棟続きかと思ったらそうでもないらしいいが、ここはどう使うんだろうと他人事ながら思ってしまう。
「閉店のご挨拶」
終戦直後開業致しました“山田”に対し六十年間の長期に亘る御支援御愛顧を賜り感謝致しております。
この度当方の勝手な都合により閉店致すことと致しました。
皆様方に対し心より厚く御禮を申し上げる次第です有り難う御座いました。
角ッこのこの小さな飲食店は、3ヶ月前は確かに開店していた。うどんにぜんざい、鶏飯のおにぎりと太巻きを小さなウィンドウケースで見たことがある。
想像するに、年老いた夫婦が体を悪くして、仕方なく閉めたのではないか。切ない思いで使い慣れたまな板や包丁を仕舞い、調理場を隅々まで掃除し、翌朝起きて商売を辞めたことに気付いてハッとする。こんな繰り返しが何回かあったに違いない。
そう言えば母方の家は駅前食堂を営んでいた。記憶は5才までだから確かではないが、今でも昔風の食堂を見ると感触が懐かしく蘇ってくる。
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at 05:19
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