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豊岡を訪ねて 4 〈目的2〉 [2008年02月22日(金) ]


宿泊先のホテルのページを見ていたら面白そうなイベントを見つけた。
万葉の和歌を現代風に歌い上げる「岡本三千代と万葉うたがたりコンサート・万葉の春ー草木花を歌う」だ。これは滅多にあるものではない。正直、万葉和歌を理解する能力はまったくない。しかし、万葉言葉でどんな風に歌うかとなると興味が沸々と湧いてくる。すぐネットで申し込み、2番目の目的にした。

万葉を現代のポップス調にのせて歌うという
試みは20数年前から行われたと、会場で買い求めたCDの解説にあった。
CDのタイトルは、
「岡本三千代作品集 恋歌5」で、[しただみわらべうた」「越中三賦ー序奏、二上山の賦、布勢の水海を遊覧する賦、立山の賦」が入っている。

演奏のプログラムは、
*サンバ DE ツバキ
巨勢山の
  つらつら椿 つらつらに
  見つつ偲ばな 巨勢の春野を
(巨勢山の多くの椿よ、今は秋景色として見ているが、春の椿の満開の巨勢の野を賞美したいものだ)

*もうすぐ春
石激る 
  垂水の上の さわらびの
  萌え出ずる春に なりにけるかも
(岩の上をほとばしる滝のほとりのさわらびが、萌え出る春になったなあーかな?)

といった項目一覧は、
*梅の園
*花ごよみ
*家持爛漫
*散りな乱れそ
*春秋競憐歌
*花咲く少女たち
に分かれて、それぞれの詩歌が選ばれている。
メンバーは写真右から、
岡本三千代ーエレクトーン
大岡美佐ーヴォーカル
園田知子ーヴォーカル
木原三知子ーフルート
山寺寿子ーピアノ
の5人で、平均40才代と思う。

ポップス系音楽のポイントは「ビート」に尽きると思う。8ビートや16ビートの心地よさは、自然にからだが動き、わたしのように音痴気味であってもリズムを楽しめる。それにフワッと万葉の詩がかぶさり、透明な歌声(芹洋子風)が流れる雲のように会場を漂い、間をぬってフリュートの不思議な柔らかさが包み込んでいく。面白い感触だった。
ヒップホップするわけでもなく、聴く限りではべらぼうな冒険ではない。和歌とて謳いあげるもので、そのリズムが底流にある気がする。今回聴いた限りでは女性ばかりだが、岡本さんの活動を初めて知ったところなのでなんとも言えない。まだまだ試すバリエーションがある気がする。
メンバーの衣裳は、飛鳥時代の色彩なのか、派手さを押さえた節度のあるソフトな雰囲気が、柔らかな素材から生まれている。
万葉うたがたりのページは、
http://nukata.jp/index.html
ラストナンバーは参加者共々「千の風になって」を歌って締めくくられ、1時間のコンサートは終わった。



岡本三千代さん


偶然にも、同じホテルで「万葉花」の展覧会が催されていた。
http://www.izushi-ngh.jp/event.htm#
そこでは、写真ー岡田憲佳氏、文ー矢富巌夫氏による「万葉歌 植物編」という文庫本が売られていた。発行所はニッポン・リプロで、初版の1996年から5版を重ねている。
1ページに万葉の詩にちなんだ植物のカラー写真、植物の説明、歌意、出典・作者、注釈
が載っている。特に《注》は興味深く、丁寧な説明が、より詩の楽しみを引き出す。「動物・風月編」も出版されている。

Posted at 11:46 | エッセイ | この記事のURL
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