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『偽然の国』 [2008年05月10日(土) ]
 別に誰と契約したわけでもないし、だから叱られる筋合いでもない、好きな時に好きな事を書いて楽しむのが「ブログ」というものですからーーーと、別に気を抜いたわけでもありませんが、先月の20日以来の久々の登場と相成りました。
 いえ!、なに!、突然の気紛れでニュージーランドへ行っていました。
 世間ではよく、一度海外に出ると病み付きになって、とかと言いますよね。
 この爺々なんかはその典型みたいに者で、しばらくじっとしているとお尻がむずむずとしてくる軽薄者ではあります。
 それに、時差も飛行時間も関係なく、日替わりするホテルもベッドにも一向に気にならない鈍感ときているものですから、それはもう何とか症候群みたいなものでして、はい!。

 ニュージーランドの印象とは世間では広く、自然豊かな国という答えが返ってくるようです。
 確かに、隅々まで人の手が加わってしまって息詰るような日本から比べると、無数の羊が草を食み、牛や鹿がのんびりと過ごす風景は、大地の豊かさを垣間見るに相応しい国ではあります。
 しかし、本当にその答えどおりか?ーーと、思ったのが、今回の旅行の素直な感想でした。
 北から南へ急ぎ足で縦貫しただけのものでしたから、一様な見方が当たっているかどうかなのですが、行けども行けども果てしなく広がる牧草地帯は、雲ひとつ無い紺碧の空とも相俟って、それはもう心地よい風景そのもので、僕なんかはそんな広大さに驚きと羨望ばかりを吐露しぱなしではありました。
 しかし悠久の古代から在るはずの、言うところの「自然」は多く見られず、人の手で造られた、それはあくまでも人工作品での緑の広がりであって、決して自然の緑、自然の在りのままの姿ではなかったのですね。
 緑が多いから即「自然」ではなく、太古の姿のままに在るのが本物の「自然」ではないかと。

 だから、ニュージーランドは、今は偽善よろしく紳士面している元海賊国が、自然と融和し畏敬して素朴に生きていた原住民の、歴史も文化も言葉や思想までも収奪し抹殺しながら、その海賊民の思いのままに自らに都合よく加工した、言わば元からの大自然を破壊しその皮を剥いで、それらしく見える人工芝に張り替えただけの「偽然の国」というのが今様のニュージーランドではと、この爺々には見えました。
 だから、今回の旅の思い出は、抜けるような碧玉の空以外には、実に後味の悪いものだったような気がします。
 人の目はいつも、緑の豊かと、自然の姿を見誤ってはいけないと思うのであります。      瑠華


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