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中距離パートナーRのこと、趣味の手織り…
日々つれづれを、のんびりゆったり綴ります。
(7/27「座無の創作ノート」休止いたします)

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小津の魔法使い(其の11) [2008年10月14日(火) ]


こんばんは。小ざむです。

昨日まで、座無ねえさんはタイヘンでした。3連休、Rさんと音信不通になってたんです。
メール返信なし、電話にも出ない。。。

「急病で病院に担ぎ込まれたとか…。何かの事情で、私に連絡取れんのやないかしらん」

微妙な事情で、Rさんのご実家に電話をすることはかなわへんから、心配しきりやったんですが、昨日の夜になってやっと連絡が取れました。

R「ごめん、携帯をベッドの下に突っ込んで、ずーっと階下(した)でテレビ見てた」

座無「ずーっと? 3日間ずっと??

R「ウン」

座無「ヨカッター。゜(p´ロ`q)゜。何かあったんやないかって、心配してたヨー」

怒りより、安心のほうが先やったみたいです。まあ、何事もなくてよかったですね。

さて、どこまで書きましたっけ。あ、編集者から、エロ本を書くように言われたところまででしたね。




     小津の魔法使い(其の11)



編集者が帰ったあと、鈴木さんはパソコンに向かってぼんやりとしていました。背に腹は変えられない、そのとおりです。自分が生きるため、そして編集者のクビをつなぐため。
「思いきりハードにしてくださいよ。その場面が目に浮かぶようにね」
編集者の言葉が頭をよぎります。

鈴木さんは意を決してパソコンに向かいました。
 でも、どうしても指が動きません。
官能小説だって文学です。決してバカにしているわけじゃない。読むほうは喜んで読むのに、書くほうはこんなに大変なんだと改めて思います。
それはそれとして、これは鈴木さんが書きたい小説ではないのです。

『どうしたらいいんだろう』
ごろりと床に寝転び、ふと横を向いた鈴木さんの目に、あるものが飛び込んできました。
キッチンの流し台。そこに夕日を受けて光っているもの…。
水道の蛇口です。鈴木さんははじかれたように飛び起きました。
「あとひとつ、願いが残っている」
思い出したのです。あの日の魔法使い、名前はなんと言いましたっけ。…小津さん、そう小津の魔法使い!

鈴木さんは机の引き出しをかき回し、中のものを全部放り出しました。名刺は破り捨ててしまったけれど、ハガキは残っているはずです。
そして見つけました。不思議な文字が並んだあの専用ハガキを。
鈴木さんは藁をもつかむ思いでハガキを出しました。
あれほどこっぴどくやっつけた魔法使いが喜んでやってくるとは思えませんでしたし、何よりこのハガキが間違いなく届くのかどうかも不安です。しかし、最後の頼りはもうこれしかありません。
ポストに手をあわせ、いつまでも祈りつづける鈴木さんでした。        

     4


投函後二、三日と言ったのに、魔法使いがやってきたのは一週間もあとでした。
営業がたて込んでましてん、と言い訳をしたあと、コーヒーを勧めようとした鈴木さんに、
「私は、暴暴茶以外受けつけまへん」
と、めんどうなことを言います。そこで鈴木さんは、わざわざ隣町のお茶屋さんまで暴暴茶を買いにいかなくてはなりませんでした。

「すんまへんなあ、無理言いまして」
魔法使いはおいしそうに熱い暴暴茶をすすりました。
「さて、今日は何のご用で?」
鈴木さんは黙り込んでいます。恥ずかしくて言い出せないのです。
「えらい景気の悪い顔つきでんな。女にモテて売れっ子作家にもなって、願ったりかなったりとちゃいまんの? …あ、そうか。あんた、だまされたんやね」
「もとに戻してください」
「は?」
「もとに戻りたいんです」

ふーん、と魔法使いはまじまじと鈴木さんの顔をみました。
「あんたね、この前は自分の実力や言うたでしょう。何をもとに戻しまんのや?」
「もうイヤになったんですよ。疲れました」
「印税一億入ってくるんやから、多少の辛抱はしょうがおまへんな。それが仕事いうもんだす」
「……」
「あんた、まだモニター感想文出してまへんやろ。ほんまなら、とうに資格喪失でっせ。私があんじょうごまかしてるから、えーようなもんの」
「そうでしたか、すいません」
「えらい素直やね。まあ、それを見込んでモニターに選んだんですけどね」
「私が素直やて、ようわかりましたね」
「電話帳繰ってるときに、あんたの名前、青光りしてましたもん。性格が清い証拠だす。まあ、そんなことはどうでもよろし。あんた、ほんまにもとに戻りたいんだすか?」

鈴木さんは強くうなずきました。魔法使いはまだ半信半疑の様子で鈴木さんの顔を見ています。
「先生、才能だけでは芽が出まへんで。運と才能は車の両輪や。ふたつがうまいこと合わさって、初めて山が動くんだす。この山は動きだしたとこやおまへんか?」


(つづく)



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