
こんばんは。小ざむです。
高校野球に続いて、北京オリンピックが始まりました。
女子柔道48kg級と、量挙げは結果が出たんですね。
早いね〜昨日が開会式やったのに、もう終わったんや。お疲れ様

Rさん、帯状疱疹で病院にかかってるそうですワ。
あたしは、かかったことないんですけど、疲れがたまると出るんですってね。
それにしても、男の人も50過ぎると、あちこちガタがきますね。
さて、つづきです。どこまで書きましたっけ。
あ、小津さんが『うちでのジャグチ』をひねったとこまででしたね。
小津の魔法使い(其の4)
「こんなもんでどうだす」
と、言いました。
鈴木さんはいそいでまわりを見回しました。しかし、お嫁さんらしき女の人はどこにもいません。
「どこにいるんでしょうか」
「あわてなはんな。いずれ容姿端麗がぎょうさん現われまっさかい、その中から気に入ったお人を選ぶんだす」
魔法使いは自信たっぷりの様子。
「さ、二つめは何だすか?」
「文学賞がほしい」
ほう、と魔法使いはうなずき、
「芥川ですか、直木ですか?」
と聞きました。
「朽木賞」
「おやまあ」
と、魔法使いは目を丸くしました。
「女は松レベルやのに、文学賞は朽木ですか。えろう割り引きましたなあ」
それもそうだ、と鈴木さんは思いました。魔法がかなうなら芥川だって直木だって、いやノーベル文学賞を取ることだってできるじゃないか。でも待てよ、賞をひとつだけ取って、そのあと書けなくなったら大変だ。
うーん、と鈴木さんは考えたすえ、こう言いました。
「世界中の人が喜ぶような小説がずっと書けるようにしてください」
「抽象的はアカンて言うたでしょ」
「じゃあ『ご提案書』を…」
魔法使いはちょっと肩をすくめ、ふたたび工具箱の中から『ご提案書』を取り出しました。
「これも松竹梅あります。松は印税一億レベル、竹は一千万レベル、梅は五十万レベルだす」
「じゃあ、松を…」
魔法使いはそれを聞くと、またにっと笑いました。
「松は、年間休日数ゼロになってますけど」
「え…」
「当然だっしゃろ。一億やさかいね」
鈴木さんはまた考えました。一年じゅう小説を書き続けなければいけないなんて、いくら書くことが好きでもちょっとしんどいです。それに、休みがなければ女の人とつきあう時間もありません。でも、印税一億は魅力です。
『なんとかなるんちゃうやろか』
むずかしいことを考えるのが苦手な鈴木さんですから、やっぱり松にすることにしました。
「松でお願いします」
魔法使いはふたたびジャグチをひとひねり。
きゅっ。
「さっそく、来月あたりから仕事が来まっせ」
と、魔法使いは言いました。
最後の願いは何だすか、と聞かれ、鈴木さんはしばし考え込みました。
中古の軽四を新しくしようか、前からほしかったパソコンにしようか、いやいや大嫌いなアイツをこの世から抹殺する手もあるぞ。それとも、百歳まで生きられるようにしてもらおうかな。。。
あれこれ思い巡らしますが、なかなか決まりません。あとひとつしか願いごとができないのですから、後悔しないようにしなければ。
「あのう、三つめの願いは、あと三つ願いごとがかなう、いうのはどうです?」
「あ、お決まりの手やね。そういうセコいんはナシ」
「では、拾った宝くじで一億円が当たり、その金で新車を買ったら最新型パソコンが景品についてた、いうのはどうでしょうか」
「ぜいたく言いなはんな。それは『願いごとの重複』いうて、当社の規約に反してます。見てみなはれ、第十九条の三、ちゃんと書いてますやろ」
「だから、読めませんて」
「なんなら保留にしますか? 有効期間は一年ですさかい、何もあわてることはおまへん。当社のメンテナンスは充実、アフターケアは万全、ご用命の際はいつでも呼んどくなはれ」
「アポはどうやって取るんです?」
「名刺に電話番号書いてます。フリーダイヤルです。メールアドレスもあります」
「読めませんて言うてるでしょ」
「ほな、専用ハガキ置いていきまっさかい、ポストに入れとくなはれ。ただし、投函後、二、三日はかかりまっせ」
魔法使いはそう言うと、さっさとジャグチをかたづけ、「まいどおおきに」と、オート三輪に乗って帰っていきました。あとには、わけのわからない文字が並んだ名刺と専用ハガキが鈴木さんの手元に残りました。
(つづく)
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at 23:37
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