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自撮像 [2008年01月03日(木) ]


自画像ならぬ自撮像は面白い。
週に1回ほどしか鏡の中の自分を見ることがない。髭は電気カミソリで顔をなで回し、手で剃り残しを見つけている。髪は2,3度、起きたときにブラッシングする。週1回のご対面は、安物の電気カミソリなので首あたりに残ってしまうのを安全カミソリで剃るときである。
くどくど説明したが、正直に言うと鏡を見るのが嫌なのだ。自分が持つ像との隔たりが年々広がり、顔にイメージを合わせられない。先ずは弛みである。顔全体を上から下へローラーをかけた結果、目尻や頬、首がでれーっと垂れ下がっている。筋力が重力に負けだした事実が残る訳だ。
特に瞼の下の弛みは、目鼻口以外に新しい部品が出来たようで情けない。
すべては加齢と不摂生が積もったものなので、文句は自分以外に言えないが、眉毛と結びついた円形はまさに狸である。
こんなことを言いながらも、もし整形するかと訊かれたら、ふざけ口調で「no thank you」と断る。
自撮像を見ながら気をつけなければと思ったのは“歯”の周辺だ。だんだん噛み合わせが悪くなり、口の右端が下がりつつある。頭はてっぺん以外はまだ良いようだが、毛が糸より細く、なんとも情けない。洗髪したあとはドライヤーを使ったこともトニックをかけたこともなく、タオルで拭いたままほったらかしが悪いのかも知れないが、今更変える気もない。
67年付き合ってきた顔だ。嫌いなときもあるが愛着はある。自分の顔を自分が嫌がっても誰か褒めてくれるわけでもないし、いじいじしていても得はないし、ジジィとしての覚悟を決められない中途半端を指摘されるだけだ。

こんなことを書いていたら、掃除するからしばらく出ていろとカミさんが言ってきた。わたしの都合など訊かれたためしがない。無視していたら周りから徐々に責めてくる。ではと、近くの公園へ出かけた。桜の枯れ木が久しぶりの青空を背に浮き出ている。
どこからか「コッコッコッ・・・」と規則正しい音が聞こえてきた。よく見ると2羽のコゲラである。幹の上の方で一心に木肌を突っついていた。縞模様の小柄な体を固定してトンガリくちばしを上下させ、中の虫を掘り返しているのだろう。10秒ずつ移動しながら「コココココココ」。メジロのように始終周囲を気にすることなく、カメラにも無関心に朝飯の最中というところか。カミさんに追い出されなければ会うこともなかった。

久しぶりの晴れ間は清々しかった。







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