直木賞受賞作で映画にもなった「鉄道員(ぽっぽや)」(集英社刊)に登載されている短編「ラブ・レター」。
泣ける作品としては、こちらを推薦しますヨ
。
浅田次郎というひとは、作品中にスピリチュアルなものを盛り込んで、シビアな現実をときにファンタジックに仕上げてくれます。
「鉄道員」では娘、「角筈にて」では父親、「うらぼんえ」では祖父…。いずれもこの世の人ではありません。
すべての作品に、家族への愛と故郷への郷愁が満ち満ちているのは、おそらく作者本人の心の中に深く根ざしたものがあるからだと思います。
『ラブ・レター』には、この世のものではない人は登場しません。そのかわり、ひとりの薄倖な女の愛と哀しみが、恋文の中に昇華されています。
高校生だった息子が、授業中にこっそり読んでボロボロ泣いたので、先生から「どうしたんや?」と、いぶかしがられたとか…。
゜(p´ロ`q)゜。
≪あらすじ≫
高野吾郎(40歳前)。裏ビデオ店長、歌舞伎町暮らし20年余。世間の裏道で飯を食っているから、警察(サツ)やヤクザともおなじみ。
ある日、警察(サツ)のダンナから「女房が死んだから、引き取りに行け」と言われて、ポカーン((°Д°)ハァ? 何のこっちゃ??
"…そういや、戸籍売ったよなー。世話になってる組の手配で。でもオレ、相手の女、知らねえし…。会ったこともない女のホトケさん引き取りに行くのかよー。マイッタネ…
(;´Д`)"
組の親分に諭され、弟分のサトシを連れて、吾郎は”女房"を引き取りに出かけます。名前は白蘭(パイラン)。中国から出稼ぎにきた女性労働者でした。
「…結婚ありがとうございました、謝々。…(略)…ここはみんなやさしいです。組の人もお客さんもみんなやさしいです…みんなやさしいけど、吾郎さんがいちばんやさしいです。私と結婚してくれたから」
道すがら、吾郎はサトシから白蘭の様子を聞かされ、すこしずつ心の中にその面影が芽生えていきます。 会ったこともない女が、まるで自分の女房であるかのように思えてきます。
手順どおりに遺体を引き取るだけ、そう思っていた吾郎の心が微妙に変化し、同行したサトシも戸惑うばかりになっていきます。
「ヤベエよ、吾郎さん。いったいどうしちゃったんだよ」
「だって簡単すぎるじゃねえか…(略)…人が死んだってのに」
病院の安置室で、吾郎は白蘭と初の体面をしました。その美しい顔を抱きしめて彼は慟哭します。
帰りの車中、遺品の中に、吾郎は白蘭の最後の恋文を見つけました。最後の力を振り絞って書いたらしい、細く乱れた文字で埋められています。
「…(略)…写真も持ってます。…毎日見てるうちに吾郎さんのこと大好きになりました。好きになると、仕事つらくなります。仕事の前、いつもごめんなさいと言います。しかたないけど、ごめんなさいです。
…(略)…やさしい吾郎さんの写真見ると涙が出ます。悲しいのつらいのではなく、ありがとうで涙出ます。
…(略)…心から愛してます世界中の誰よりも。
吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。
再見。さよなら」
これは、日本文学史上、もっとも切ない恋文だと私は思います。
泣ける作品としては、こちらを推薦しますヨ
。浅田次郎というひとは、作品中にスピリチュアルなものを盛り込んで、シビアな現実をときにファンタジックに仕上げてくれます。
「鉄道員」では娘、「角筈にて」では父親、「うらぼんえ」では祖父…。いずれもこの世の人ではありません。
すべての作品に、家族への愛と故郷への郷愁が満ち満ちているのは、おそらく作者本人の心の中に深く根ざしたものがあるからだと思います。
『ラブ・レター』には、この世のものではない人は登場しません。そのかわり、ひとりの薄倖な女の愛と哀しみが、恋文の中に昇華されています。
高校生だった息子が、授業中にこっそり読んでボロボロ泣いたので、先生から「どうしたんや?」と、いぶかしがられたとか…。
゜(p´ロ`q)゜。
≪あらすじ≫
高野吾郎(40歳前)。裏ビデオ店長、歌舞伎町暮らし20年余。世間の裏道で飯を食っているから、警察(サツ)やヤクザともおなじみ。
ある日、警察(サツ)のダンナから「女房が死んだから、引き取りに行け」と言われて、ポカーン((°Д°)ハァ? 何のこっちゃ??
"…そういや、戸籍売ったよなー。世話になってる組の手配で。でもオレ、相手の女、知らねえし…。会ったこともない女のホトケさん引き取りに行くのかよー。マイッタネ…
(;´Д`)"
組の親分に諭され、弟分のサトシを連れて、吾郎は”女房"を引き取りに出かけます。名前は白蘭(パイラン)。中国から出稼ぎにきた女性労働者でした。
「…結婚ありがとうございました、謝々。…(略)…ここはみんなやさしいです。組の人もお客さんもみんなやさしいです…みんなやさしいけど、吾郎さんがいちばんやさしいです。私と結婚してくれたから」
道すがら、吾郎はサトシから白蘭の様子を聞かされ、すこしずつ心の中にその面影が芽生えていきます。 会ったこともない女が、まるで自分の女房であるかのように思えてきます。
手順どおりに遺体を引き取るだけ、そう思っていた吾郎の心が微妙に変化し、同行したサトシも戸惑うばかりになっていきます。
「ヤベエよ、吾郎さん。いったいどうしちゃったんだよ」
「だって簡単すぎるじゃねえか…(略)…人が死んだってのに」
病院の安置室で、吾郎は白蘭と初の体面をしました。その美しい顔を抱きしめて彼は慟哭します。
帰りの車中、遺品の中に、吾郎は白蘭の最後の恋文を見つけました。最後の力を振り絞って書いたらしい、細く乱れた文字で埋められています。
「…(略)…写真も持ってます。…毎日見てるうちに吾郎さんのこと大好きになりました。好きになると、仕事つらくなります。仕事の前、いつもごめんなさいと言います。しかたないけど、ごめんなさいです。
…(略)…やさしい吾郎さんの写真見ると涙が出ます。悲しいのつらいのではなく、ありがとうで涙出ます。
…(略)…心から愛してます世界中の誰よりも。
吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん吾郎さん。
再見。さよなら」
これは、日本文学史上、もっとも切ない恋文だと私は思います。
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at 14:31
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長いし…。


