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春を想って [2008年02月08日(金) ]


早朝は寒い。
何時に起きたら早起きというのか知らないが、最近のわたしには午前3時前後に布団から出ることをいう。
そうすると温度の変化が皮膚感覚で判り、早朝は「寒い」になるのだが、起きたときはそれほどではない。
3時に起きてパジャマの上からユニクロのフリースを着て炬燵に入る。この時はさほど寒さを感じない。ストーブは点けない。というより、部屋にない。だからマウスを扱う右手が冷たくなり、時々さすって暖めている。
4時頃になると空気が一段と冷たくなる。それこそ深々と冷えてくる。徐々にヤグラの中にもぐり込んで、布団を肩までかけ、手を口に当ててハァハァしながらキーを打つ。当然吐く息は白く、ワッカを作って遊んだりもする。
電気ストーブもファンヒーターもない。ここ数年、押し入れから出たことがない。カミさんは、灯油を燃やすと結露が出来てカビが生えるという理由から、どんなに寒くても使わない。それなら何故エアコンはカバーされたままなのか。要するに二人ともあのムッとした暖気が嫌いなのだ。
4時から5時にかけて霜が出来るのか、最も寒くなる。
子供の頃はもっとそれを実感していた気がする。隙間の多い木造家屋は良くも悪くも通気性があり、雨戸の節穴から朝日が洩れ込んでくる頃、モメン綿の重い布団の中で身を縮込ませて、今日はなにをしようかと考えたものだ。
寒さは気を萎えさせるときもあるが、やはり冷気は凛としているべきで、身の引き締まる冬のビンタでなくてはならない。
なにをしようと2月が過ぎなければ、春は匂ってこない。透明な季節からやや陽気で濁る時季が待ち遠しい。

春はほこりっぽい。
中国からの産廃付きの黄砂などと色気のない現象ではない。日本に昔から在る春のほこりのことだ。先ずは“春霞”の現象。コントラストをうんと弱めて、なんでもホワーンとしてしまう。「まあまあ」となだめるのが得意な丸い人だ。それから、桜花の薄桃色が地面を覆う。これは少し大きなほこりになるかな。花見酔客の礼儀を知らないカラ弁当や空いた缶ビールは春のゴミともいわない。人間がひねり出したカスである。
そういえば、先駆けて川原を埋め尽くす菜の花の花びらはどうなるのだろう。いつの間にか小さな実を付けているので見届けたことがない。そんな余計な詮索は、春には用がないか。
どうでもいいけど、2月よ、早くいっちまってくれ。

Posted at 14:45 | 生活 | この記事のURL
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夕暮れのマロンケーキ [2008年02月06日(水) ]
バスを降りて
小雨を避けて
走って入ったケーキ屋さん
あなたの好きなマロンがあって
電話をしたらいらないといわれて
それなら
苺ケーキでいいと
買ってまた走って

何故買ったの
そんなの分からないと
たった一個のショートケーキを
250円の甘いかたまりが
おもりの重さで
何故何故と
腕にぶら下がって

あなたのマロンを
あなたの口で食べたら
あたしはこんなに
苺を抱えて走りはしない
あなたを抱えて滑ったりしない

雨が雪に変わって
夕暮れのさみしさが
あたしの足を止め
苺を凍らせていった
マロンの代わりの苺
あなたの代わりのあたしに
煙った薄い陽が
弱々しく話しかけてきた

さようならマロン
これからは
ケーキ屋さんであなたを
さがしはしない
見つけたら
そのとき凍るの
あたしの苺ケーキと一緒に
冬の夜間近に
凍って
凍って さようなら
 

Posted at 05:10 | | この記事のURL
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免許更新で [2008年02月04日(月) ]
今日、免許更新に行ってきた。今月で68になり、いよいよ高齢高齢と連呼される流れにどんどん流されていることを自覚する行事である。
ここ5年間はシートベルト不装着も駐車禁止もなく、無事故無違反の結果ゴールドカードになったが、70才からは自動車教習場で適性試験を受ける義務が課せられる。75才からは認知症の有無も診断され、あの枯れ葉印と悪評の高齢者マークを車体に貼り付けなければならない。アレはどう見ても年寄りの大粒涙状で、透明な若い涙がポロ・・・から遠く離れて、なんとも言えない憂鬱を誘うデザインであり、トドメを刺すドドメ色である。

小雨降るなか駐車場に停めて、クネクネと曲がりの多い60段ほどもある階段を昇ったところに試験場がある。
窓口で2700円払って、収入印紙貼付の申請書を出せば、あとは9時を待って開始を待つばかりである。以前は申請書にも写真が要り、もっと面倒くさかったが、かなり簡略化されてきたようだ。
相変わらず交通安全協会が金集めをしていた。なにをやっているのか分からない警察関係退職者に、何故2000円も寄付しなければならない。下部組織ではあるが天下り団体である。視力検査が終わり写真撮影が終わった。更新者は違反の有無や内容で講習コースが違うが、その案内を協会の職員が受け持っている。ヤケにへりくだった姿勢で、「あなたはゴールドなので、2階の3教室になります。ご案内しましょう」ときた。手を揉みながらの姿勢は、どこか旅館の客引きを想わせる。5年前とはかなり変わってきた。
優良運転者ということで講習は30分で終わった。
これで、生きていれば72才までは来なくていいことになる。前は確か2年おきだったと思う。
町を走っていて、やはり高齢者ドライバーが目につく。まわりに気を配ることなくノロノロと方向指示もしないで、それでいて自信満々という始末の悪さが気になる。若者に限らずキレる老人が増えていると云われるが、日本全体がそんないやらしさを漂わせている。カルシウム不足の問題だけではなさそうで、先が見えない不安と現実の貧しさ、存在感が確かめられない苛立たしさなのだろうか。

Posted at 18:37 | 日記 | この記事のURL
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澱み [2008年02月03日(日) ]
よどんで どんどん
よどんで どん
歳を喰って時間を喰って
喰い滓が溜まって
ノートに貼り付けて
‘自分の歴史’と
わたしは堂々と
言う自信がない

それは
よどんで どんどん
よどんで どん
書き連ねるには
あまりも粘りっこく
黒褐色の底が
メタンの世界で
上澄みながら灰色の
濁りがあぶくで動いて

だから
よどんで どんどん
よどんで どん
澱みを通して空を見て
いくら蒼空でも
結局はまだらな曇り雲
悲観な人間といわれ
それなら喜観楽観歓観を
志してみたが
目にまで澱みがしみ込んで
目薬注そうが目医者に行こうが
時間の膜は剥がれない

よどんで どんどん
よどんで どん
どんどんよどんで
どん よどみ

Posted at 08:03 | | この記事のURL
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